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proclivity

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最後にお風呂に入ったユウが出てくると、三人でまた寝るまでの間、お喋りをした。


「ユウさん、すっぴんもすごく可愛いですね。
憧れます。」


「そんな事ないわよ。
トモちゃんのすっぴんが一番きれいだとワタシは思うわ。」


「たしかに娘の私でもママはきれいだって思うけど」


「四十だしね、ただのオバサンニューハーフよ。
もうあちこちガタが来てるわ」

褒め殺しに耐えきれず、智は自虐的に言った。


「莉愛ちゃん

4月から高2だよね
進路はどうするの?」


ユウが話題を変えると、莉愛は頷いた。


「はい。

出来たら両親と同じ大学に行きたいなって思っています。」


「そうなの?」

智は初耳だったので、思わず娘の顔を見てしまった。


「トモちゃんと奈々さんの子供だもんね
目指して当然だよ。

頑張ってね」


「はい。ありがとうございます。」


「もし、それで東京に出てくる事になったら、ウチに住めばいいんだから。」


「えっ、いいんですか」


莉愛はユウの言葉に驚き、智の方を見た。

智もまた驚き、ユウの方を向いて


「いいの?」

と、言った。


「当たり前じゃない。

トモちゃんとワタシは形は一般的ではないけど夫婦だし、家族なんだから。

莉愛ちゃんはワタシの娘であり家族なんだもん。」


「ユウちゃん」

智はユウの言葉に感激し、思わず涙ぐんでしまった。


「ありがとうございます、ユウさん。

でも、こんなに若くて可愛いお母さんはあり得ないけど」

莉愛は感謝しつつも、少し笑ってしまった。

莉愛に引っ張られて、ユウも智も笑った。


「さて、莉愛ちゃんも長旅で疲れてると思うし、そろそろ寝ましょう。」


「はーい」


「明日はどこか三人で出かけよう。
行きたいとこある?」


「えっと、考えておきます。」


「うん。
それと、部屋にあるものは何でも使ってもらっていいからね。
遠慮しないでね。」


「ありがとうございます。」


「それじゃあ、また明日ね。

おやすみなさい」


「おやすみなさい」


智とユウは二人の寝室に、莉愛は与えられた部屋に入っていった。


莉愛はユウに教えられた通り、マットレスを敷き、ベッドメイキングをした。

そして、クローゼットの下のところに置いていた自分のボストンバッグを引っ張り出して、中からタブレットを取り出した。
寝る前に少しYouTubeを見ようとしたからだった。

莉愛はボストンバッグをまた中に直そうとしたとき、隣に引き出しが五つ付いた少し小さめのボックスがあるのに気付いた。

そして、その引き出しを何となく開けてみたくなって上の段を手前に引いた。


「…」

莉愛はその中身に、驚きの表情を見せた。
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