倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１２章 【ツモ国王家】の国土も軍兵も二分しての内戦勃発及び【ミアンカ王太女・夫君】の【タニハ王国葬】

〔１３６〕【シェリカ】と【ミアンカ】の【墓前】に彼奴の首を供えるまでは、死んでも死にきれん！！

　　和ナゴやかな雰囲気の【迎賓ゲイヒンの館ヤカタ】に女官が入って来た。

「失礼します。」
「【大御所】に陛下からの伝言です。」


「何じゃ？」
「此処にいる皆に聞かれると、まずいことでもあるのか？」


「いえ！そういう訳ではありませぬが・・・」
「実は、敵対国の【ツモ国】が現在、東西に割れて内戦中なのは御存知かと？・・・」
「その【東軍】の【ナム王太子】の使者が参りまして、長年に渡る非礼を詫ワび、是非とも、【東軍】に御味方願えないか、と？」
「その上、勝利の暁アカツキには、【北陸】でも【北越】でも国土を割譲する用意がある、とのこと。」「この申し出に対して、陛下は御立腹され、使者を追い返されました。」
「これは事後報告でありますが、【大御所】には別の思惑もあろうか、と陛下は仰オッシャいました。」


「・・・長年に渡る非礼を詫ワび・・・じゃと！！」
「詫ワびるなら、あの二枚舌の好色漢の卑劣漢の【ナムの首】を持って参れ！！」
「と、この婆ババが、その場にいたなら、その使者を怒鳴りつけたであろうのーォ！」

「良いか！ミカ姫！」
「そなたの母御の【ミアンカ王太女】と祖母の【シェリカ女王】を【死】に追いやった真の元凶は彼奴キャツぞ！！」
「彼奴キャツがいなければ、【ミアンカ】は家出同然に【駆け落ち】する事も無く、騙された【シェリカ】も自虐の念に苛サイナまれて、早死にすることもなかった！」
「この婆ババは【シェリカ】と【ミアンカ】の墓前に、彼奴キャツの首を供えるまでは、死んでも死にきれん！」


　　
　　この【大御所】の言に触発され、ミカの形相は徐々に険しくなり、両手はブルブルと震えだした。

その振動が、この【迎賓ゲイヒンの館ヤカタ】に乗り移り、縦揺れの【地震】となり、徐々に激しくなっていった。