木瓜

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綺麗な花には棘がある

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『私は、感情が乏しい人間なの』とか、言っていたが、私から見た彼女は、繊細な人間以外の何者でもない。

だから、今だってこうやって、二階の事務所のソファで、一人寝ている姿を見ると、少し、心配な気持ちになる。

その繊細な心は、まだ壊れてはいないだろうか、と。

「あら、朝帰りとはいい御身分ね。今回は、一体どんなやり方で口説いてきたのかしら」

私に気付いた彼女が、意地の悪い笑みを浮かべながら体を起こす。

「またそんな所で寝てたの?いい加減、ちゃんとした所で寝なよ。羽毛布団だって買ってあげたでしょ。高いやつ」

「落ち着かないのよ。ここの方が、思考を纏めながら眠りにつける」

「要は、寝てないって事でしょ」

寝る時ぐらい、何も考えずに、頭を空っぽにしないと。

質の良い睡眠は取れない。

きちんと疲れが取れていないのではないか。

溜まりに貯まった疲れで、いつか、本当に、倒れてしまうのではないか。
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