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闇堕ち編
悲愴
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未来が自ら、垂水組八代目の就任を訴え、満場一致で承認された緊急の臨時総会も、無事に終わり、解散となった。
未来は一人一人と挨拶、そしてお見送りをした。
誰もいなくなった会合場で、椅子に腰掛け、ホッとため息をつく未来に、帰らずに、その場に戻ってきた鷹村が声をかけた。
「姐さん、お疲れ様でした。」
「いえ、鷹村先生も。
お口添えいただき、ありがとうございました。」
「しかし、七代目が亡くなってからまだ一月も経ってないですが…
姐さん、顔つきが全然変わりましたね。」
「変わりましたか?」
「以前のあなたは、無邪気な笑顔を浮かべるお嬢さんという感じでしたが、今は、責任感があるといいますか、強さを感じるといいますか…
そのように変わったと言えます。」
「そんな事はないです。
ワタシはあれから二週間以上ずっと泣き続けました。
泣いて泣いて、涙が枯れるんじゃないかっていうくらい…
そして、全てがイヤになり、生きる気力も失せ、生きる意味も見出せなくなりました。」
「わかりますよ、あなたのお気持ちは。
突然、愛する人を目の前で殺されたんですから。
しかも、あなたはカタギの人間だ。
そのショックたるや、私達の想像にも及ばないくらいの大きさでしょう。」
「…」
「それなのに、何故
八代目に就任し、自らの身を、忌み嫌う ヤクザの世界に置こうと思ったんですか。」
「鷹村先生
それは、ワタシが岡田優磨の妻だからです。
今回の事件で、亡くなったのは夫だけではありません。
ワタシの大切な友人や恩人の愛する人々の命も奪われてしまいました。
つまり、ワタシだけが被害者ではない。
いえ、被害者という立場に甘んじていてはいけないと思ったんです。
夫は、この組を普通の会社組織に変えることにより、皆を守ろうとしていました。
しかし、その夢は叶わず、志半ばでその一生を終えてしまったんです。
ワタシは、彼の思いに報わなければならない。
そう考えるようになり、ワタシは自分のこれからの人生に、生きる意味を見出す事が出来るようになったんです。
それから、短い時間でしたが、自分なりにこの世界の事を一から勉強し、今日の会合に臨みました。」
「素晴らしい挨拶だったと思いますよ。
私も大変感動しました。
感動したついでに、一つだけアドバイスさせてもらってもよろしいですか?」
「はい…どうぞ」
「未来さん
自分の命を粗末にしてはいけません。
何があってもね。
でないと、七代目が浮かばれませんから。」
鷹村の言葉に未来は、小さく頷いた。
未来は一人一人と挨拶、そしてお見送りをした。
誰もいなくなった会合場で、椅子に腰掛け、ホッとため息をつく未来に、帰らずに、その場に戻ってきた鷹村が声をかけた。
「姐さん、お疲れ様でした。」
「いえ、鷹村先生も。
お口添えいただき、ありがとうございました。」
「しかし、七代目が亡くなってからまだ一月も経ってないですが…
姐さん、顔つきが全然変わりましたね。」
「変わりましたか?」
「以前のあなたは、無邪気な笑顔を浮かべるお嬢さんという感じでしたが、今は、責任感があるといいますか、強さを感じるといいますか…
そのように変わったと言えます。」
「そんな事はないです。
ワタシはあれから二週間以上ずっと泣き続けました。
泣いて泣いて、涙が枯れるんじゃないかっていうくらい…
そして、全てがイヤになり、生きる気力も失せ、生きる意味も見出せなくなりました。」
「わかりますよ、あなたのお気持ちは。
突然、愛する人を目の前で殺されたんですから。
しかも、あなたはカタギの人間だ。
そのショックたるや、私達の想像にも及ばないくらいの大きさでしょう。」
「…」
「それなのに、何故
八代目に就任し、自らの身を、忌み嫌う ヤクザの世界に置こうと思ったんですか。」
「鷹村先生
それは、ワタシが岡田優磨の妻だからです。
今回の事件で、亡くなったのは夫だけではありません。
ワタシの大切な友人や恩人の愛する人々の命も奪われてしまいました。
つまり、ワタシだけが被害者ではない。
いえ、被害者という立場に甘んじていてはいけないと思ったんです。
夫は、この組を普通の会社組織に変えることにより、皆を守ろうとしていました。
しかし、その夢は叶わず、志半ばでその一生を終えてしまったんです。
ワタシは、彼の思いに報わなければならない。
そう考えるようになり、ワタシは自分のこれからの人生に、生きる意味を見出す事が出来るようになったんです。
それから、短い時間でしたが、自分なりにこの世界の事を一から勉強し、今日の会合に臨みました。」
「素晴らしい挨拶だったと思いますよ。
私も大変感動しました。
感動したついでに、一つだけアドバイスさせてもらってもよろしいですか?」
「はい…どうぞ」
「未来さん
自分の命を粗末にしてはいけません。
何があってもね。
でないと、七代目が浮かばれませんから。」
鷹村の言葉に未来は、小さく頷いた。
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