カジュアルセックスチェンジ

after care

風呂上がり、パックをする智に奈々が声をかけた。

「やっぱり気になる？」

「うん。女装はやめたけど、やっぱりお肌の荒れとかはどうも許せなくてね」

「女子だねー」

奈々は笑って言ったが

「でも、いいと思うよ。男とか女とか関係なく、美を追求するのはこれからの時代、大切な事だよ

それに」

「？」

「智、女の子になりたいときはなってもいいんだよ。
無理しなくていいから。
これは私の本心。」

「奈々‥」

「やっぱり、智は女の子が似合ってる。
莉愛と私の為に外で頑張ってくれるのはわかってるし、家では女の子に戻っても全然構わないから。むしろそうして」

たしかに、最近の智はかなりストレスを溜めていた。
自分の決心で男に戻ったまでは良かったが、ここまで女性として暮らしてきた心象が抜けず、日常生活で困る事ばかりであった。

歩き方、食べ方、話し方、ものの考え方など、ありとあらゆるものが女性化しており、意識していないと不自然極まりないものとなった。

（生まれてから二十年以上男として暮らしてきたのに、何でこうなっちゃうんだろう）

智は男性としての生活が想像以上に難しくなっている事に頭を抱えた。