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~第1部~第1章、異世界に転生しました。
第5話、忍び寄る驚異
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朝日の光を浴び、眩しさで目が覚める。
地面に直接寝たからなのか体が少し痛い。
身体の状態を確認しながら軽く動かしてみる。
特に問題は無さそうだ。
「いくら快適な空間でも、さすがに地面に直に寝るのはダメだったか」
横を見ると仰向けになってフクロウらしくないオッサンみたいな格好で寝る相棒に苦笑いする。
「さて、森を探索しながら道を探さないとな。いつまでもサバイバルしてるわけにもいかないしな」
未だに寝ているハクヨウを何とか起こし朝飯を食べ装備を整え亜空間の外に出る。
ちなみに起こす時、指をエサと間違えて食べられそうになったのを報告しておく。
寝起き危険。
忘れずに覚えておきしょう。
俺の指の安全確保の為にも大事です。
◇
「さぁて探索の再開だ。行くぜ相棒!」
肩に乗るハクヨウに声をかけ、歩き出した俺はマップを見ながら進んで行く。
ちなみにマッピングスキルがレベル2になった事で更に広い200メートルまで見える様になった。
改めてスキルの便利さがわかる。
歩き始めて体感で30分ほどたった頃にマップに変化が現れた。
1つの赤い反応が出る。
「お?モンスターか?……よし!今日初めての戦闘だ。気を引き締めていかないとな!慣れた頃が一番危険だ。安全第一!てなわけで、行くぞハクヨウ!」
『ピー♪』
ハクヨウの元気な声と共に気合を入れる。
200メートル先のモンスターを目指し風上に入らない様に風向きに気を付けながら移動する。
近付くにしたがって、更に気が付かれない様に静かに音をたてない様に忍び寄る。
モンスターの姿が、残り50メートル程になるとようやく見えてきた。
森の中だから薄暗いし、それなりに背の高い草があるから見えにくかったしな。
「あれは……ウサギ?」
見付からない様に顔を出しモンスターを確認する。
見えたのは地球のウサギと姿は同じなのだが……
大きさは中型犬くらいもある。
何より気になったのは、その額に30~40センチ程の「角」が付いていた。
目が赤く、角が付いているだけでも怖さが出てくる。
兎に角………別に目の前のウサギにかけてる訳じゃ無いけども、何にしても鑑定を使って、ウサギの情報を集める事にした。
「鑑定」
【ホーンラビット】レア度F♂
HP70
MP0
比較的、どこにでもいるモンスターで、ゴブリンと同じ程度の強さをもっている。
角を使った攻撃力は、レア度以上の危険性があり、その脚を使ったシャンプを生かし、角を突き刺してくる。
油断すると一撃で腹に穴が空く事になる。
その為に毎年、新人冒険者が犠牲になる。
肉は食用になり一般家庭の食卓に並ぶ事が多い為、需要率が高い。
その他に角は薬の素材として売れる。
◇
使って思い出したが、鑑定のレベルも上がり見える項目が増えていた。
「ほう?アイツの肉は美味いのか、さすがにもう干し肉は飽きてきたし……今日はウサギステーキだな!」
『ピッピー♪』
ハクヨウも食べたいのか、目を輝かせながら返事をする。
確かにフクロウは猛禽類だし、それを考えるとオニクスキーさんだもんな。
ホーンラビットを見ると草を食べている様で、時々、周りを気にしながらも食べることに夢中な様だ。
ふと見ると、ホーンラビットの近くに大木が倒れていた。
ホーンラビットから5メートルくらいかな?
そこまで少し遠回りしながらも気付かれないで近付けた。
俺は小声でハクヨウに話しかけた。
「いいかハクヨウ。また俺にアクセルウィンドをかけてくれ、俺が突っ込むから」
コクッと頷いたハクヨウにサムズアップして準備をする。
ホーンラビットを観察すると、草を食べる時と周りを見る時のタイミングが一定の感覚で交互に行動してる事に気が付いた。
それを見て俺は草を食べるタイミングに合わせてハクヨウにアクセルウィンドをかけて貰い飛び出した。
そして一気に近付くと同時に剣を上に構え、それから一気に振り下ろした。
だが、その攻撃はかわされてしまった。
少しモンスターをあまく見すぎてた様だ。
反省は後にする。
すぐに「かわすなよ!」と言いながらも手を止めず追撃の横凪ぎの一撃を放つ。
またかわされそうになったが、何とか足に剣先がかすり、ホーンラビットの動きが鈍る。
「今だ!!」
離されかけていた距離を詰め、剣を突き刺すとホーンラビットの胸に刺さり倒すことが出来た。
そのままホーンラビットは、光の粒へと変わっていった。
それを見て思い出す。
「あれ?肉は?」
ホーンラビットが消えた場所を良く見ると、分厚いステーキ肉と刺さったら痛そうな角が落ちていた。
◇
「鑑定」
ホーンラビットの肉(生肉500g)
ホーンラビットの角
…………何故に加工された状態の肉なのか、質問したい気持ちになったが、それを答えてくれる人がいるハズもなく。
俺はそれを無限収納にしまいながら呟く。
「そうかー素材は加工された状態でドロップするんだなー。動物なんて捌いたことなんて無かったし楽だからイイカー」
少し棒読みになったのは仕方ないと思う。
でも、あえて言うなら地面に肉が置いてあるのは衛生的にもどうだろう?と思った。
まぁ、何かの葉っぱが下に敷いてあったが、日本人として気になるのは仕方ないと思う。
もう一度言うが、解体なんてした事がない。
こちとら現代っ子。
マタギとかならいざ知らず。
普通は皮剥ぎやら、腹をさいて内臓を取り出すなんてしたことの無いのが普通だ。
キラキラのエフェクトでリバースしたのを加工処理する羽目になるのは目に見えてる。
◇
話を戻す。
戦闘の後、俺達は少し休憩を挟み再び歩き出す。
「宛もなく歩いてるけど、まったく人の立ち入った形跡が無いな……どっちに行けば良いのかも分からんし。道を探すのなんて何時になるのやら……」
さすがに落ち込んでくる。
話をしようとしたら、ハクヨウは頭の上で寝てるし。
「落ち込んでても仕方ないし、とにかく歩こう!」
無理矢理テンションを上げて進む。
切り換えが大事。
俺は出きる子。
自分を鼓舞する。空しいけど。
「ん?」
マッピングも更にレベルが上がり範囲が広がっていたのだが(今はレベル3、索敵範囲は半径700メートル)俺の周りに500メートル程離れた所で等間隔に10個の赤い点で囲まれていた。
しばらくどうでも良い事を考えていて気付くのが遅れた。
「これは……囲まれてるな」
確実に距離を詰めて来るモンスター達。
俺はハクヨウを起こす。
「ハクヨウ起きろ!モンスターに囲まれてる!」
その声に驚き飛び起きるハクヨウ。
危機感が足りないと思います。
「やっかいだな……見た感じ、しっかり統制が取れてるようだし、何もしないでこのままいれば、間違いなく全方位から襲われる」
どこか1ヶ所に絞って、囲まれるのを防がないと勝てる可能性が低くなる。
「ハクヨウ。囲まれる前に前の方のモンスターを突破するぞ!その後に各個撃破か逃げるかを考える。行くぞ!」
『ピッピー!』
先ずは前のモンスターを倒し、各個撃破かダメそうなら早めに逃げる事にした俺は、すぐに動き出す。
前方にしたのは、後ろは俺が来た方角だからだ。
行くなら多少危険になるが、まだ捜索していない方角にしたかったのもある。
逃げるならそっちにしたかった。
覚悟を決めると俺達は、モンスターとの距離を一気に詰めていく。
そこには虎並みに大きい狼が見えた。
「鑑定!」
◇
ブラックウルフ(レア度E♂5才)
HP200/200
MP0/0
◇
細かい説明は後だ!
身構えるブラックウルフに剣を振る。
「オラァ!!」
走った勢いのまま切りつけ、ブラックウルフの首を切り飛ばす。
「1つ!」
そのまま身体強化を発動し、ハクヨウにアクセルウィンドを掛けて貰い、更に加速し時計回りにブラックウルフに接近する。
コッチから急襲されると思っていなかったのか、驚きで動きが悪い。
3匹までは其ほど時間も掛からず倒せた。
だが、流石に現実は甘くはなかったようだ。
残った7つの反応が一斉に扇形の形で迫ってくる。
「ハクヨウ!残りが一気に来るぞ!見えたら片っ端から風魔法を飛ばしてやれ!」
ハクヨウは、ブラックウルフの姿が見える前に魔力を溜め始めた。
「見えた!!」
すぐに複数の影が見えてくる。
異世界に来て、望んでもいない猛烈な歓迎を受ける事になった。
今更、逃げるのは無しだ。
たぶん無理だろう。
ならばと俺達は覚悟を決め、文字通りに命をかけた戦いが始まったのである。
地面に直接寝たからなのか体が少し痛い。
身体の状態を確認しながら軽く動かしてみる。
特に問題は無さそうだ。
「いくら快適な空間でも、さすがに地面に直に寝るのはダメだったか」
横を見ると仰向けになってフクロウらしくないオッサンみたいな格好で寝る相棒に苦笑いする。
「さて、森を探索しながら道を探さないとな。いつまでもサバイバルしてるわけにもいかないしな」
未だに寝ているハクヨウを何とか起こし朝飯を食べ装備を整え亜空間の外に出る。
ちなみに起こす時、指をエサと間違えて食べられそうになったのを報告しておく。
寝起き危険。
忘れずに覚えておきしょう。
俺の指の安全確保の為にも大事です。
◇
「さぁて探索の再開だ。行くぜ相棒!」
肩に乗るハクヨウに声をかけ、歩き出した俺はマップを見ながら進んで行く。
ちなみにマッピングスキルがレベル2になった事で更に広い200メートルまで見える様になった。
改めてスキルの便利さがわかる。
歩き始めて体感で30分ほどたった頃にマップに変化が現れた。
1つの赤い反応が出る。
「お?モンスターか?……よし!今日初めての戦闘だ。気を引き締めていかないとな!慣れた頃が一番危険だ。安全第一!てなわけで、行くぞハクヨウ!」
『ピー♪』
ハクヨウの元気な声と共に気合を入れる。
200メートル先のモンスターを目指し風上に入らない様に風向きに気を付けながら移動する。
近付くにしたがって、更に気が付かれない様に静かに音をたてない様に忍び寄る。
モンスターの姿が、残り50メートル程になるとようやく見えてきた。
森の中だから薄暗いし、それなりに背の高い草があるから見えにくかったしな。
「あれは……ウサギ?」
見付からない様に顔を出しモンスターを確認する。
見えたのは地球のウサギと姿は同じなのだが……
大きさは中型犬くらいもある。
何より気になったのは、その額に30~40センチ程の「角」が付いていた。
目が赤く、角が付いているだけでも怖さが出てくる。
兎に角………別に目の前のウサギにかけてる訳じゃ無いけども、何にしても鑑定を使って、ウサギの情報を集める事にした。
「鑑定」
【ホーンラビット】レア度F♂
HP70
MP0
比較的、どこにでもいるモンスターで、ゴブリンと同じ程度の強さをもっている。
角を使った攻撃力は、レア度以上の危険性があり、その脚を使ったシャンプを生かし、角を突き刺してくる。
油断すると一撃で腹に穴が空く事になる。
その為に毎年、新人冒険者が犠牲になる。
肉は食用になり一般家庭の食卓に並ぶ事が多い為、需要率が高い。
その他に角は薬の素材として売れる。
◇
使って思い出したが、鑑定のレベルも上がり見える項目が増えていた。
「ほう?アイツの肉は美味いのか、さすがにもう干し肉は飽きてきたし……今日はウサギステーキだな!」
『ピッピー♪』
ハクヨウも食べたいのか、目を輝かせながら返事をする。
確かにフクロウは猛禽類だし、それを考えるとオニクスキーさんだもんな。
ホーンラビットを見ると草を食べている様で、時々、周りを気にしながらも食べることに夢中な様だ。
ふと見ると、ホーンラビットの近くに大木が倒れていた。
ホーンラビットから5メートルくらいかな?
そこまで少し遠回りしながらも気付かれないで近付けた。
俺は小声でハクヨウに話しかけた。
「いいかハクヨウ。また俺にアクセルウィンドをかけてくれ、俺が突っ込むから」
コクッと頷いたハクヨウにサムズアップして準備をする。
ホーンラビットを観察すると、草を食べる時と周りを見る時のタイミングが一定の感覚で交互に行動してる事に気が付いた。
それを見て俺は草を食べるタイミングに合わせてハクヨウにアクセルウィンドをかけて貰い飛び出した。
そして一気に近付くと同時に剣を上に構え、それから一気に振り下ろした。
だが、その攻撃はかわされてしまった。
少しモンスターをあまく見すぎてた様だ。
反省は後にする。
すぐに「かわすなよ!」と言いながらも手を止めず追撃の横凪ぎの一撃を放つ。
またかわされそうになったが、何とか足に剣先がかすり、ホーンラビットの動きが鈍る。
「今だ!!」
離されかけていた距離を詰め、剣を突き刺すとホーンラビットの胸に刺さり倒すことが出来た。
そのままホーンラビットは、光の粒へと変わっていった。
それを見て思い出す。
「あれ?肉は?」
ホーンラビットが消えた場所を良く見ると、分厚いステーキ肉と刺さったら痛そうな角が落ちていた。
◇
「鑑定」
ホーンラビットの肉(生肉500g)
ホーンラビットの角
…………何故に加工された状態の肉なのか、質問したい気持ちになったが、それを答えてくれる人がいるハズもなく。
俺はそれを無限収納にしまいながら呟く。
「そうかー素材は加工された状態でドロップするんだなー。動物なんて捌いたことなんて無かったし楽だからイイカー」
少し棒読みになったのは仕方ないと思う。
でも、あえて言うなら地面に肉が置いてあるのは衛生的にもどうだろう?と思った。
まぁ、何かの葉っぱが下に敷いてあったが、日本人として気になるのは仕方ないと思う。
もう一度言うが、解体なんてした事がない。
こちとら現代っ子。
マタギとかならいざ知らず。
普通は皮剥ぎやら、腹をさいて内臓を取り出すなんてしたことの無いのが普通だ。
キラキラのエフェクトでリバースしたのを加工処理する羽目になるのは目に見えてる。
◇
話を戻す。
戦闘の後、俺達は少し休憩を挟み再び歩き出す。
「宛もなく歩いてるけど、まったく人の立ち入った形跡が無いな……どっちに行けば良いのかも分からんし。道を探すのなんて何時になるのやら……」
さすがに落ち込んでくる。
話をしようとしたら、ハクヨウは頭の上で寝てるし。
「落ち込んでても仕方ないし、とにかく歩こう!」
無理矢理テンションを上げて進む。
切り換えが大事。
俺は出きる子。
自分を鼓舞する。空しいけど。
「ん?」
マッピングも更にレベルが上がり範囲が広がっていたのだが(今はレベル3、索敵範囲は半径700メートル)俺の周りに500メートル程離れた所で等間隔に10個の赤い点で囲まれていた。
しばらくどうでも良い事を考えていて気付くのが遅れた。
「これは……囲まれてるな」
確実に距離を詰めて来るモンスター達。
俺はハクヨウを起こす。
「ハクヨウ起きろ!モンスターに囲まれてる!」
その声に驚き飛び起きるハクヨウ。
危機感が足りないと思います。
「やっかいだな……見た感じ、しっかり統制が取れてるようだし、何もしないでこのままいれば、間違いなく全方位から襲われる」
どこか1ヶ所に絞って、囲まれるのを防がないと勝てる可能性が低くなる。
「ハクヨウ。囲まれる前に前の方のモンスターを突破するぞ!その後に各個撃破か逃げるかを考える。行くぞ!」
『ピッピー!』
先ずは前のモンスターを倒し、各個撃破かダメそうなら早めに逃げる事にした俺は、すぐに動き出す。
前方にしたのは、後ろは俺が来た方角だからだ。
行くなら多少危険になるが、まだ捜索していない方角にしたかったのもある。
逃げるならそっちにしたかった。
覚悟を決めると俺達は、モンスターとの距離を一気に詰めていく。
そこには虎並みに大きい狼が見えた。
「鑑定!」
◇
ブラックウルフ(レア度E♂5才)
HP200/200
MP0/0
◇
細かい説明は後だ!
身構えるブラックウルフに剣を振る。
「オラァ!!」
走った勢いのまま切りつけ、ブラックウルフの首を切り飛ばす。
「1つ!」
そのまま身体強化を発動し、ハクヨウにアクセルウィンドを掛けて貰い、更に加速し時計回りにブラックウルフに接近する。
コッチから急襲されると思っていなかったのか、驚きで動きが悪い。
3匹までは其ほど時間も掛からず倒せた。
だが、流石に現実は甘くはなかったようだ。
残った7つの反応が一斉に扇形の形で迫ってくる。
「ハクヨウ!残りが一気に来るぞ!見えたら片っ端から風魔法を飛ばしてやれ!」
ハクヨウは、ブラックウルフの姿が見える前に魔力を溜め始めた。
「見えた!!」
すぐに複数の影が見えてくる。
異世界に来て、望んでもいない猛烈な歓迎を受ける事になった。
今更、逃げるのは無しだ。
たぶん無理だろう。
ならばと俺達は覚悟を決め、文字通りに命をかけた戦いが始まったのである。
応援ありがとうございます!
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