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智の大変身により、宴は大いに盛り上がったが平日と言う事もあり、三時間ほどで解散となった。

黒田は智が宿泊しているホテルの方向に家がある為、二人で思い出話の続きをしながら歩いていった。


「黒田、今日はありがとう

気持ち悪がられるかなってホントは心配してたんだけど

前と同じように接してくれて嬉しかった」

智は感謝の言葉を述べた。



「いや、だって吉岡は吉岡じゃん

それに」


「ん?

なに??」


黒田は一瞬言うのを躊躇ったが、すぐに言葉を続けた。

「お前は俺らに堂々とありのままの姿を見せてくれた。

多分相当勇気がいったことだろう。

実はさあ

俺も前から隠してたことがあってな」


「?」


「実は、俺

なんていうか

ゲイなんだよ」


「えっ」 


「あ、でも

厳密に言うとフツーの男が好きなんじゃなくて

お前みたいに女装子っていうか

ニューハーフが好きなんだ

だから、さっきからずっとときめいている」


黒田は顔を真っ赤にして言った。


「うそーっ

全然知らなかったよ」


「子どものときからニューハーフがテレビに出てくると釘付けになってさ
自分がなりたいとは思わなかったけど、憧れの目で見てた。

大人になってからフツーの女とも付き合ったけど、やっぱ違うんだよな

今は慾求満たすために風俗

ニューハーフヘルスにたまに通ってるよ。

高いからあんまり行けないけど」


黒田の思ってもみなかった角度からのカミングアウトだった。


「へえ、ニューハーフのそういうお店あるんだ

ショーパブみたいなのだけかと思ってたわ」


「なんだ
お前ニューハーフなのに、何も知らねーんだな」


「うん

だって、こっちの世界に目覚めて一年ちょっとだもん。」

智はそう言うと、声を出して笑った。


黒田も少しだけ笑い頷いた。


「黒田

ワタシでよかったら

抜いてあげよっか?」


「えっ?」 


「お酒入ると

なんかエロモードになっちゃうんだよね、ワタシ」

智がそう言うと、黒田は真面目な顔をしてまた頷いた


「うん、マジでお願いします」

とはっきりとした口調で懇願した。
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