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第一章
冒険の始まり9
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誠二が着替え終わって外に声をかけると、ディヤイアンとエクーディアが小屋の中に戻ってきた。
二人の年齢は、20代前半だろうと思われる。
黒いタートルネックの長袖Tシャツに黒いスリムパンツに黒いスニーカー。腰にはディヤイアンと同じだが色が黒いウエストポーチを背中に回し、黒いベルトの左右には透明な石がはまっている。
誠二がぼーっと見ていると、彼女はディヤイアンに声をかけた。
「ディヤイアン。話は終わったか?」
「うん。さて、もういいかな?」
ディヤイアンはそういうと、誠二を見た。
「え?」
誠二はきょとんとした顔で二人を見た。
「そろそろ出かけたいんだけど?」
「どこへ?」
「・・・ディヤイアン?」
吹雪が吹き荒れそう声色でエクーディアがディヤイアンを見た。
「あ、そっか。まだ目的地を言ってなかったっけ・・・。ごめんね、誠二君。」
笑顔で誠二に軽く頭を下げるディヤイアンを見て、エクーディアは大きなため息を吐いた。
「では、姫を起こしてくれるのかも聞いていないのか?」
「あ、そっちはOKっす。じゃないと、オレ、帰れないんでしょ?」
「・・・。そーいうことにしとこっか。」
「あ、帰れんだ。でもここまで聞いといて、さようなら~。なんてできないでしょ?普通。」
にっこりと笑いながらそんなことをさらっと言う誠二を見て、二人は顔を見合わせた。こんなふうに考えていたとは思わなかった。
ただ、その時誠二が考えていた内容は、
(これって、RPGじゃん!面白そう!!!)
だった。
「んで、お姫様はどこにいるの?それより、悪の魔法使いは倒さなくてもいいの?」
妙にうきうきしながら話す誠二を見て、二人の心は一つだった。
((本当にわかっているのか?))
「悪の魔法使い・・・。ううん、そっちは倒さなくていいの・・・。とりあえず姫の呪いを解いてくれればいいんだよ。」
「えー。でも、ラスボス倒さないでお姫様をゲットできんの?」
「ラスボスを倒す・・・。姫をゲットって・・・。その魔法使いはね、恐ろしく強くて、私たちが束になってもかなわないの・・・。」
ディヤイアンが話すと、誠二は少し首を傾げた。ディヤイアンは、そのまま付け足した。
「姫がいる場所はわかっているから。そっちに直行しようと思うの。」
「悪の魔法使いはそこにはいないの?いたらどうするの?」
「そのときは私たちがその魔法使いを相手にするので、そのあいだに姫を起こしてほしい。」
「うん。OKっす。んじゃ、出発しよう!」
元気よくバックパックを背負った誠二を見て、二人は顔を見合わせて聞こえないようにため息を吐いた。
二人の年齢は、20代前半だろうと思われる。
黒いタートルネックの長袖Tシャツに黒いスリムパンツに黒いスニーカー。腰にはディヤイアンと同じだが色が黒いウエストポーチを背中に回し、黒いベルトの左右には透明な石がはまっている。
誠二がぼーっと見ていると、彼女はディヤイアンに声をかけた。
「ディヤイアン。話は終わったか?」
「うん。さて、もういいかな?」
ディヤイアンはそういうと、誠二を見た。
「え?」
誠二はきょとんとした顔で二人を見た。
「そろそろ出かけたいんだけど?」
「どこへ?」
「・・・ディヤイアン?」
吹雪が吹き荒れそう声色でエクーディアがディヤイアンを見た。
「あ、そっか。まだ目的地を言ってなかったっけ・・・。ごめんね、誠二君。」
笑顔で誠二に軽く頭を下げるディヤイアンを見て、エクーディアは大きなため息を吐いた。
「では、姫を起こしてくれるのかも聞いていないのか?」
「あ、そっちはOKっす。じゃないと、オレ、帰れないんでしょ?」
「・・・。そーいうことにしとこっか。」
「あ、帰れんだ。でもここまで聞いといて、さようなら~。なんてできないでしょ?普通。」
にっこりと笑いながらそんなことをさらっと言う誠二を見て、二人は顔を見合わせた。こんなふうに考えていたとは思わなかった。
ただ、その時誠二が考えていた内容は、
(これって、RPGじゃん!面白そう!!!)
だった。
「んで、お姫様はどこにいるの?それより、悪の魔法使いは倒さなくてもいいの?」
妙にうきうきしながら話す誠二を見て、二人の心は一つだった。
((本当にわかっているのか?))
「悪の魔法使い・・・。ううん、そっちは倒さなくていいの・・・。とりあえず姫の呪いを解いてくれればいいんだよ。」
「えー。でも、ラスボス倒さないでお姫様をゲットできんの?」
「ラスボスを倒す・・・。姫をゲットって・・・。その魔法使いはね、恐ろしく強くて、私たちが束になってもかなわないの・・・。」
ディヤイアンが話すと、誠二は少し首を傾げた。ディヤイアンは、そのまま付け足した。
「姫がいる場所はわかっているから。そっちに直行しようと思うの。」
「悪の魔法使いはそこにはいないの?いたらどうするの?」
「そのときは私たちがその魔法使いを相手にするので、そのあいだに姫を起こしてほしい。」
「うん。OKっす。んじゃ、出発しよう!」
元気よくバックパックを背負った誠二を見て、二人は顔を見合わせて聞こえないようにため息を吐いた。
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