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生きる道
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智とユウのニューハーフアイドルユニット「トモユウ」の地方イベントが、無事に成功を収め、その夜、マネージャーの菊地と三人でささやかな打ち上げを行っていた。
「いやあ、予想通り人気が出てきたね」
菊地は智のグラスにビールを注ぎながら上機嫌に語った。
「こんな年齢でミニスカート履いて、ツインテールにして、恥ずかしいというかおこがましいというか‥」
今も、アイドルユニットでの活動にイマイチ乗り気ではない智は、首を傾げながらぼやいた。
「そんな事ないよ。
トモちゃんの透明感ある美貌は、みんなを惹きつけてるんだから。」
一番の智信者であるユウは、興奮気味に智を見つめて言った。
「トモちゃんもユウちゃんも、今日はゆっくり飲んでってよ。
僕はこれから地元のイベンターに誘われてるんで、ちょっと顔出してくるわ。」
菊地は立ち上がり、お金を智に渡した。
「領収書もらっといてね」
「ありがとうございます。」
二人は席を後にする菊池にペコリと頭を下げた。
「菊池さんも大変だね。」
「ホント‥
でも、マネージャーが菊池さんでよかった。
あの人、誰にでもフラットに接するし‥
トモちゃんもそう思わない?」
「思う思う」
「ワタシ、ここの事務所に入った最初の頃は、不安で不安で仕方なかったんです。」
「えーっ、ユウちゃんが?」
「だって、引きこもり生活が長かったし、YouTubeで少しだけ知名度が上がってきたときだったから‥まだ、自信も何もなくて」
「そうだったんだ‥」
「高校行かずにニューハーフとして生きようって決めたのはいいけど、けっこう迷いとかあって、AVに出たりもしたし、風俗や水商売も少し経験したけど、上手くいかなくて‥
そんなとき、トモちゃんのことを知って、スゴイなあって。」
「何もすごくないよ」
「こんなに美人な人がいるんだって、まず思って、なのにAVでは過激な要求にも応えてるし」
「エッチなだけよ」
「ワタシはトモちゃんみたいに生きるのはムリだって感じ、YouTubeチャンネル立ち上げて地道に活動して、更新もマメにしてたら、それなりに再生数も増えてきて‥」
「ユウちゃん、可愛いもん」
「そんな事ないです。
ある程度人気が出た頃に、今の事務所に誘われて‥って感じですね。」
「でも、一つ聞こうと思ってたんだけど、ゆうちゃんて、バリバリのアイドルじゃん
なのに、ワタシのAVに出てくれようとしてたよね?
事務所に反対されたでしょう?」
「たしかに、事務所はブチ切れましたけど、偶然新井さんとお会いした時に、トモちゃんの引退AV撮るから、知り合いのニューハーフいない?って聞かれて‥
ワタシ、トモちゃんの大ファンだったから、ワガママ押し通して出演させてもらう事になったんです。」
「中止になってお蔵入りしてよかったわ。
ユウちゃんの看板にキズがつくところだった。」
「そんな事ないですって。
ワタシもAVに出演した事がありますしね」
「一本だけでしょ?
ワタシなんて何本出たかわかんないわ
けっこう酷いやつにも出たしね」
「あ、汁男優のやつとかですよね?」
「そうそう、アレはきつかったわ。
それと、激太りしたときに出たデブ専シリーズとかね。」
「あのときはワタシもびっくりしちゃいましたよ」
「色々あってね、私生活で‥
さて、そろそろホテルに戻ろっか?」
「はーい」
二人は会計を済ませ、宿泊しているホテルに戻っていった。
「いやあ、予想通り人気が出てきたね」
菊地は智のグラスにビールを注ぎながら上機嫌に語った。
「こんな年齢でミニスカート履いて、ツインテールにして、恥ずかしいというかおこがましいというか‥」
今も、アイドルユニットでの活動にイマイチ乗り気ではない智は、首を傾げながらぼやいた。
「そんな事ないよ。
トモちゃんの透明感ある美貌は、みんなを惹きつけてるんだから。」
一番の智信者であるユウは、興奮気味に智を見つめて言った。
「トモちゃんもユウちゃんも、今日はゆっくり飲んでってよ。
僕はこれから地元のイベンターに誘われてるんで、ちょっと顔出してくるわ。」
菊地は立ち上がり、お金を智に渡した。
「領収書もらっといてね」
「ありがとうございます。」
二人は席を後にする菊池にペコリと頭を下げた。
「菊池さんも大変だね。」
「ホント‥
でも、マネージャーが菊池さんでよかった。
あの人、誰にでもフラットに接するし‥
トモちゃんもそう思わない?」
「思う思う」
「ワタシ、ここの事務所に入った最初の頃は、不安で不安で仕方なかったんです。」
「えーっ、ユウちゃんが?」
「だって、引きこもり生活が長かったし、YouTubeで少しだけ知名度が上がってきたときだったから‥まだ、自信も何もなくて」
「そうだったんだ‥」
「高校行かずにニューハーフとして生きようって決めたのはいいけど、けっこう迷いとかあって、AVに出たりもしたし、風俗や水商売も少し経験したけど、上手くいかなくて‥
そんなとき、トモちゃんのことを知って、スゴイなあって。」
「何もすごくないよ」
「こんなに美人な人がいるんだって、まず思って、なのにAVでは過激な要求にも応えてるし」
「エッチなだけよ」
「ワタシはトモちゃんみたいに生きるのはムリだって感じ、YouTubeチャンネル立ち上げて地道に活動して、更新もマメにしてたら、それなりに再生数も増えてきて‥」
「ユウちゃん、可愛いもん」
「そんな事ないです。
ある程度人気が出た頃に、今の事務所に誘われて‥って感じですね。」
「でも、一つ聞こうと思ってたんだけど、ゆうちゃんて、バリバリのアイドルじゃん
なのに、ワタシのAVに出てくれようとしてたよね?
事務所に反対されたでしょう?」
「たしかに、事務所はブチ切れましたけど、偶然新井さんとお会いした時に、トモちゃんの引退AV撮るから、知り合いのニューハーフいない?って聞かれて‥
ワタシ、トモちゃんの大ファンだったから、ワガママ押し通して出演させてもらう事になったんです。」
「中止になってお蔵入りしてよかったわ。
ユウちゃんの看板にキズがつくところだった。」
「そんな事ないですって。
ワタシもAVに出演した事がありますしね」
「一本だけでしょ?
ワタシなんて何本出たかわかんないわ
けっこう酷いやつにも出たしね」
「あ、汁男優のやつとかですよね?」
「そうそう、アレはきつかったわ。
それと、激太りしたときに出たデブ専シリーズとかね。」
「あのときはワタシもびっくりしちゃいましたよ」
「色々あってね、私生活で‥
さて、そろそろホテルに戻ろっか?」
「はーい」
二人は会計を済ませ、宿泊しているホテルに戻っていった。
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