【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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クッソ不味い薬湯

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 私はオールに横抱きにされて、謁見の間に居る王様と王妃様に『呪い』の事を報告へ来ている。
 皆様の勢揃い……女性陣は心配そうな顔をしている。
 大臣のヨシュアも苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
 ユアンとジンは……背後から何か出てきそうだから、見なかった事に。

「ユアが治癒された時は、どのような感じだったのです?」

 王妃様はジンに、身を乗り出す様に聞いてき、ジンは目の前で起こった事を報告した。

「あの時は私も止血しなければという事に思考が無くなっていました。
 申し訳ありません!」
「俺も同じだ、あの女を振り離せなくてユアを危険に晒した」
「私達も治癒の光が白だたいう事を忘れていました。
 誠に申し訳ありませんでした!」
『申し訳ありません!』

 サンお父様は深々と頭を下げて、王族の皆様に謝罪をした。
 ポイズン公爵家・パーロニー侯爵家・イーリス侯爵家の皆様も王族の皆様に深々と頭を下げて謝罪をした。
 ジンとオールも頭を下げて謝罪をし。
 その後にジンが、あの時起きた事を、王族の顔を見ながら話している。

「あの治癒師は黒に近い紫色の光を当てていました。
 その光は2度あり、その2度目の術が『呪い』だと思われます」
「他には誰がいたんだ?」

 王が疑問に思ったのか、みなの顔を見て答えを待った。

「居たのは、ルリナ、バールナ公爵家、ポイズン公爵家、パーロニー侯爵家、イーリス侯爵家、騎士団長アーロン・ルガレート、騎士副団長グレン・カーデル、ディロール王の第2王子ヴァンロット様、ディロール大臣の息子マウロ様、騎士団長の息子ヨーシュア様、ギルドマスターの息子ダーティ様、治癒師だと名乗りながら教本を持っていた教官がおられました」

 私を亡き者にしたいのなら魔法や武器で殺せたはずだと思い、考えていた。

「私を憎んでいる人?
 ルリナ様の行動は……まあ転生者だから変なんだよね」

 フェンは私にスリスリし、グリも「グルルル~~」と喉を鳴らしながらすり寄ってきた。
 私はルリナ様に憎まれる事をしたおぼえ無いんだけどな。
 ジンかオールの事が好きだったから【嫉妬】して『呪い』をかけさせたのかな?

  謎が多すぎる。

 この『呪い』が解けたら、貧しい国へ行って料理や炊き出しとかしたいのに!
 出来ないのがもどかしい。
 王様達の話し合いが始まるとの事なので、私は自室で薬湯を飲んで寝なさいと言われ、友人達とランとで自室へ向かった。

「ランーー、この薬湯……オエエェッ!
 クッソマズ!!」

 と叫んでいた私!

「「「っっっ!!」」」
「まぁ、ユア様!
  その様な御言葉を使うなんてはしたないですよ!」

 レイン様・ハーティー様・ジーナ様が私の言葉と不味そうな顔を見て、扇子で素早く顔を隠して笑っている。
 ランに注意されたが、私はランに手招きをし、カップに入ってる薬湯をランの口に無理矢理持っていき、無理矢理飲ませた!

「ゔ~~~~っ! オエエェッ!
 何このクッソマズイ飲み物は~~!!」
「ランだって、はしたない御言葉ですわよ」

 と言ってニヤニヤしていた私。
 その光景を見ていた友人達も扇子越しで笑っていた。

「超苦いのでハチミツを入れて飲みやすくしましょう!」
「ランも一緒に飲んでね?
 飲んでくれたら私も飲むわ」

 今日はワガママな私でした。
 話し合いでは、サンお父様がディロールへ行き頭にお花畑が出来てる連中を連れて来る事になった。
 あとはディロール王の返事待ちと、サンお父様と愉快な仲間達が現れるのを待つとの判断が下された。
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