4 / 23
4
しおりを挟む
それから空に大きく放物線を描いた太陽を見送り、寝心地の良さそうな三日月が浮かぶ頃。その月明りを拒むようにその商店街では地元民で細やかながら独自の盛り上がりを見せていた。シャッターの交る一本道は間接照明のような控えめな明るさで、不思議とどこか懐古的な感覚にさえなるような雰囲気。
ラウルとリナはその商店街にあるお店で夕食を食べていた。店内の奥――向き合う二人の間に並ぶ料理は良い意味で家庭的。高級食材も特別な料理でも無かったが、十分過ぎるほどに美味しく舌と体に馴染む味だった。
「ここを出て他に行くっていう手もありますよ。もっと腐った国もありますし」
「どうやって?」
「そうですねぇ……。ここへ来た時のように?」
その言葉に料理へ伸ばした箸を止めリナは小さく溜息を零した。
「あれ? 嫌ですか?」
意外そうな表情を浮かべながら覗き込むように少し顔を下げるラウルは、下に向けた人差し指と中指を前後させ歩きのジェスチャーをして見せた。そんな彼をリナは視線だけで見上げた。
「嫌」
「そうですか。そうは見えなかったのでてっきり平気かと」
ラウルは表情が変わらなかったと自分の顔へ円を描きながら指を向けた。
「歩くのは嫌いじゃない。でもあれはやりすぎ」
思い出しもう一度溜息が零れる。
「まぁあれは緊急事態だったので仕方ないですね。普通に交通機関を使いましょうか」
「お金は?」
「まだありますよ。ですが、そろそろ賞金首を積極的に狙った方がいいかもしれませんね」
「賞金掛かってると中々見つからないからね」
「あまり高額だと面倒ですし」
すると話をする二人の左手側(お店のドア)から如何にもお客ではなさそうな集団が中へ。彼らは黒ずくめのバンダナで顔を隠し、手にはバットやゴルフクラブなどの武器を持っていた。
不審がるお客の視線を浴びながら彼らは突然、武器をドアのガラスへと叩きつけた。ガラスの割れる怒声のような音が響いたかと思うと、今度は椅子を蹴り飛ばしテーブルを壊し暴れ始める。
「おらおら!」
「さっさと出ていかねーと怪我すんぞ!」
声を上げ、武器を振り下ろす。店内はあっという間に混乱の渦に呑み込まれ、お客は我先にと逃げ出していった。
だがすっかり荒れた店内で唯一、二人だけは何事もないかのように食事と会話を続けていた。
そんな二人へ彼らの視線が集まるのは、もはや自然の摂理。代表するように一人が近づくと大きくバットを振り上げた。
「さっさと失せろっつってんだよっ!」
言葉と共に振り下ろされたバットはテーブルの真ん中へ叩きつけられ、まだ残る料理と共に真っ二つに壊れてしまった。更に床へ放り出された料理は食器やテーブルの破片と混じりぐちゃぐちゃ。
そして丁度、料理を食べようと手を伸ばしていた最中だったリナの箸は、目的を失い空中で開いたまま停止していた。だが一方でラウルはお皿ごと持ち上げていたお陰で食べようとしていた分だけは無事。
「行儀の良さに感謝したのは初めてですね」
その一言を残し料理を口へ。
そんな向かいで停止したままだったリナはゆっくりと箸をひとまとめで握ると、音を立てずにそっと隣の席へと置いた。
「――空切さんは預かっておきますよ」
それは使うなと遠回しに伝えながら箸と共に手を差し出すラウル。無言のままリナは刀を彼へ。
そしてゆっくりと立ち上がるとリナはバットを振り下ろした男の方を向いた。交差する視線はブーツ分を引いても僅かにリナが低い。彼女を知らなければ不機嫌とも取れる無表情に比べ男は口元を隠していても分かるぐらいにニヤリ笑みを浮かべた。
「中々、良い女じゃねーか。俺好みだ」
下から上へ視線を這わせる男。だが微動だにしないリナは相変わらず。
そして男は横へ顔をやると初め先頭に立っていた男を見た。
「アニキ。こいつ持ち帰っていいっすか?」
リナを指差し、その口調からもニヤケ顔が想像出来る。
「あぁ? ――チッ。ったく。好きにしろ。それよりさっさと片付けるぞ」
面倒臭いと言いたげにアニキと呼ばれた男が答えると「あざす」なんて調子良いお礼が返る。
そして満足気に顔を戻した男だったが、その視線が再びリナを見たその瞬間――問答無用で握った手袋越しの拳が男の顔を床へと沈めた。たった一発で倒れた男とリナの行動に一瞬、店内の時が止まる。ただラウルだけは膝に刀を乗せお皿の食事を続けていた。
「おいおい。女にやられるなんて……。情けねー奴だな」
少し遅れアニキと呼ばれた男は溜息交じりで呟くと、リナの近くにいた手下へ顎をしゃくり指示を出した。それを確認し二人の男がリナの元へ。
警告など無くリナと目を合わせたまま一人がバットで殴り掛かる。
リナはその手首を瞬時に掴み受け止めると、透かさず捻りを加えた。痛みに顔を歪める男からバットを悠々と奪い取るとリナはそのまま見えていると言わんばかりに横から振り下ろされたゴルフクラブをバットで受け止めた。
それから一瞬の間を置き、リナはまずゴルフクラブの男へ足を突き出し腹部へ強烈な蹴りをお見舞い。流れるように武器を奪い取った男の脇腹へバットを片手でぶつけた。片手とは言え脇腹を押さえ悶える男の手首を離したリナは、そのまま頭を掴むと顔面へ膝蹴りを喰らわせた。
あっという間に三人の仲間がやられた事に怯んだのか、静寂が男達を包み込んだ。
「何やってる? さっさと片付けろ」
だがアニキの一言で我に返った男達はリナへと襲い掛かり始める。
ラウルとリナはその商店街にあるお店で夕食を食べていた。店内の奥――向き合う二人の間に並ぶ料理は良い意味で家庭的。高級食材も特別な料理でも無かったが、十分過ぎるほどに美味しく舌と体に馴染む味だった。
「ここを出て他に行くっていう手もありますよ。もっと腐った国もありますし」
「どうやって?」
「そうですねぇ……。ここへ来た時のように?」
その言葉に料理へ伸ばした箸を止めリナは小さく溜息を零した。
「あれ? 嫌ですか?」
意外そうな表情を浮かべながら覗き込むように少し顔を下げるラウルは、下に向けた人差し指と中指を前後させ歩きのジェスチャーをして見せた。そんな彼をリナは視線だけで見上げた。
「嫌」
「そうですか。そうは見えなかったのでてっきり平気かと」
ラウルは表情が変わらなかったと自分の顔へ円を描きながら指を向けた。
「歩くのは嫌いじゃない。でもあれはやりすぎ」
思い出しもう一度溜息が零れる。
「まぁあれは緊急事態だったので仕方ないですね。普通に交通機関を使いましょうか」
「お金は?」
「まだありますよ。ですが、そろそろ賞金首を積極的に狙った方がいいかもしれませんね」
「賞金掛かってると中々見つからないからね」
「あまり高額だと面倒ですし」
すると話をする二人の左手側(お店のドア)から如何にもお客ではなさそうな集団が中へ。彼らは黒ずくめのバンダナで顔を隠し、手にはバットやゴルフクラブなどの武器を持っていた。
不審がるお客の視線を浴びながら彼らは突然、武器をドアのガラスへと叩きつけた。ガラスの割れる怒声のような音が響いたかと思うと、今度は椅子を蹴り飛ばしテーブルを壊し暴れ始める。
「おらおら!」
「さっさと出ていかねーと怪我すんぞ!」
声を上げ、武器を振り下ろす。店内はあっという間に混乱の渦に呑み込まれ、お客は我先にと逃げ出していった。
だがすっかり荒れた店内で唯一、二人だけは何事もないかのように食事と会話を続けていた。
そんな二人へ彼らの視線が集まるのは、もはや自然の摂理。代表するように一人が近づくと大きくバットを振り上げた。
「さっさと失せろっつってんだよっ!」
言葉と共に振り下ろされたバットはテーブルの真ん中へ叩きつけられ、まだ残る料理と共に真っ二つに壊れてしまった。更に床へ放り出された料理は食器やテーブルの破片と混じりぐちゃぐちゃ。
そして丁度、料理を食べようと手を伸ばしていた最中だったリナの箸は、目的を失い空中で開いたまま停止していた。だが一方でラウルはお皿ごと持ち上げていたお陰で食べようとしていた分だけは無事。
「行儀の良さに感謝したのは初めてですね」
その一言を残し料理を口へ。
そんな向かいで停止したままだったリナはゆっくりと箸をひとまとめで握ると、音を立てずにそっと隣の席へと置いた。
「――空切さんは預かっておきますよ」
それは使うなと遠回しに伝えながら箸と共に手を差し出すラウル。無言のままリナは刀を彼へ。
そしてゆっくりと立ち上がるとリナはバットを振り下ろした男の方を向いた。交差する視線はブーツ分を引いても僅かにリナが低い。彼女を知らなければ不機嫌とも取れる無表情に比べ男は口元を隠していても分かるぐらいにニヤリ笑みを浮かべた。
「中々、良い女じゃねーか。俺好みだ」
下から上へ視線を這わせる男。だが微動だにしないリナは相変わらず。
そして男は横へ顔をやると初め先頭に立っていた男を見た。
「アニキ。こいつ持ち帰っていいっすか?」
リナを指差し、その口調からもニヤケ顔が想像出来る。
「あぁ? ――チッ。ったく。好きにしろ。それよりさっさと片付けるぞ」
面倒臭いと言いたげにアニキと呼ばれた男が答えると「あざす」なんて調子良いお礼が返る。
そして満足気に顔を戻した男だったが、その視線が再びリナを見たその瞬間――問答無用で握った手袋越しの拳が男の顔を床へと沈めた。たった一発で倒れた男とリナの行動に一瞬、店内の時が止まる。ただラウルだけは膝に刀を乗せお皿の食事を続けていた。
「おいおい。女にやられるなんて……。情けねー奴だな」
少し遅れアニキと呼ばれた男は溜息交じりで呟くと、リナの近くにいた手下へ顎をしゃくり指示を出した。それを確認し二人の男がリナの元へ。
警告など無くリナと目を合わせたまま一人がバットで殴り掛かる。
リナはその手首を瞬時に掴み受け止めると、透かさず捻りを加えた。痛みに顔を歪める男からバットを悠々と奪い取るとリナはそのまま見えていると言わんばかりに横から振り下ろされたゴルフクラブをバットで受け止めた。
それから一瞬の間を置き、リナはまずゴルフクラブの男へ足を突き出し腹部へ強烈な蹴りをお見舞い。流れるように武器を奪い取った男の脇腹へバットを片手でぶつけた。片手とは言え脇腹を押さえ悶える男の手首を離したリナは、そのまま頭を掴むと顔面へ膝蹴りを喰らわせた。
あっという間に三人の仲間がやられた事に怯んだのか、静寂が男達を包み込んだ。
「何やってる? さっさと片付けろ」
だがアニキの一言で我に返った男達はリナへと襲い掛かり始める。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
エイリアンの侵略に人類は魔王と手を組んだ
佐武ろく
ファンタジー
<読み切りファンタジー小説>
青く美しい星『アスレラ』は魔王の闇が世界を覆い始めていた。だが魔王ありしとろこに勇者ありというのが世の常。この世界にも例外なく勇者がその聖剣と共に現れた。そして勇敢な仲間と共に魔王城を目指し旅を続け、ついに魔王と対峙する。この世界の命運を分ける大勝負が始まった。光か闇か。この世界が望むのはどちらなのか?そして両者は力と力をぶつけ合い、ついに決着がつくかと思われた。だがその時。突然、魔王城天井を突き破り光線が降り注ぐ。咄嗟に2人は最後の一振りの為に貯えた力をその光線の対処に使用した。そして光線が消えたことで崩れた天井とその向こう側が見え始める。その光景に勇者のみならず魔王までもが表情をこわばらせる。視線の先では空を覆いつくほど大きな空飛ぶ円盤一隻と無数にの小さな空飛ぶ円盤が2人を見下ろしていたのだ。そして固まるように空を見上げていた2人を囲うようにエイリアンが空飛ぶ円盤から下りてきた。もう終わりかと思われた勇者の物語。だが本当の始まりはここからだった。
アスレラを分かつ人類と魔王軍の勢力図に新たに加わったエイリアン。人類と魔王軍は圧倒的戦力を持つエイリアンに対処するため、休戦協定を結び互いに手を取り合った。エイリアンという強大な敵が前代未聞のタッグを組ませる。
※この物語はフィクションです。実在の団体や人物と一切関係はありません
Peach Flows
佐武ろく
ファンタジー
<読み切りファンタジー小説>
『御伽』。吸血鬼、鬼、ウェアウルフ、オーク...妖怪や悪魔などといった人ならざる者は総じてそう呼ばれていた。だが御伽と一言に言ってもその種族は様々。特殊な力を有している種族も多くその殆どが、人間と比べ身体能力が高いものの種族単位で言えば人間が圧倒的数を誇っていた。
そんな御伽は世界にとってすでに常識でありそれ故に人と御伽は現在では共存関係にあった。だが人間を下等だと見下す種族も少ないわけではなく対立による争いを防ぐため御伽のための町も造られた。それに加え世界には、御伽を排除しようとする組織『A.I』、逆に人間を排除しようとする組織『GOD』なども存在し完璧な意味での共存は実現していなかった。またその他にもいくつもの過激派組織が存在しておりそれらに対抗すべく政府は警察とは別にEOCBという組織を結成する。
そんな世界で受け継がれ続けてきた『桃太郎』の名を父親から受け継いだ主人公。しかしその一族はただ『桃太郎』という名を代々受け継いでいるわけではなくその名と共にある意志が親から子へと引き継がれていた。それは主人公も例外ではなく彼もまたその意志を成し遂げようとしていた。
そんな意志と『桃太郎』の名を受け継いだ主人公は護衛・警備から人探しなど手広く行い御伽だけではなく過激派組織をも相手にできる企業AOFを立ち上げた。AOF設立後に3人の仲間をスカウトしてから本格的な活動は開始された。そして主人公は一族の意志の為、情報を集めながらも日々AOFに訪れる依頼をこなしていた。
※この物語はフィクションです。実在の団体や人物と一切関係はありません。
月影の盗賊と陽光の商人
みすたぁ・ゆー
ファンタジー
とある地方都市の盗賊ギルドに所属する少年と商人ギルドに所属する少年。
ふたりの出会いは偶然か必然か――
境遇も立場も対照的だが、誰かを想う心はどちらも強い。だからこそ、彼らは惹かれ合っていくのかもしれない。
そしてひょんなことから命を狙われる事件に巻き込まれ、彼らの運命が大きく動き出す!
◆
幼いころに盗賊ギルドに拾われたバラッタは十七歳となり、ギルド内では若手の有望株として期待されるようになっていた。
そんなある日、彼は幼馴染みのルナと共に食事へ出かけた際、暗殺者に命を狙われている商人・ビッテルを成り行きで助けることとなる。
ビッテルも年齢は十七歳。そしてこの出来事をきっかけに、彼はバラッタに好意的に接するようになる。
だが、バラッタはかつて奴隷として自分が商人に売られた経験から、商人という職業の人間を一律に毛嫌いしている。
そのため、バラッタはビッテルに対しても良い感情を持たず、しかも汚い商売に手を染めているはずだと確信し、その証拠を掴もうと画策する……。
傭兵稼業の日常と冒険 life & adventure @ RORO & labyrinth
和泉茉樹
ファンタジー
人間と悪魔が争う世界。
人間と独立派悪魔の戦闘の最前線であるバークレー島。
ここには地下迷宮への出入り口があり、傭兵たちは日夜、これを攻略せんと戦っていた。
伝説的なパーティー「弓取」のリーダーで武勲を立てて名を馳せたものの、今は一人で自堕落な生活を送る傭兵、エドマ・シンギュラ。
彼の元を訪れる、特別な改造人間の少女、マギ。
第一部の物語は二人の出会いから始まる。
そして第二部は、それより少し前の時代の、英雄の話。
黄金のアルス、白銀のサーヴァ。
伝説の実態とは如何に?
さらに第三部は、大陸から逃げてきた魔法使いのセイルと、両親を失った悪魔の少女エッタは傭兵になろうとし、たまたまセイルと出会うところから始まる話。
桜の朽木に虫の這うこと
朽木桜斎
ファンタジー
「人間って、何だろう?」
十六歳の少年ウツロは、山奥の隠れ里でそんなことばかり考えていた。
彼は親に捨てられ、同じ境遇・年齢の少年アクタとともに、殺し屋・似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)の手で育てられ、厳しくも楽しい日々を送っていた。
しかしある夜、謎の凶賊たちが里を襲い、似嵐鏡月とアクタは身を呈してウツロを逃がす。
だが彼は、この世とあの世の境に咲くという異界の支配者・魔王桜(まおうざくら)に出会い、「アルトラ」と呼ばれる異能力を植えつけられてしまう。
目を覚ましたウツロは、とある洋館風アパートの一室で、四人の少年少女と出会う。
心やさしい真田龍子(さなだ りょうこ)、気の強い星川雅(ほしかわ みやび)、気性の荒い南柾樹(みなみ まさき)、そして龍子の実弟で考え癖のある真田虎太郎(さなだ こたろう)。
彼らはみな「アルトラ使い」であり、ウツロはアルトラ使いを管理・監督する組織によって保護されていたのだ。
ウツロは彼らとの交流を通して、ときに救われ、ときに傷つき、自分の進むべき道を見出そうとする――
<作者から>
この小説には表現上、必要最低限の残酷描写・暴力描写・性描写・グロテスク描写などが含まれています。
細心の注意は払いますが、当該描写に拒否感を示される方は、閲覧に際し、じゅうぶんにご留意ください。
ほかのサイトにも投稿しています。
踊る阿呆は螺旋の救世者
藤原ぴーまん
キャラ文芸
“星詠みの巫女”・フォーチュンは、“地球の化身(ホメヲスタシス)”の神託を受け、日本国・四国東方/徳島県に訪れる。
その際、彼女の身柄を狙う国家指定暴力団/極龍會に襲われるが、たまたま通りがかった徳島県民・真神正義に助けられる。
一方、国際テロ組織/“黙示録の獣(アポカリプスビースト)”の元首領・黒十字(リベリオン)もまた徳島県に潜伏しており、彼は四国に眠る“ソロモン王の秘宝”を探していた――――
踊る阿保に見る阿保。
同じ阿保なら、踊らにゃ損損!
踊る阿保は螺旋の救世者(メシア)。
略して、あほめし。これより、開幕!
柊瑞希は青春コンプレックス
黒姫百合
恋愛
「何度も言うが私は青春が嫌いだ」
高校一年生の男の娘、柊瑞希は青春が大嫌いだ。
理由はそんな安っぽい言葉で自分の人生や苦悩を語ってほしくないからである、
青春なんていらない。
瑞希はそう思っていた。
部活も時間の無駄だと思った瑞希は帰宅部にしようとするものの、この学校には帰宅部はなく瑞希はどこかの部活に入るように先生に言われる。
それと同じタイミングで瑞希と同様部活は時間の無駄だと考える少女が先生と言い争っていた。
その後、瑞希は部活をしない部活を創立し、二人の女子と交流を持つようになり……。
ひねくれ男の娘が少しずつ大切なものを知っていく物語が今、始まる。
凪川妖狐奇譚 〜吒枳尼天(だきにてん)現世に転生す〜
香山黎
ファンタジー
東海地方のI県にある古刹、凪川稲荷(なぎかわいなり)は商売繁盛のご利益で知られるが、その北別院通称『べついんさん』には願主の魂と引き換えにどんな願いでも叶えるという噂があった。
その鎮守として祀られる吒枳尼天(だきにてん)の化身と称する少女、薬師峰瑠璃(やくしみねるり)が失職中の青年、佐上忠平と誓約を交わし、物語は始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる