泥々の川

フロイライン

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牡丹

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「どうしたの?
陽介」 

久美子は、自分を見つめる陽介の視線を感じ、目を覚ました。

「いや、久美子を見ていたくなっただけ。」


「えーっ
変なの」


「久美子…」


「ん?」


「何度も聞くけど、ホントに今の生活を捨てて俺と農家になってくれるのか?」


「うん。
ワタシでよければ」


「俺は勿論来て欲しいさ。
久美子とずっと一緒にいたいし。

でも、それって俺のワガママで、久美子の夢を諦めさせるだけの話じゃないかって。
そう考えると…」


「陽介
ワタシね、中三の時に父親に売られて、男に体を売る生活を三年続けたの。
そこから、幸運にも芸能界っていうスポットライトを浴びる世界で生きさせてもらって、本当に良いことばかりだった。

その中で一番の出来事は、陽介
あなたと出会えたこと。

これ以上の幸せはないと思ってるし、これより大切にしなきゃならないものなんてワタシには何もないわ。」


「久美子…」


「だから…どうかワタシを一緒に連れて行って。」


久美子がそう言うと、陽介は思いっきり抱きしめた。

久美子が痛いと感じるくらいに


「俺、絶対にお前を幸せにするから!
どうか、俺についてきて欲しい!」


陽介は、いつになく感情的な言い回しで、久美子に自分の気持ちを伝えた。


「愛してる!
愛してるわ、陽介!」


久美子もまた、涙を流しながら、陽介の胸にしがみついた。


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