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ソフィーリアでのまったり時間
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「ふあぁーーっ……」
昨夜は楽しかったなぁ、皆でお茶をしながら話す事がこんなに心地良いなんて……ディロールでの生活がどれだけストレスになっていたのかが分かるわ。
昨夜は皆が寝ようとしてくれなかったから『明日は大事をとってベッドで大人しくする』と、つい約束をしちゃったんだよね。
あと5日、何をして過ごそうかな? と考えながらキッチンに来てる私、だって料理が好きなんだもの。
料理だけではなく、家事全般が好きだし得意だから、動いてないと落ち着かないのよね。
「王宮のキッチンには何でも揃ってるよね。
今では柔らかくなるパンの材料が……クスクス……固いパンが懐かしい」
1人で笑っていると、ランが走ってキッチンへ入って来た。
「あっ、ラン。
おはよう、今日も良い朝だね」
「はい、良い朝ですよね……じゃないですよ!
ユア様ってば、何を涼しい顔をして『おはよう、今日も良い朝だね』なんて挨拶をしているんですか。
今日1日は大事をとって寝てる約束だったはずですよね?
昨夜、ユア様は皆さんの身体が心配だから早く部屋で休んで下さいと言って、オパール殿下に交換条件を出されたと思いますが?」
ランってば、こういう時だけはグイグイ来るのよね。
「えへへへっ、そんな約束してたかしら?
きっと夢でも見たのよ!」
「ユア様を探しているのは私だけではないんですからね」
「えっ、もしかして……王様も探してるとか言わないよね?」
声を小さくして答えた私は、固唾を呑んだ。
「陛下と王妃様、皇女様方までも探していますよ。
きっとここへ来ます……」
ラン、もう言わなくても分かるよ、足音が……怖いです。
「ユアッ!
いましたわ。
わたくし達と約束しましたわよね?
どうしてキッチンに居るのかしら?
わたくし達との約束はどうしたのかしら?」
「き、きっと皆で夢を見て、夢の中で約束をしたのよ!
うん、きっとそうよっ!」
ユアンとユージンの黙りは怖いわ、約束したんだし部屋に戻ろうとトボトボと歩いてると、王様にお姫様抱っこをされ赤面状態だ。
「きゃあっ!」
「部屋まで抱いていないと逃げてしまうからな。
ハハハッ、ユアは本当に可愛いな」
オールに抱かれるのも恥ずかしいけれど、王様にお姫様抱っこされるのはもっと恥ずかしいよ!
ベッドに戻された私は、ユアンとユージン、オールにまで困った顔で「ベッドにいてくれ」の一言には破壊力があるよ。
それに、皆が私に向けた優しさが伝わって来たのもあり、大人しくしていた。
ウトウトしていたのか、気付くと夕方になっており。
話し声がする方を見ると、王族の皆さんが集まって会議? をしている。
ここでずっと会議や政務をしていたのかな?
「やはりディロール王は、フォーリン学園への登校が必須との書簡が来ているのか」
「謝罪文が送られて来たのは、バールナ公爵家だけ。
まあ、予想通りだな」
この話は私が聞いてても良いのかしら?
オールを見ていると目が合い微笑まれた。
「んっ?
ユア起きたのか、体調はどうだい?」
「うん、大丈夫だよ。
そんな事よりも、ここで重要そうな会議してて大丈夫なの?
誰が聞いているかも分からないし、その会議の話は全部わたくしに丸聞こえなんだけど?」
皆は微笑みながら「大丈夫だよ」なんて言ってるけど、王妃様と皇女様方はテラスで優雅にお茶を飲んでるし。
「わたくし達と一緒にお茶でもどうかしら?」
嬉しさのあまり、早歩きで行こうとした私にショールをかけてくれたランと、膝掛けを持ったアミンがニコニコ笑顔で温かいお茶を入れてくれた。
「んんーーっ、美味しい。
まったりな1日だったな」
私達女性は楽しく談笑しながらのお茶会、男性達は会議? きっとディロールの事や私の事なんだろうな。
昨夜は楽しかったなぁ、皆でお茶をしながら話す事がこんなに心地良いなんて……ディロールでの生活がどれだけストレスになっていたのかが分かるわ。
昨夜は皆が寝ようとしてくれなかったから『明日は大事をとってベッドで大人しくする』と、つい約束をしちゃったんだよね。
あと5日、何をして過ごそうかな? と考えながらキッチンに来てる私、だって料理が好きなんだもの。
料理だけではなく、家事全般が好きだし得意だから、動いてないと落ち着かないのよね。
「王宮のキッチンには何でも揃ってるよね。
今では柔らかくなるパンの材料が……クスクス……固いパンが懐かしい」
1人で笑っていると、ランが走ってキッチンへ入って来た。
「あっ、ラン。
おはよう、今日も良い朝だね」
「はい、良い朝ですよね……じゃないですよ!
ユア様ってば、何を涼しい顔をして『おはよう、今日も良い朝だね』なんて挨拶をしているんですか。
今日1日は大事をとって寝てる約束だったはずですよね?
昨夜、ユア様は皆さんの身体が心配だから早く部屋で休んで下さいと言って、オパール殿下に交換条件を出されたと思いますが?」
ランってば、こういう時だけはグイグイ来るのよね。
「えへへへっ、そんな約束してたかしら?
きっと夢でも見たのよ!」
「ユア様を探しているのは私だけではないんですからね」
「えっ、もしかして……王様も探してるとか言わないよね?」
声を小さくして答えた私は、固唾を呑んだ。
「陛下と王妃様、皇女様方までも探していますよ。
きっとここへ来ます……」
ラン、もう言わなくても分かるよ、足音が……怖いです。
「ユアッ!
いましたわ。
わたくし達と約束しましたわよね?
どうしてキッチンに居るのかしら?
わたくし達との約束はどうしたのかしら?」
「き、きっと皆で夢を見て、夢の中で約束をしたのよ!
うん、きっとそうよっ!」
ユアンとユージンの黙りは怖いわ、約束したんだし部屋に戻ろうとトボトボと歩いてると、王様にお姫様抱っこをされ赤面状態だ。
「きゃあっ!」
「部屋まで抱いていないと逃げてしまうからな。
ハハハッ、ユアは本当に可愛いな」
オールに抱かれるのも恥ずかしいけれど、王様にお姫様抱っこされるのはもっと恥ずかしいよ!
ベッドに戻された私は、ユアンとユージン、オールにまで困った顔で「ベッドにいてくれ」の一言には破壊力があるよ。
それに、皆が私に向けた優しさが伝わって来たのもあり、大人しくしていた。
ウトウトしていたのか、気付くと夕方になっており。
話し声がする方を見ると、王族の皆さんが集まって会議? をしている。
ここでずっと会議や政務をしていたのかな?
「やはりディロール王は、フォーリン学園への登校が必須との書簡が来ているのか」
「謝罪文が送られて来たのは、バールナ公爵家だけ。
まあ、予想通りだな」
この話は私が聞いてても良いのかしら?
オールを見ていると目が合い微笑まれた。
「んっ?
ユア起きたのか、体調はどうだい?」
「うん、大丈夫だよ。
そんな事よりも、ここで重要そうな会議してて大丈夫なの?
誰が聞いているかも分からないし、その会議の話は全部わたくしに丸聞こえなんだけど?」
皆は微笑みながら「大丈夫だよ」なんて言ってるけど、王妃様と皇女様方はテラスで優雅にお茶を飲んでるし。
「わたくし達と一緒にお茶でもどうかしら?」
嬉しさのあまり、早歩きで行こうとした私にショールをかけてくれたランと、膝掛けを持ったアミンがニコニコ笑顔で温かいお茶を入れてくれた。
「んんーーっ、美味しい。
まったりな1日だったな」
私達女性は楽しく談笑しながらのお茶会、男性達は会議? きっとディロールの事や私の事なんだろうな。
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