転生先は小説の‥…。

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第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。

王都の噂話ー②

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レティエルの友人宅へ。

公爵家と共同事業を行っている伯爵家のご令嬢だ。

突然の来訪でもこの紋章印を見せれば拒否は出来ないだろう。

いや、拒否したくなるわ。なんせあの閣下のだから。



ごめん、許してくれ。





案の定、紋章印を見た家令は真っ青な顔でお待ちくださいと屋敷内に入っていった。
多分、夫人にでも確認に言ったのだろうな。


俺は令嬢に伝言があるとだけ言っていたので家令も不安だろう。ホント悪いね。



青褪めた家令に客間へと案内され、暫くするとご令嬢だけがやって来た。

只ならぬ表情してる。ごめんね。


挨拶もそこそこ俺の顔を見たご令嬢。

大泣きで俺を受け入れてくれた。


暫く二人で話をしたいからと人払いさせ、客間で二人話し込んでいる。


「ごめんなさいね。ガリレシア様。貴女しか頼れる相手がいなかったの」

「い、いいえ! レティエル様のお役に立てて光栄です! わたくしでお役に立てるのでしたらお使い下さいませ!」


「フフフ。ありがとう。助かりましたわ」



彼女はレティエルのシンパの一人。

話を聞くとレティエルの生存を信じていた派だそうだ。なにそれ‥‥。

生存説は根強くあったので憶測や陰謀説など社交界の噂話として語られていたんだって。
そうかよ知らなかったわ。

母さんが社交界に顔を出したのもあって憶測が凄かったって。



で、今、社交界を賑わせているのが我が公爵家の陰謀説。

義兄が謀反を計画したのを忠臣が告発したと言うものだった。(内部告発かよ)



公爵当主と夫人は加担していないが自領から謀反人‥‥義息子の企みに気付くことなく放任した責任があると今邸宅で謹慎中。公爵家の爵位も領地も没収されるのではと囁かれている。
陛下の沙汰はまだだけど。

証拠となる武器が公爵領内で発見されたから逃げようがないだろうと大方の貴族は思っている。
おまけに公爵家の私兵は屈強な精鋭揃いで軍事にも力を入れていたのも疑われた。

王都内で捕縛した偽装商人の供述が逮捕の決め手になったって。

偽装商人‥‥商人に扮して入国していたのは他国の兵士達だった。


おまけ情報に母さんが帝国人ってのが誘引で侵略説もあるそうだ。



聞いてビックリ!

何それ?

まんまシナリオの王妃の陰謀じゃん。 

俺は驚き過ぎて何から聞いていいのかわからなくなった。



えっ、ちょっと待って。それだと俺がここにいるの不味くない?



「我が家はランバード様の無実を信じております。ですのでご心配は無用ですわ」

ああ、そうだった。

このご令嬢は俺を信じて協力を惜しまない子だったな。

断罪イベントの証拠集めに協力してくれた子だったわ。ああ、ありがたや。


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