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兄は2度も治癒を
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今日も良いお天気と言いたかったのに、早朝から嵐のような暴風雨に稲光だよ。
実は今日、バールナ公爵夫妻が案内役として、あの人達……ディロール第2王子ヴァンロット様、平民落ちしたルリナ、大臣の息子マウロ様、騎士団長の息子ヨーシュア様、ギルドマスターの息子ダーティ様が、こちらソフィーリアへ来る日なのです!
そんな理由もあって、王宮の皆さんは朝からずっとピリピリしているし顔も怖いし、体から出るオーラ? 的な物がもっと怖い。
それに毛が逆立ってるし。
そうそう、王妃様に新しい顔隠し、ではなくて扇子を頂いの。
フェンとグリはオールとジンと一緒に外出してしまって暇だったのもあり、レイン様・ハーティー様・ジーナ様とで地球の私の部屋へ案内をしようと思い、久し振りに地球のドアを開いた。
「おい、それはなんだ!
何で車椅子なんだ?」
お兄ちゃん? 何で私の部屋に入ってるのよ!
私はこれでも乙女でピッチピチの女子高生なのよ!
無断で私の部屋に入る兄ってどうなのよ!
そんなのはいい、面倒い人に会ったよ!
レイン様・ハーティー様・ジーナ様が驚いてるじゃない!
うわぁーーっ! こっちに歩いて来たーー!!
車椅子を両手で持たれ、身動きが取れない状態になった。
「お兄ちゃん、顔が近い!
シスコン! 変態! 近付かないで!」
私が叫んでいたらランの蹴りが横腹に命中し。
「ゴフッ!」
お兄ちゃん撃沈です。
「ユア様のお兄様だとは知らず、乱暴な事をしてしまい大変申し訳ありませんでした!」
ランは必死に謝っている。
「俺も妹に詰め寄りすぎてたのもあるから気にしないで」
ランの頭を優しく撫でてたけど、モフモフな耳の触り心地が良いのか触りすぎでしょ!
お兄ちゃんに私の身に起こった事と『呪い』のせいで車椅子生活になってしまった事を話した。
「ツライのに話してくれてありがとう。
流石、俺の妹だ!
ユアの友人か?」
「うん。そうだよ。
私の大切な友人なの。
ランに蹴り倒されたコノ人は私の兄の翔太です」
「ハハハッ、女性に蹴られたのは久しぶりだったな。
俺の妹は気弱だが仲良くしてやって下さい」
「「「勿論ですわ!」」」
「お兄ちゃん、こちらはレイン様・ハーティー様・ジーナ様です。
そして私の大切な自慢のメイドであるランだよ」
「……ユア様、自慢のメイドって言ってもらえて嬉しいです」
「ユアは良い友人と良い人達に巡り会ったんだな。
良く頑張ったな、偉いぞ」
お兄ちゃんに抱きしめられたのは、いつぶりだろ?
その光景を見て勘違いしたのか、お兄ちゃんはジンとオールに背後から思い切り蹴られてしまった!!
「グフッ!」
また撃沈です。
「お、お兄ちゃん大丈夫?」
「…………」
「きゃぁ、ジン様……ユア様のお兄様に暴力は良くないと思いますわ」
「も、申し訳ありませんでした。
ユア様、すみませんでした」
「あはは、お兄ちゃんなら喧嘩になれてるから大丈夫だよ」
オールとジンは私の兄だと分かると、急にオロオロしだした。
お兄ちゃんは治癒師に2度目の治癒を受けました。
地球では強い兄だが、魔法や身体能力が高い人には勝てなかったようだ。
そんなやりとりしていると。
「えっ! 優愛ちゃん?」
横を見ると、桜さんがこっちを見ていたのだが、走って来て私に抱きついた。
「私、ずっと心配してたのよ!
また会えて嬉しいわ。
でも、何で車椅子なの?
もしかしてイジメられて大怪我したの?」
「イジメではないけど、それに近い感じかな。
『呪い』を受けて、下半身が動かなくなっちゃって。
でもね、皆が良くしてくれてるから幸せだよ」
「本当に幸せ?」
真剣な顔の桜さん。
私は頷き。
「幸せだよ。
今はこんな状態だけど『呪い』が解ければ、歩いたり走れるよ」
「桜さん、私の友人のレイン様・ハーティー様・ジーナ様、そして大切なメイドのラン。
この人が婚約者のオパール殿下で、こちらはユージン……ジーナ様の婚約者だよ」
安心してね! と言ったんだけど、桜さんもランと同じで抱きついて離してくれなかった。
お兄ちゃんは、私のベッドで呑気に寝てるし。
まあ、放置でも大丈夫だよね。
お兄ちゃんの事は無視をして、桜さんと一緒に王宮のキッチンへ行き、シフォンケーキと生クリームを一緒に作り皆で食べたのだが、コレが好評でレシピを書いて料理長のブルーノさんに渡した。
作り方は見てたから分かるらしい、流石です!
私は、桜さんの肩に頭を置き、腕にしがみついて甘えていた。
実は今日、バールナ公爵夫妻が案内役として、あの人達……ディロール第2王子ヴァンロット様、平民落ちしたルリナ、大臣の息子マウロ様、騎士団長の息子ヨーシュア様、ギルドマスターの息子ダーティ様が、こちらソフィーリアへ来る日なのです!
そんな理由もあって、王宮の皆さんは朝からずっとピリピリしているし顔も怖いし、体から出るオーラ? 的な物がもっと怖い。
それに毛が逆立ってるし。
そうそう、王妃様に新しい顔隠し、ではなくて扇子を頂いの。
フェンとグリはオールとジンと一緒に外出してしまって暇だったのもあり、レイン様・ハーティー様・ジーナ様とで地球の私の部屋へ案内をしようと思い、久し振りに地球のドアを開いた。
「おい、それはなんだ!
何で車椅子なんだ?」
お兄ちゃん? 何で私の部屋に入ってるのよ!
私はこれでも乙女でピッチピチの女子高生なのよ!
無断で私の部屋に入る兄ってどうなのよ!
そんなのはいい、面倒い人に会ったよ!
レイン様・ハーティー様・ジーナ様が驚いてるじゃない!
うわぁーーっ! こっちに歩いて来たーー!!
車椅子を両手で持たれ、身動きが取れない状態になった。
「お兄ちゃん、顔が近い!
シスコン! 変態! 近付かないで!」
私が叫んでいたらランの蹴りが横腹に命中し。
「ゴフッ!」
お兄ちゃん撃沈です。
「ユア様のお兄様だとは知らず、乱暴な事をしてしまい大変申し訳ありませんでした!」
ランは必死に謝っている。
「俺も妹に詰め寄りすぎてたのもあるから気にしないで」
ランの頭を優しく撫でてたけど、モフモフな耳の触り心地が良いのか触りすぎでしょ!
お兄ちゃんに私の身に起こった事と『呪い』のせいで車椅子生活になってしまった事を話した。
「ツライのに話してくれてありがとう。
流石、俺の妹だ!
ユアの友人か?」
「うん。そうだよ。
私の大切な友人なの。
ランに蹴り倒されたコノ人は私の兄の翔太です」
「ハハハッ、女性に蹴られたのは久しぶりだったな。
俺の妹は気弱だが仲良くしてやって下さい」
「「「勿論ですわ!」」」
「お兄ちゃん、こちらはレイン様・ハーティー様・ジーナ様です。
そして私の大切な自慢のメイドであるランだよ」
「……ユア様、自慢のメイドって言ってもらえて嬉しいです」
「ユアは良い友人と良い人達に巡り会ったんだな。
良く頑張ったな、偉いぞ」
お兄ちゃんに抱きしめられたのは、いつぶりだろ?
その光景を見て勘違いしたのか、お兄ちゃんはジンとオールに背後から思い切り蹴られてしまった!!
「グフッ!」
また撃沈です。
「お、お兄ちゃん大丈夫?」
「…………」
「きゃぁ、ジン様……ユア様のお兄様に暴力は良くないと思いますわ」
「も、申し訳ありませんでした。
ユア様、すみませんでした」
「あはは、お兄ちゃんなら喧嘩になれてるから大丈夫だよ」
オールとジンは私の兄だと分かると、急にオロオロしだした。
お兄ちゃんは治癒師に2度目の治癒を受けました。
地球では強い兄だが、魔法や身体能力が高い人には勝てなかったようだ。
そんなやりとりしていると。
「えっ! 優愛ちゃん?」
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「私、ずっと心配してたのよ!
また会えて嬉しいわ。
でも、何で車椅子なの?
もしかしてイジメられて大怪我したの?」
「イジメではないけど、それに近い感じかな。
『呪い』を受けて、下半身が動かなくなっちゃって。
でもね、皆が良くしてくれてるから幸せだよ」
「本当に幸せ?」
真剣な顔の桜さん。
私は頷き。
「幸せだよ。
今はこんな状態だけど『呪い』が解ければ、歩いたり走れるよ」
「桜さん、私の友人のレイン様・ハーティー様・ジーナ様、そして大切なメイドのラン。
この人が婚約者のオパール殿下で、こちらはユージン……ジーナ様の婚約者だよ」
安心してね! と言ったんだけど、桜さんもランと同じで抱きついて離してくれなかった。
お兄ちゃんは、私のベッドで呑気に寝てるし。
まあ、放置でも大丈夫だよね。
お兄ちゃんの事は無視をして、桜さんと一緒に王宮のキッチンへ行き、シフォンケーキと生クリームを一緒に作り皆で食べたのだが、コレが好評でレシピを書いて料理長のブルーノさんに渡した。
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