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楽しい時間と出国の時間
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今日は連休? 休暇? の最終日だ。
楽しい時間が過ぎるのは早いよなぁ。
「ずっとソフィーリアにいたいな。
ソフィーリアなら、あんなイジメみたいな事なんて起きないのに。
ディロールに戻るのが憂鬱だよ」
誰にも話せないから、独り言が多くなってる、けど皆には聞かれたくはなかった。
だって、そんな事を口に出して話してしまったら皆に心配させてしまうからだ。
「……やはり心配ですか?」
後ろを振り向くと、ユアンが一礼をしてテラスにいる私の側まで来てくれた。
私は誰もいないと思っていたから、つい声に出してしまっていたようだ。
「……口に出すつもりはなかったのだけれど、でもディロールでの生活で何が起こるかなんて誰にも予測は出来ないし。
わたくしは、かなりの臆病者で気弱……駄目ね。
こんなのではオールの婚約者として失格だわ」
「ユア様、バールナ公爵家の皆様は信頼できる方々です、1人を除いては。
オパール殿下に私の弟であるユージンも従魔のフェンもいます、どうか元気を出して下さい」
「クスクスクスッ、うん。
ユアン、ありがとう。
胸につっかえてたモノが少しだけ溶けた感じで、前向きに何とか行けそうだよ」
「それは良うございました。
明日に備えて、今夜はゆっくりとお休み下さいませ」
「うん。
ユアン、ありがとう」
「それでは政務に戻ります」
ユアンは一礼をし、部屋から退室して行った。
「明日……かぁ」
夜更かしは美容の敵、美容を気にした事がない私だけど、異世界であるミーストへ召喚されてからは健康的な早寝早起きになってる、良い事だよね。
明日の為にも「おやすみなさい」と、心の中で呟いた。
「……さま、……ア様」
「んんっ、あと5分だけ眠らせて……」
「ユア様、起きて下さいませ。
皆様は既に食堂へお集まりになっていますよ?
起きてくださらないとオパール殿下が来ちゃいますよ?」
んっ?
「寝坊した!
わたくしってば何してるんだろ、ランーーッ、服を取ってーー!」
ランが髪ブラシを取ってる間に『パパパッ!』と着替えた。
そしてランの手から素早く髪ブラシを奪い取り『サササッ!』と髪を整えて、ランの手を握り部屋から小走りで食堂へと滑り込んだ。
「皆様、遅くなってしまい申し訳ありません。
今日は……寝坊をしてしまいました」
「良い良い。
今まで寝坊をしてない方が凄い事だよ」
「そうよ。
ユアは真面目さんなんだから」
「わたくしなんてアミンに起こしてもらわないと起きれないのよ?」
「……実は、わたくしもアミンに起こしてもらわないと毎日寝坊をしているわ」
「俺はユアが隣にいてくれたら、絶対に寝坊しない!
ユアの寝顔をずっと見ていたいからな」
オールの発言には、何て返答して良いのか悩むけれど、皆さんの優しい心遣いが嬉しい。
「皆さん、おはようございます。
朝食の後ディロールへ出国します。
凄く楽しい休暇でした」
私の挨拶に頷いてくれていた。
「それでは皆様、行ってまいります。
お体に気をつけて下さいませ」
「ユア、連休に会えるのを楽しみにしているよ」
王様からの言葉が嬉しかった。
王妃様と皇女様方は号泣で、言葉に出来ないらしく、大きく手を振ってくれている。
私も皆に大きく手を振り、ディロールへと出国をした。
楽しい時間が過ぎるのは早いよなぁ。
「ずっとソフィーリアにいたいな。
ソフィーリアなら、あんなイジメみたいな事なんて起きないのに。
ディロールに戻るのが憂鬱だよ」
誰にも話せないから、独り言が多くなってる、けど皆には聞かれたくはなかった。
だって、そんな事を口に出して話してしまったら皆に心配させてしまうからだ。
「……やはり心配ですか?」
後ろを振り向くと、ユアンが一礼をしてテラスにいる私の側まで来てくれた。
私は誰もいないと思っていたから、つい声に出してしまっていたようだ。
「……口に出すつもりはなかったのだけれど、でもディロールでの生活で何が起こるかなんて誰にも予測は出来ないし。
わたくしは、かなりの臆病者で気弱……駄目ね。
こんなのではオールの婚約者として失格だわ」
「ユア様、バールナ公爵家の皆様は信頼できる方々です、1人を除いては。
オパール殿下に私の弟であるユージンも従魔のフェンもいます、どうか元気を出して下さい」
「クスクスクスッ、うん。
ユアン、ありがとう。
胸につっかえてたモノが少しだけ溶けた感じで、前向きに何とか行けそうだよ」
「それは良うございました。
明日に備えて、今夜はゆっくりとお休み下さいませ」
「うん。
ユアン、ありがとう」
「それでは政務に戻ります」
ユアンは一礼をし、部屋から退室して行った。
「明日……かぁ」
夜更かしは美容の敵、美容を気にした事がない私だけど、異世界であるミーストへ召喚されてからは健康的な早寝早起きになってる、良い事だよね。
明日の為にも「おやすみなさい」と、心の中で呟いた。
「……さま、……ア様」
「んんっ、あと5分だけ眠らせて……」
「ユア様、起きて下さいませ。
皆様は既に食堂へお集まりになっていますよ?
起きてくださらないとオパール殿下が来ちゃいますよ?」
んっ?
「寝坊した!
わたくしってば何してるんだろ、ランーーッ、服を取ってーー!」
ランが髪ブラシを取ってる間に『パパパッ!』と着替えた。
そしてランの手から素早く髪ブラシを奪い取り『サササッ!』と髪を整えて、ランの手を握り部屋から小走りで食堂へと滑り込んだ。
「皆様、遅くなってしまい申し訳ありません。
今日は……寝坊をしてしまいました」
「良い良い。
今まで寝坊をしてない方が凄い事だよ」
「そうよ。
ユアは真面目さんなんだから」
「わたくしなんてアミンに起こしてもらわないと起きれないのよ?」
「……実は、わたくしもアミンに起こしてもらわないと毎日寝坊をしているわ」
「俺はユアが隣にいてくれたら、絶対に寝坊しない!
ユアの寝顔をずっと見ていたいからな」
オールの発言には、何て返答して良いのか悩むけれど、皆さんの優しい心遣いが嬉しい。
「皆さん、おはようございます。
朝食の後ディロールへ出国します。
凄く楽しい休暇でした」
私の挨拶に頷いてくれていた。
「それでは皆様、行ってまいります。
お体に気をつけて下さいませ」
「ユア、連休に会えるのを楽しみにしているよ」
王様からの言葉が嬉しかった。
王妃様と皇女様方は号泣で、言葉に出来ないらしく、大きく手を振ってくれている。
私も皆に大きく手を振り、ディロールへと出国をした。
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