倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第１０章 【青龍の牙】の凄まじいまでの破壊力

〔１１２〕【アキ王家】のお家騒動・身内の謀叛！≪９≫

　　続々と王家軍の劣勢が伝わる中、カリン王妃は、

「兄上も、母上も心配御無用です。｣
「我らには【日輪の女神】の御加護があります。」
「勿論モチロン、与えられた条件下での精一杯の努力を怠れば、御加護は受けられません。」
「ところで、ミカ姫！」
「ハヤテは、この危急存亡の非常時に、どこに行ったのですか？」
「アッ！　皆様に紹介が遅れました。｣
「こちらのミカ姫は、タニハ王家の御息女で、息子の婚約者でもあります。」


「はい！　今は亡きミアンカの娘・ミカでござりまする。」
「どうぞ、見知りおきを！」
「殿下は、この非常時に座して待つ御方ではありませぬ。」
「部下に、丞相達の後を尾行させ、また、沖合に停泊中の船から、【本家・『青龍の牙』弓箭連隊・１２００】を、既に呼び出しております。」
「そして、目下、この王家を難攻不落とする防戦態勢を構築中かと！！」
「更に、何よりも、殿下は【御神剣】の使い手でありまする！」


「オオーッ！！　あの【御神剣】ですね！」

と、マリン妃は叫んだ！

「兄王陛下！」
「私共は、遮サエギるものとて何もない港の波止場にて、【鷹の爪】の四連射を浴びましてござりまする。」
「本来ならば、全滅のところ、【御神剣】の一振り毎に、数十本の矢を反転させ、私共全員は掠カスり傷ひとつなく、助かったのですよ。」


「流石サスガは、本家のハヤテ殿！」
「【若き英雄】の名にし負オうだけのことはあるのう！！」