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筒井未来〜女子力向上計画編〜
求婚と怨恨
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二人の甘い世界に水を差す、携帯の着信音
優磨は、プロポーズの返事を未来から貰うべく、電話に出ようとはしなかった。
しかし、未来自身、今その答えを出せず、イエスという返事が出来なかったのだ。
だから
「優磨、いいよ
電話に出て」
と、伝えた。
優磨は気にするなというポーズを取ったが、電話が一向に鳴り止まないので、根負けしてしまい、ようやく電話に出た。
「もしもし」
少し不機嫌そうに電話に出る優磨に、見たことない一面を見て、新鮮に思う未来だった。
優磨はすぐに電話を切ろうと決めて出たが、当初の思いに反して、内容が重いのか、全く電話を切らることが出来ず、何やら小さな声で話をした。
そして、ようやく電話を切ると
「ごめん、中断させちゃって」
と、未来に謝った。
「お仕事の電話?」
「まあ、そうだね」
「行かなきゃならないんじゃないの?」
「いや、それは、まあ…大丈夫」
「ちょっと優磨、ひょっとしてワタシに遠慮してる?」
「そんな事ないって」
「ワタシって優磨の彼女だよね?
そう思ってるのワタシだけかな?」
「いや、彼女だよ
何なら嫁と名乗ってほしいって今お願いしてたし…」
「だったらさあ、ワタシに遠慮しないでよ
お願いだからさあ。」
「うん、ごめん…」
「ワタシの事はいいから、行ってあげて。
行かなきゃなんないんでしょ。
そんな事、電話で言われてたよね。」
「いや、でも…」
「でもじゃない。
行きなさい」
未来はまるで母親のような口調で優磨に言った。
「本当にごめん。
さっきの続きはまた次にしよう。
今度はいつ会える?」
「大丈夫よ、優磨。
優磨が落ち着いてからで。
ワタシもそんなにすぐには答え出せないもの」
未来はそう言って笑った。
結局、二人はホテルに待機中のタクシーに乗り、未来の自宅に行って彼女を降ろした後、
優磨を乗せた車は阪神高速の西長堀の入口に入ると、神戸方面に向かって走り去った。
未来は家に着くと優磨からのプロポーズを思い出し、再び胸がキュンとする思いに包まれた。
ニューハーフになってから幸せな事ばかり続き、これ以上の幸せはないと思っていないのに、またそれを上回る幸せがここにあった。
未来はとても明るい将来を思い描いたが…
後に、この日が一番人生で幸せだったと述懐したように、これ以上の幸せが彼女に訪れる事はなかった。
優磨は、プロポーズの返事を未来から貰うべく、電話に出ようとはしなかった。
しかし、未来自身、今その答えを出せず、イエスという返事が出来なかったのだ。
だから
「優磨、いいよ
電話に出て」
と、伝えた。
優磨は気にするなというポーズを取ったが、電話が一向に鳴り止まないので、根負けしてしまい、ようやく電話に出た。
「もしもし」
少し不機嫌そうに電話に出る優磨に、見たことない一面を見て、新鮮に思う未来だった。
優磨はすぐに電話を切ろうと決めて出たが、当初の思いに反して、内容が重いのか、全く電話を切らることが出来ず、何やら小さな声で話をした。
そして、ようやく電話を切ると
「ごめん、中断させちゃって」
と、未来に謝った。
「お仕事の電話?」
「まあ、そうだね」
「行かなきゃならないんじゃないの?」
「いや、それは、まあ…大丈夫」
「ちょっと優磨、ひょっとしてワタシに遠慮してる?」
「そんな事ないって」
「ワタシって優磨の彼女だよね?
そう思ってるのワタシだけかな?」
「いや、彼女だよ
何なら嫁と名乗ってほしいって今お願いしてたし…」
「だったらさあ、ワタシに遠慮しないでよ
お願いだからさあ。」
「うん、ごめん…」
「ワタシの事はいいから、行ってあげて。
行かなきゃなんないんでしょ。
そんな事、電話で言われてたよね。」
「いや、でも…」
「でもじゃない。
行きなさい」
未来はまるで母親のような口調で優磨に言った。
「本当にごめん。
さっきの続きはまた次にしよう。
今度はいつ会える?」
「大丈夫よ、優磨。
優磨が落ち着いてからで。
ワタシもそんなにすぐには答え出せないもの」
未来はそう言って笑った。
結局、二人はホテルに待機中のタクシーに乗り、未来の自宅に行って彼女を降ろした後、
優磨を乗せた車は阪神高速の西長堀の入口に入ると、神戸方面に向かって走り去った。
未来は家に着くと優磨からのプロポーズを思い出し、再び胸がキュンとする思いに包まれた。
ニューハーフになってから幸せな事ばかり続き、これ以上の幸せはないと思っていないのに、またそれを上回る幸せがここにあった。
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後に、この日が一番人生で幸せだったと述懐したように、これ以上の幸せが彼女に訪れる事はなかった。
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