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大阪抗争編

火元

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赤石はまた黙ってしまったが、やがて、裸の亮輔にかけてやっていた服を再び剥ぎ取った。 

「!」 

亮輔は驚いたが、何も言わずに赤石を見つめた。 

「デカい胸してるんやな…」 

赤石は亮輔の乳房に右手を伸ばした。 


「…」 

「感触もほんまもんの女と変わらへん…」 

そして、指先が乳首に触れると 

「!!…」 

亮輔は思わず感じてしまった。 

「ふっ… 感度は聞くまでもないようやな。」 

「…」 

亮輔は屈辱と恐怖にまみれながらも、極限状態の中にいるというシチュエーションが、逆に全身の感覚を過敏にさせていることに気づき、戸惑いを覚えていた。 

だが、赤石はそれ以上何もしなかった。 

「兄貴はお前みたいになりたかったんやなあ…」 

そう言うと、赤石は亮輔の肩抱いて体を起こし、手を縛っていたロープをほどいた。 

「どういうこと?」 

「綾香は安全な場所に保護してるし、お前らの目的もようわかった。今日のところは見逃したるわ。隣りの倉庫に連れの男がいるはずや。 
二人で早く消えろ。二度とこの街に来るな! 
ただし、次に何かあったときは躊躇することなく殺すで。わかったな…」 

赤石がそう言うと、亮輔は首を横に振った。 

「私だって、こんなとこ二度と来たくないわ。 
でも、あの人はそんなこと聞くわけないわ。 
あなた達が綾香を囲えば囲うほど、余計に執拗に攻撃をしかけるはずよ… そういう人なのよ… あの人は。」 

「じゃあ、お前らを根こそぎ潰さなあかんな。立正会が後ろについて何かやろうとしてるみたいやけど、ここは俺らのシマや。 
お前らの入り込む余地はないんや。それだけは警告しとく。 
さあ、早く服を着て消えろ!」 

亮輔は慌てて服を着て、その場を後にした。 

まもなく多喜も解放され、合流することができた。 

「大丈夫ですか!?」 

亮輔の姿を見つけると多喜が慌てて駆け寄ってきた。 

「ええ。あなたこそ口からが血が出てるじゃないの!」 

亮輔はハンカチを取り出し多喜の口にそっとあててやった。 

「すいません…」 

多喜は目線をやや上にして、顔を赤らめながら体を硬直させた
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