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悪癖
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「大阪支社の前田っていいます。
よろしくお願いします。」
前田は智の前に来て、ビールを注いだ。
さっきロビーで腰が痛いなどと悪態をついていたのがこの前田という男だった。
「吉岡です。こちらこそよろしくお願いします。」
智は頭を下げてビールを一口飲んだ。
「ちょっと前田さん、吉岡さん困ってるやん!
無理矢理ビール注いだらあかんて!
そんなんアルコールハラスメントいうて、今は問題になるねんで!」
智の隣に座っていた、大阪支社の伊東美穂がキツめの関西弁で前田に言った。
「いえ、大丈夫です。」
智は笑って言うと、もう一口ビールを飲んだ。
智は元々酒が強くない。
さらに女性ホルモンの投与により余計に弱くなっている。
ショーパブなどに行かず、ヘルスで働いたのもそれが理由であった。
酒自体は好きで、飲むのは飲むがすぐに酔ってしまう。
この親睦を深めるために、席までやってきて、挨拶して酒を注ぐという行為が延々と続き、気がつくと結構な酒量になっていた。
智の記憶はそこで途切れている。
その後、どれくらい飲んで、どれくらいそこに滞在して、いつ部屋に戻ったのか全く覚えていない。
よろしくお願いします。」
前田は智の前に来て、ビールを注いだ。
さっきロビーで腰が痛いなどと悪態をついていたのがこの前田という男だった。
「吉岡です。こちらこそよろしくお願いします。」
智は頭を下げてビールを一口飲んだ。
「ちょっと前田さん、吉岡さん困ってるやん!
無理矢理ビール注いだらあかんて!
そんなんアルコールハラスメントいうて、今は問題になるねんで!」
智の隣に座っていた、大阪支社の伊東美穂がキツめの関西弁で前田に言った。
「いえ、大丈夫です。」
智は笑って言うと、もう一口ビールを飲んだ。
智は元々酒が強くない。
さらに女性ホルモンの投与により余計に弱くなっている。
ショーパブなどに行かず、ヘルスで働いたのもそれが理由であった。
酒自体は好きで、飲むのは飲むがすぐに酔ってしまう。
この親睦を深めるために、席までやってきて、挨拶して酒を注ぐという行為が延々と続き、気がつくと結構な酒量になっていた。
智の記憶はそこで途切れている。
その後、どれくらい飲んで、どれくらいそこに滞在して、いつ部屋に戻ったのか全く覚えていない。
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