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総集編

【編集版】白昼の七夜

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*全編通しの再編集版です。大筋は同じです。一気読みしたい方へ。


■夜の始まり 不感症の花嫁

 女たちの間に、ひそかに言い伝えられる口伝があった。

 悩める乙女は森に征け。

 深い森のそのまた奥に、最高神のおわす仮寓がある。
 そこで乙女は、女の歓びの一から十までを授かり、そして「女」になることができる。
 わけあって意に染まぬ結婚を強いられる者。身を売るより他に生きる術のなくなった者。理不尽な魔手に脅かされる者。
 つらい事情をかかえ、絶望の淵に立つ乙女を、神は見捨てたまわぬ。

 ただし、そこに至る道は、至難の道。誰にでも開く道ではない。
 道が迎え入れるのは、清らかな乙女のみ。そして切実に願う者のみ。


──乙女よ、汝もし絶望せしとき、森の奥深くにあるという「神の館」を訪ぬべし。


 *

 ある日ひとりの娘が、思いつめた顔で神の館にたどり着いた。

「神よ。偉大なる最高神よ。どうか私をお救いください」

 光が集まり、白く輝くひとがたを象った。

「僕を呼ぶのがどういうことか、わかってるよね?」
「はい。神よ。どうか私を、その、お、女にしてくださいませ」
「ふーん」

 と、輝きをおさめながら神は娘を見つめた。
 中も奥も底も見通すような眼光だった。

「わかった。ただし言っておくけど、君が夫と“できない”のは、君が不感症だからじゃないよ」
「え」

 本当にすべてお見通しであることに驚き、驚いたことの不敬さを知られることに慄いた。

 そうなのだ。まだ少女と女の間にいるような若い娘ながら、彼女は新婚まもない新妻である。彼女の処女は、愛する夫に捧げられるべきものである。
 それがなぜこんなことになっているのか。

 こたえは簡単。できなかったのだ。

 まったく濡れずに痛がるばかりの花嫁に、新郎は指一本も志半ばで諦めざるを得なかった。それから何夜試みても状況は好転しない。ついに五夜を数えた今朝に至って、おせっかいな義兄達がひそひそととんでもない企みを交わしているのを聞いてしまった。ぞっとして、震える足で家を抜け出した。思いつめた妻は、それならいっそ、と思い定めて、ひそかにこの館をめざして森に入ったのだった。

「どうして……」

 それを知っているのか、という驚愕の「どうして」だったが、神はちがうことで応えた。

「まだ花開いていないだけだ」
「え?」
「咲かせてあげるよ。だから、ずっくずくのぐっしょぐしょになる。すぐにね」

 そういうと、白い神の姿がゆらめき、次の瞬間そこには、漆黒の髪と瞳をもった長身の男が立っていた。

 細身だがひきしまった筋肉は見るからに鋼のようで、浅黒い肌とあいまっていかにも男らしい。ぎらりと熱量を孕ませた眼は鋭いが、きゅっと上がった口角にはやんちゃな悪戯っ子の愛嬌が見え隠れして。
 ひとことで言って、絵に描いたような「壮絶な色気を垂れ流す危険な男」だった。

 どきんと胸が撃たれた。

(やだ、何これ?!)

 人の善い夫には感じたことのない、その感情。
 それを世間ではときめきというのだと、女は知らない。

「来い」

 片腕で細腰を抱えてすくい上げられ、気づけば寝台に落とされていた。

(えっ、こんなベッドありましたっけ?)

「ここは神の館だ。俺が念ずれば、どんなものでも出てくる」

 上から覗き込む男の影にすっぽりとおさまって、また胸がとくんと跳ねた。
 跳ねて、そして甘く絞られる。
 ぼうっと見上げていると、男の口角がきゅっと上がった。
 そうすると少年めいた悪戯気が閃いて、胸の違うところがくすぐられる。

「今から君は、七つの夜を体験する」

 七つの夜を、体験する。

 なんと甘い響きだろう。
 きゅぅんと締め付けられたのは、胸だったか、腹の奥だったか、さらに別のところだったか。

「安心しろ。夕方には帰してやる。ただこの白昼を七夜に引き伸ばすだけだ」

 ちょっと言ってる意味がわからないが、とくとくと早まる鼓動が思考を奪う。

「七夜かけて仕込んでやろう。女の歓びを、一から十まで」

(え)

 女は困惑した。そして焦った。
 神の化けた男が思いもよらないことを言い出したからではない。
 とんでもないところに来てしまったのでは、という後悔からでもない。

 悪い男そのものの顔でニヤリと笑いながら顎を取られて、体の奥が、じゅわん……と熱くとろけたからだ。

 信じたがたいが、これは多分、まちがいない。

(うそ、どゆこと?!)

 そんなことって、と女は混乱した。
 愛する夫と、あんなに頑張ってもだめだったのに。

 だが、下腹部が切なく意識されて動機が早まるこの熱い感覚は、きっとまちがいない。
 こんなふうになるのは初めてだが、でもわかる。

 そう、これが「濡れる」というやつだ。

「まずは一夜目」

 顎を捉えていた指が、顎から頬へと輪郭をなぞって、耳に至る。

「今夜は、首から上だけだ。それしか触れない。ひと晩かけて、まずは君をぐずぐずにほぐしてやる」

 その声が。言葉が。
 身体の内側に染み渡っていく。

 再びじゅわりと、そしてとろとろと、今度は明らかに甘くとろけた自身の反応に、女は陶然としながら、混乱していた。

「さあ、はじめよう」

 そう言って、男はひらりと手をひとふりした。



■第一夜 一滴ごとに満ちていく


 仰臥した顔の上に、漏斗のようなものが吊られている。

 その尖端から、ぽたりと何かが、女の額に滴ってきた。
 ねっとりと粘度の高い、これは、そう、香油だ。

 ぬめる香油が額の一点をじんわりと刺激する。

「頭の凝りをほぐす香油施術だ。知らないか?」

 首をふろうとしたら、「動くな」とたしなめられた。
「今夜は首から上だけ」と言った言葉のとおり、首から上だけしか触れないのだろう。

 もうひとつ、「まずはほぐす」とも言われた。
 言った以上はそれも言葉どおりなのだろうが、ただし「ほぐす」がどういうことを言っているのか。
 もう息を呑んでただ待つしかできない。

「額のその位置に香油を垂らしつづける。しばらくすると、夢見心地になってくる」

 つうぅぅーと細くしたたる香油が、漏斗と額の間に細い線を描く。
 額にやわらかく着地した香油は、そのまま頭頂へと流れてゆく。

「力を抜いて。くつろいでいればいい」

 最初は、なんともいえないじんわりじんわりした感触が続くだけだった。
 だが、ほどなく額がぽうっとあたたかくなり、温感の輪が広がるにつれ、頭も身体もふわふわしてきた。

(きもちいい)

 やがて額のその一点から、甘いさざなみが生じはじめた。
 ビィインと響くさざなみは、間断なく手足の先へと送られていく。
 鈍いしびれが肌の表面を走って、身体の随所に小さな火花を散らせる。

 額に香油を垂らす以外、何をされているわけでもないのに、どうしてこんな。

「んっ」

 いま呼び出されている、この感覚。
 水が湧くように染み出し、拡がっていく、この体感。

 頭の芯が甘くしびれて、うまく考えられなくなっていく。
 ただこの淡く移ろいやすい感覚を、もっとつかまえたくて、たまらない。

 これが身体を満たしたら、どんなだろう。

 知らず、喉がこくんと鳴った。

「あぁ」

 もう間違いない。

(これが、快感……)

 首筋を走る刺激に、ぞくぞくぞく……と身が震える。
 胸の頭頂に火花が弾けて、ぴくんと上体が跳ねる。

 じゅん……──

 とろみがこぼれそうで、思わず膝をきゅっと合わせた。
 羞ずかしさに顔が火照る。
 両脚をよじらせる女の下半身を、男の視線が舐めていく。
 それだけで、また身体がきゅうんと鳴ってしまう。

「ふふ」

 男が見ている。
 切れ長の目が細まり、口角がきゅっと上がる。
 唇を舐めた生々しい舌の先が、危険な獣のように見えた。

 とろ……つつぅ──

(私、どうなっちゃうんだろ)

 全身を這い上がる羞恥は、肌を粟立たせ、熱くさせる。
 そして羞ずかしさの奥からわきあがる、それだけではない甘くざわざわとした焦燥感。

 香油は休むことなく額を潤しつづけ、女の身体は微弱な快感を蓄えつづけていった。
 どうしてこんな、という思いは、もう白いもやの向こうに遠ざかっている。

「随分よさそうじゃないか。ん?」

 低い声が耳を濡らし、その耳に、男の指が触れた。

 ぞわぞわ…──

 耳から全身に鳴り響く、くすぐったいような、痺れるような、ぞくぞく感。
 身体が震えて、余裕なくうわずった声が熱くこぼれた。

「あんっ……」

 初めての感覚に頭が白くなる。混乱しているところに、男は容赦なく耳を弄びつづける。
 下半身が熱く滾る。
 何かに追われるように、身体が大きくくねった。

「あ、あっ、や、うそ、ぁっ」

 大混乱のなか、切ない疼きを感じている、まさにそこに、彼の視線が向けられる。
 男を知らず、そればかりか性の快感すら知らずにここまできた乙女にとって、あまりといえばあまりな刺激だった。もじ、と、震える脚をよじり合わせてしまうのを、こらえようがない。

 だが男は手加減なしに乙女の性感をこじ開けにきた。
 もう片方の耳を、ぺろりと舐めはじめたのだ。

「あっ──」

 頭を動かすなと言われ、左耳を手におさめられ、右耳に舌を入れられ、下半身を陸の魚のように跳ねさせるくらいしかできることがない。

「あっ、あっ、あっ、ああんっ」

 もはや、じわりと滲むどころではない。
 熱く濡れている。

 じゅんじゅん──と。

 羞ずかしいほどに濡れていく。

「不感症だと?」

 片頬をキュッとあげ、男は女に顔を寄せた。

「ならどうしてこんなに濡れ濡れに濡れてるんだ?」
「……ぁあん、あん、あんっ、い、言わないでっ」
「びちょびちょに濡れてる」
「あん、そんな……」

 そんなことは彼女が訊きたいくらいだった。
 こんな風になったことなど一度もない。だから夫と結ばれることができず、だからこそ、こうしてここに来たというのに。まだ触れられもする前から、これは一体なんなのか。

「な、に、したんですかっ」
「何?」
「あ、あなたが私に何かしたんでしょう? その、この妖しい香油とか、お香とか、媚薬みたいな何かとか……」
「ふ。そうでもなければこんなことにはならないと?」
「だって、だって私っ……」
「わかってないな。最初に言ったろう。まだ花開いていないだけだと」

 低く掠れた甘い声が、耳の中に直接注ぎ込まれて、ますますぼうっとなっていく。

「あああああぁ、ぁんっ」
「君が勝手に感じて濡れてるんだ」

 耳だけではない。
 頬、顎、首と。
 男の指が、気まぐれに遊び回るどこもかしこもが、びっくりするほど、感じる。

「もっともっと感じさせてやる。おかしくなるくらい気持ちよくなるぞ? 一から十まで教えてやる。君がそれを求めてここに来たんだ。たっぷり感じろ。好きなだけ濡れろ」

 脚が震える。混乱を極めてもうほとんど眩暈がする。
 どうしてこんな、と思うほど身体が熱を持ってしまうのが羞ずかしく、そう思うほどに、また濡れる。とろとろとあふれて、止まらない。

 縋るように見上げた先で、男が艶やかな笑みを浮かべた。

「いったことがないって?」
「……!」

 何も言わずとも、最高神であるこの男にはお見通しだ。

「じゃあ、明日は初イキだ」
「え」

「今夜はここまでだ。明日まで悶えていろ」

 ぞぞぞぞぞ……──

 残像のように残る、快感のさざなみ。
 全身を走る甘い刺激に、肌がいっせいに弾けてざわめく。
 こんなもどかしい状態のまま明日までなんて、と思ったか、どうか。

 目の前が真っ白い光に覆われて、意識が飛び散った。



■第二夜 蕾ほころぶ


 二夜目が始まった。

「今夜は初イキだ。狂うなよ?」

 快感すら“昨夜”この男の(神の)手に導かれて初めて知ったばかりの女には、それがどんなものか想像が及ばない。「狂う」など誇張だろうと思いはするが、知らないだけにそう言い切る自信があるわけでもなく。狂うほどの強烈なことをこの身で経験するのかという不安は抑え難かった。

 そして何よりいたたまれないのは、そんなふうに危うくも甘く煽られるたびに奥が切なく疼いて、じゅわりと熱くとろみ、見たことのないものが出てきそうになることだった。それが彼女の中の「女」なのだとは、今はまだ知らない。

「今夜はトルソーだ」

 トルソー。頭や手足を含まない、胴体部分だ。男の指先が、長方形を描いている。上は首、舌はへそ、左右は両の肩。二夜目は、その長方形に囲まれる。
 どくんと心臓が跳ね上がる。

(えっ、いきなりそんな?!)

 囲われた中に、両の乳房も入っている。
 大きくはないが良い形だと。
 夫がいつも時間をかけてそこを弄ってくる。

 男の手がゆっくりと胸を押し上げた。

「あ」

 だんだんすぼまっていく手の中で薄紅色の突起が追い込まれていく。
 親指と人差指が小さな輪をつくって、止まった。
 小さな尖りを閉じ込めて、四方から狙っている。

「ここは? 感じる?」

 女はふるふると首を振った。

「少しも? 君の夫はここは触らないのか?」
「触るわ。でも、くすぐったいだけ」
「どんなふうに、されてるんだ?」

 息を呑んで、今度はブンブンと頭を振った。
 そんなこと、言えるわけがない。

「聞かせろ」

 ぐ、と指が狭まり、乳首を追い詰める。

 ちり──

 泡の弾けるような刺激に、びくんと上体が跳ねた。

(ちょ、やだこれ、もう感じてる?!)

 乳輪をくるくると撫でられ、泡が全身に広がっていく。
 乳首はもうすっかり立ち上がっている。

「かわいいな。勃ってきた」

 じっと見られて、うずきが走る。

「知っているか? 女はここだけでもいける。少し練習が必要だがな」

 首を振る余裕もない。

「仕込んでやろうか」

 男は目を細めて笑った。危険な笑みにまた濡れる。
 そして、いちばん敏感な突端に、とうとう指先が触れてきた。

 ビクンッ……!

「あああああっ」

 声が抑えられない。

(嘘嘘、何これ、すごい……!)

 くるくると優しく撫でられているだけなのに、夫にそうされてもくすぐったいだけだったのに、信じられないような快感が、次から次へと彼女を襲う。こらえようもなく、背中が浮きあがる。

「あっ、あっあっあっ、ああああああっ」

 と思うと、今度は、くに、と押し込まれた。

「あぁっ……っ」

 今度はお腹が沈み込むような、奥へ響く快感。

(やだやだ、これ無理、こんなの知らないっ……!!)

 男の指戯はねっとりと続いた。
 乳房をゆっくり絞り上げては、執拗に乳首をこねくり回す。ときに意地悪くつまんだり、ひっかいたりもされた。

 かりり──

「んああああっ」

「これが好きらしいな?」

 かり、かり、かり、かり、かりかりかりかりかり───

「あっ、あっ、あっ、ああああああああああっ」

 いつのまにか、ぽろぽろと涙がこぼれていた。

 耳元で、深い声がささやく。

「これから俺が、十、数える。数字が増えるごとに、君は気持ちよくなっていく。昨夜よりもっと」

 昨夜ぐずぐずにされた記憶が、身体によみがえる。

「今夜のどの瞬間よりも、もっと」

 さんざん可愛がられた乳首が疼いて、また濡れる。

「数が増えるごとに、どんどん気持ちよくなって──」

(ど、どうなるの?)

「どうなると思う?」

 ごくりと喉が鳴ってしまう。不安と、まぎれもない期待で。

「最後は十だ。それであがりだ。どうなるか、楽しみだな?」

 ぞくんっ。

「いーち」
「あんっ」

「にぃー」
「ふぁっ?! ああっ」

「さーん」
「あっ、ちょ、嘘、何これっ」

「よーん」
「はあぁっ、あっ、あっ、あっ、あっ、待っ」

「ごー」
「いやっ、ああっあああああっ、そんなっ」

「ろくー」
「ひぁ、待ってお願い、やっ…、ああああっ!」

「しちー?」
「嘘、待っ、これだめっ……!」

「はーち」
「は、うああぁッ──?! む、むりっこんな、っああああああああ」

「きゅう……」
「ひぁ…! んあああああああああ、やあっ、もうほんとだめぇ──ッ」

「……十」
「ッ──!!! あああああああああああああああぁッ!!!!!」

 嵐のような絶頂が、まだ処女のままの新妻を襲った。だがまだ終わりではない。

「もっかい、十」
「ああああああぁー!!! あああああああああっ…!」
「十ぉ」
「あっ、あっ、ひ……ぃ、…ッ……!!!!」

「十」と重ねられるたびに残酷なまでに壮絶な快感が上塗りされて、またその先の絶頂へと連れていかれる。
 生まれて初めてのそれはあまりに容赦なく、彼女が気を失うまで続いた。


 ばらばらになった意識が戻ってくるまで、どれほどの時間が経っただろう。

(これが、「イク」ってこと……?)

 ぼんやりとした頭で、乙女は思った。

 本当に胴体だけで。それどころか、最後は触れもせずに。
 これは確かに狂ってもおかしくない。

 そしておそろしいことに、これでもまだ「二夜目」なのだ。

(私どうなっちゃうの……)

「明日が楽しみだな?」

 神たる男は、またしてもすべてお見通しだった。
 明日はもっと凄いことをしてやろう。
 そう言って、きゅりんと胸の蕾を摘まれた。

「んああああああああああッ────!!」

 過敏になった身体は、もうわずかな刺激にも耐えられない。全身をつっぱらせてまた果て、おさまらない余韻にびくんびくんと痙攣が続く。

「いい子だ。もう乳首だけでいけるな」

「あ……。私……」

「少し休め。夜はまだこれからだ」

 そう。七つの夜は、わずか二夜が終わったにすぎない。



■第三夜 くすぐったさの果てに


 三夜目が始まった。

「今夜は、腕だ」

(腕? それだけ?)

 ホッとしたような、がっかりしたような。
 だが、そんな彼女を見て、男はくすりと笑った。

「そんな顔をするな。じゅうぶん楽しませてやる。だが、そうだな。それなら脚もつけるか」

 両足首を握られて、どきんと心臓が跳ねる。もし開かれたら。

 だが、そうはされなかった。
 かわりに、ぐちゃぐちゃになるまでくすぐられた。

「ひゃ、はは、やだ、ひゃんっ」

 くすぐったさに笑っていられたのは、ほんの最初だけ。身をよじってひいひいと悲鳴をあげても責め続けられて、あっというまに降参した。だが降参しようが赦しを請おうが、くすぐり責めは容赦なく続いた。

 皮膚も内臓も、すべてがひくひくと痙攣して止まらない。

「ひ……! もうやめて……、お願い、死ぬ……ひんっ、ひぃ……」

 もうくすぐったいのか苦しいのか何なのかもわからない。

 むせび泣く身体はとっくに振り切れて、限界を超えていた。どこをどう触れられても、おかしいくらいに感じてしまう。昨日散々仕込まれた乳首も真っ赤に色づいて尖っている。

 男の濡れた視線が、凝った乳首をじっと見た。

(えっえっ……!)

 この過敏な状態で、そんなところを弄られたら。

 そう考えるだけで、蜜がどくどくと湧いて、濡れそぼる。昨夜の狂乱がいやでも思い出され、触れられもしないうちに乳首が痺れた。

 焦らされる時間は途方もなく長い。
 恐ろしく甘い戦慄が、身体も思考も支配する。

「どうしてほしい?」
「あ……」
「可愛くねだれたら解放してやろう」
「……」
「どうしてほしい?」
「もう許して」
「全然ダメだ」

──こちょこちょこちょ

「ひあっ……ひっ、っ……!!」

「もう一度。どうしてほしい?」
「死ぬ……助けて」
「色気がないな」

──こちょこちょっ

「ひぃんっ……!!」

「もっと可愛くねだれるだろう?」
「あ」
「ほら、どうしてほしい?」

「……どうにでも、あなたの好きにして。あなたになら私、何をされても、いい」

「悪くない」

 男はにやりと色気をあふれさせた。
 長い指が、くいっと鉤形に曲がり、降りてくる。

「ご褒美だ」

 かりかりっ、くに──。

「ああああああああああああああああぁぁッ……!!!!」

 昨夜を上回る快感に意識が灼け切れる。
 びくんびくんと全身が大きく痙攣する。次々と襲う絶頂の波状攻撃が止まらない。
 そこへさらに乳首をびんっと弾いてとどめを刺された。
 正気を失って果てた三夜目がいつどのように終わったのか、女本人にはもうわからなかった。



■第四夜 花嫁は甘くさえずる


 それは四夜目に、突然にやってきた。

「今日から中の特訓だ」

 どきんと心臓が跳ねた。

(な、中っ……!?)

 ということは、中に、とうとう。

 どっどっどっ……と鼓動が跳ねる。

 あちこちを撫でられ揉まれて、あんなに青かったはずの身体は、あっけなく溶けはじめた。
 とろとろと愛液があふれるのが、自分でもわかる。

「あっ」

 節ばった男の指が茂みをかきわけ、堅く閉じた割れ目をなぞる。

 つつぅ──

 下へ、上へ、また下へ。

「はっ、あっ……!」

 覚悟はしてきたはずだった。
 だが、想像するのと体験するのは大違いだ。
 頭の中が大混乱で、何も考えられない。
 挫けて、泣いてしまいそうだ。

 ぬるりと。
 男の指が容赦なく割り入ってきた。

「あっ」

 女の顔がくしゃりとゆがむ。

「あ、や……」

 ぬぷ。
 内側に侵入した指は、花弁をかきまぜて奥をめざす。
 未踏の口は、小さく、慎ましい。
 しかし同時に、熱く柔らかく、とろとろに濡れて、ふっくらと満ちてもいる。
 受け入れる用意はできていた。悲しいほどに、できていた。

 男の指は、残酷なまでに躊躇なく進む。
 閉ざされた秘口を押し開いていく。

 つぷん──

「あっ」

 ぢゅぷ、ぐちぐちぐちっ──

「嘘、あっあっあっ、あっ……!」

 ぢゅぷっ…──

 指はあっという間に根元まで埋まった。

「あああああぁぁ……」

 慚愧が女を襲う。
 夫にもまだ開いたことのない奥津城を、神とはいえ他の男に許し、明け渡してしまった。

「ああ、あなた……ごめんなさい……」

 取り返しのつかないことをしてしまった、その悔恨。けれど他にどうすればよかったのか。

 女の感傷などおかまいなしに、男は一切の斟酌なく指の抽挿をはじめた。

 ちゅくっ、ぢゅぷ、ぐぷっ──

「あああっ、あああっ、あああっ、ああんっ!」

 ぶるっ、ぞくぞくっ、ぞくぞくぞくっ……

 絶望のなか、総毛立つほどの快感に呑みこまれて、頭が真っ白になっていく。
 心を満たす悲しみとは裏腹に、口からは甘く淫らなさえずりがとめどなく溢れつづける。

「あっ、あああっ、ああああぁ……」

「可愛い声で啼くことよ」

 そのまま、どれくらいそうして指を抜き差しされていたのだろう。
 一度は白くかすんでいた意識がぼんやりと戻り、いつのまにかボロボロに泣き濡れていることに気づいた。

「わた……し……?」

「今日は馴らしだ。このくらいにしておこう」

 腰に響く低い声が耳を占領し、全身へと沁みてゆく。ただしもう意味がうまく入ってこない。

(きょうは、ならし)

「よくがんばった。ご褒美だ」

 そう言って、散々抜き差しされた秘部のすぐ上にある小さな突起を、ぺろりと舐められた。

「ひぁっ……!!!」

 そのまま、陰核をちゅぷちゅぷと舐めながら、指はひときわ甘く中をまさぐる。

「んああ、あああああああああああああああああああ!!!!」

 中と外から同時に責め立てられる快感は途方もなかった。
 洪水のような愛液を淫らにこぼしながら、これまでとは異質の絶頂に溺れていく己を、とどめるすべはない。

 深く長い夜の果てでさらなる深みが待ち受けていることを、女はまだ知らない。



■第五夜 うずく女体


 夜と夜の間は、夢うつつに過ぎていった。
 とろとろとまどろんでいるようでもあり、泥のような眠りにおちているようでもあり。
 引きのばされた白昼の闇の中、時間の感覚はもはや意味をなさない。
 抱き潰されるのが夜、眠っているのが昼。
 もはやその繰り返しだけがすべてだった。

 五つめの夜は、中をまさぐられながら始まっていた。

「あん!あんっ!」

大きく喘ぐ自分の声で目が覚めた。

「……えっ?」

 いつのまにこんなことになっていたのか、神の指に貫かれて、気づけば腰が浮いている。

「あと三夜で中イキを仕込んでやらねばならぬ」
「んああああっ」
「子宮もたっぷりとな」

 やむにやまれぬ事情があったとはいえ、望んで来たのだ。
 もう後戻りはできない。

 ざりっ──

「ひゃっ?」
「ん、ここか」
「あ、のっ……!」

 ざりっ、ざりっ──
 上に折り曲げた指で、内壁がゆっくりと刺激される。

「えっ、ちょっ、嘘、何…!?」

 指先がある箇所を通るたびに、おかしくなる。

 ざ──

「ひああっ」

 ざりっ──

「やああぁ」

 ざりざりっ、ざりざりっ、ざざざざざりっ──

「あっあっあっ、だめっ、それだめぇ───!」
「そんなことで夫を仕込んでやれるのか?」
「ああっ、ああっ、ああっ、あああっ」
「君が夫に教えてやらねば、君の夫は一生ここをこんなふうにしてくれぬぞ?」
「ひあ……」
「どこをどうされるのがより快いか、よく覚えて、夫に教えてやれ」

 ざりっ──

 そうしながら、もう一方の手は、指を広げて下腹部を押している。中を揺するようにぐっと押し込まれて、体の奥が震えるのがわかる。

「あああんっ」
「中もいろいろある。順番に教えるが、今夜はここだ」
「あっあっあっ、ああああああああああんっ」

 たまらない快感に襲われて、身体の奥がきゅんきゅんと啼きやまない。
 なのに、切なく絞られるようなもどかしさもある。

「んぁ、ああああ……、何これ、昨日までと、何か……ちがう……」

 うずうずとおさまらず、身体がよじれた。

 ぢゅぷっ、ずりり──

「は、ああああああああぁっ……」

 ビクビクンッ……!

 雷に撃たれたように跳ねる身体。自分でもどうにもできない。
 ビクン、ビクン、ビクン、と。微弱な痺れが全身を駆け抜けては、退いていく。

 だが、足りない。

「んん、あうぅっ」

 うずくばかりで、もどかしさがつのる。

「あ、ん、これっ」
「これが快いか?」
「い、いい、けど、……ああっ!」
「けど?」
「あ、あんっ」

「言わねばわからぬ」

「そ、んな……こと」

 無理、言えない、と、首を振る。

「ならこのまま続けよう」
「んっ、はぁっ」

 ざりっと擦られて、ビクッと跳ねる。
 同じリズムで延々繰り返されて、逃げ場のない快感が、奥に溜め込まれてゆく。
 解放されたがって、不穏な気配を高めてゆく。

「やだ、もうこれ、無理、怖い……」
「言えばよい。ねだってみろ」

 ぢゅぷっ、ざりっ、くちゅ、くちゅん──

 我慢くらべで、処女が神に敵うわけがなかった。

「お願い……、もう、いかせて。苦しい……」
「どうしてほしい? どこをどうされて、イキ狂いたい? 言ってみろ」

 手を止められ、腰が勝手にくねくねと揺れてしまう。
 たぶんもう、最初のような達し方では満足できない。
 欲しいものは、そうではなくて。

「なか、を、もっと、……して」
「どんなふうに?」

 きっとこの先に、まだ知らない扉がある。
 そこに何があるのか。どうすれば扉は開くのか。

「わかん、な……お願い、もう……いかせて……」

 もう何も考えられない。どうにでもして欲しい。

「わかった。ではぐちゃぐちゃに掻きまぜて、いきっぱなしにしてやろう。それでよいか?」

 そう言われた言葉だけで、身体が啼く。奥が震えて、こぽり、こぽりと、蜜があふれる。
 わけもわからず、こくこくとうなずくのが精一杯だ。

「もう嬉しそうだ。こんなに締め付けて。素直な身体だ」

「お願い、早く、もう……。して。ぐちゃぐちゃに掻きまぜて、いかせて……」

 ねだるように、腰が浮き上がった。
 突き出された花唇に、神が顔を寄せる。

「中だけでいいのか? ここは?」

 小さな豆にふっと息を吹きかけられて、のけぞった。

「ふあぁぁっ! それ…もっ、して……」
「胸は? 乳首も舐めてやろうか?」

 言われただけで、胸の先がチリチリと泡立った。

「して。ぜんぶして」
「欲深いことだな?」
「ああんっ、もう、もう、はやく……、おねがい」

 動きの止まった指を求めて、腰がねっとりとうねり、沈んでは浮く。

「可愛いらしいことだ。いいだろう」
「ああ……」
「ただし、求めたのは君だ。もういいと言っても止めぬ。受けきれ」
「っ……」

 そして、望んだとおりのものを与えられて、女は声が枯れるまで喘ぎつづけた。
 不感症だったはずの未通の花嫁が甘くさえずる淫らな声が、いつ果てるともなく夜を濡らす。

「ああああああっ、ああああああっ、あああああああああああああああっ……!!!!!」



■第六夜 変幻自在の神の妖手


「んー、今夜はこっちの姿でいこうかな」

 初めて会ったときの白い神が、そこにいた。
 中性的で透き通るような美しさ。
 ずっと黒い男の色気に慣らされてきたから、かえって新鮮だ。

「今日は中イキの特訓だからね」

 どきんと胸が跳ねる。

(特訓……)

 昨夜だって充分に特訓ではなかったか。
 朝までずっと中をいじめられて、泣いても気を失っても赦されず、泪も声も枯れ果てた。

「中は中でも、昨夜は浅いところだったでしょ? 今日は奥を教えてあげる。深イキはすごいよ?」

(あれで浅いって、嘘でしょ?!)

 ごくりと喉を鳴らした女に、白い神は人差し指をさしだした。

「握ってごらん」
「こう?」
「ん。目をつぶって。何があっても離さないでね」
「はい……きゃあっ?!」

 飛び上がって驚いたのも、無理はない。
 目を閉じた途端、手の中の指がむくりと大きくなったのだ。

「ダメじゃん、離さないでって言ったのに」
「だって、え、嘘でしょ?」
「ほら、もう一回。握って。両手で」
「あ」
「今度こそ離さないでね。目も開けない。いいね?」

 はい、とは言えなかったが、言われた通りにした。
 包んだ手の中で、神の指は膨れ上がり、長く伸びた。

「変幻自在だって言ったでしょ? 神だからね。指の形くらい、ちょちょいのちょいだよ」
「はい……」
「その様子だと、わかってないね」
「?」
「今からこれで中を特訓するってこと」

 ばくんと、血が沸騰した。

 包んだ手の中で、むくりと膨らみ、ずにゅんと伸び上がる、神の指。まるで生き物のように脈打ち、あちこちがぼこぼこと膨んでは、その膨らみが移動していく。柔らかな手の肌をごりごりと刺激しながら。

 これで中を、昨夜のようにされるのだ。

 そう想像しただけで、甘い疼きが腰に灯った。奥から溢れてしたたるほどに濡れていくのが、自分でもわかる。
 緊張と期待に膝が震える。

「さ、ベッドに行こうか」

 *

「あっ、あっ、ああああああんっ、ひあんっ!」

 まだ普通の指のまま、昨日のところを執拗に弄られていた。
 ざりざりと強く擦られて、手足が跳ねる。

 ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ!

「あん!やんっ」
「慣れたらここだけでも全然いけるようになるからね」
「あ、んっ、んんぅ」
「あとはお婿さんと練習して」
「ああああっ、はうっ」

「じゃ、いくよ」

 不釣り合いに明るい声が、そう告げた瞬間。

 指が、どくんと膨らんで、伸びた。
 蜜道の中をぬちぬちと押し開く。

「ぁっ……!」

 ぐちゅ、ずちゅ、ぬぷ──

「か、はっ……!」

 みちみちと押し入られる圧迫感は、これまでの比ではない。

「あ゛あ゛あ゛あ゛」

 びくっ、びくっ、びくびくっ…!

 指にはありえない奥の奥まで暴かれ、まさぐられて、抉りまわされ、あっという間に意識が飛ぶ。

「ここだよ、いちばん奥。覚えてね」

 とん、とん、とん、とんっ──

「わかる? 今とんとんしてるよ。大事な子宮の入り口」
「ひ、あっ、あっ、んっ」

(待って待って待って待って……!)

 奥がしくしくと泣き出し、全身が発熱する。

「言ってること、聞こえてる?」
「あっ、あっ、あっ、ひぁっ」
「とんとんしてるのも、聞こえてる?」

 指のわずかな動きひとつで、重い振動が身体を引きずり回していく。
 呑みこまれる。

「んあああああああああああぁ」

「だいぶよさそうだよね。子宮も降りてきてるし」
「あああああああああああぁっ」
「すっごいふかふか。これはちょっと、僕でもたまんないね。すごい。君、自分ではわかんないだろうけど、いわゆる名器だから」

 ぐにゅぐにゅと掻き回されて、腰が大きく螺旋した。

「はああああっ」

 ざりり、ぐちゅん、ととんっ──

「ああ、すごい。旦那さん幸せ者だね」

 弱いところを不規則に煽って、ほしいままに奥まで押し入る。
 その手を腹の上からも揉み込み、逃げ場なく責め立てていく。

「っ、あっ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああっ……!」

 もはや男神の言葉もどこまで耳に届いていただろう。
 すでに息も絶え絶えで、目の焦点もとびきっている。

「さっきからもう、いきっぱなしだ」
「っ、かは……!」
「ほら、ぜんぜん不感症じゃなかった。よかったね」

 ちょん、と脇腹を突つかれた。
 そんな小さな刺激が、極まり続ける今の身体には、雷のように響く。

「はぁああああああああああああああああああああああああっ」
「だから言ったでしょ? 花開いてないだけだって」

 もはや言葉もなく、すすり泣く甘い喘ぎが閨を満たす。

「中も浅いところはこれから開発しなきゃだけど、君の奥はとっても素直だ。何もしなくてもこんなに感じて。素敵だ。すごく、可愛い」
「……!!!」
「特訓は要らなかったみたいだね。もうあとはしっぽり楽しむだけでいいかな」

 くいん、くいん、くいん──

 自在を極めた神の指だ。動きばかりか、長さ太さ形まで気の向くままに、柔襞を掻き回し、蜜壷の奥の奥の秘められた口までぐにぐにと捏ねて突いてこじ開けて、なおもさんざんに女を囀(さえず)らせた。

 昨日までとは快感の次元が違う。
 体の奥底からどろどろに爛れ落ちる。
 もう、それ以外のことが何も考えられない。

「ああああああああああああああああああああああああッ─────────!!!!」

 ビィイイイン……!!!

「かは……」

 がくんがくんと震えつづけた果てに、とうとう糸が切れたように崩れ落ちる。
 失神して脱力してなお、白い肢体はぴくんぴくんと痙攣をやめなかった。

 *

 そうしてすっかりぐずぐずにされ、どれほどかぐったりと力尽きていたらしい。
 口移しに水を飲まされ、意識が浮上した。

「元気になるお水。もうひとくち飲んで」

 ぼんやりとした視界に、白い神の姿が見える。
 のどを過ぎる水が甘い。

「ね、深イキは凄かったでしょ?」

 身体がびくとも動かない。
 手指さえ持ち上がらない脱力の深さは、あのめくるめく快楽の代償なのだろう。

「……っ」

 出そうとした声は、かすれた吐息にしかならなかった。

「まだ動けないよ。子宮でいくと、すごく体力使うからね」

 さらにもうひとくち、甘く優しく飲まされた。

「大丈夫、後は任せてればいいから」
「あ……」
「次は、じっくり感じて」

 耳元を甘い低音にくすぐられて、ぞくんと震えた。
 そして目を上げた女の顔が、驚きに染まる。

 白くたおやかな麗姿が、ふわりと滲んでいくではないか。
 黒々とした影が落ちる。
 やがて冴えた輪郭がひと回り逞しい姿を浮き上がらせた。

「続けよう。最後の夜だ」

 彼女にのしかかって影をつくっているのは、あの妖艶な黒い男神。
 獰猛な片笑みに危険なまでに色気をあふれさせて、見下ろしている。

 有無を言わさぬ支配者の手で、白い脚が大きく割り開かれた。



■第七夜① 開花


 頭が真っ白になる。

「あ……」

 奥の奥まで弄りたおされたとはいえ、これまではまだ指だった。
 だが、今度という今度は違う。
 ぼってりと濡れた淫唇を、猛る杭が撫であげてくる。

「ひあっ」

 ぬぷ、ぬぷ、と、入口をうかがうように圧をかけられて、膝ががくがくと震えた。
 とうとう今から、されてしまうのだ。

 ぢゅっぷ──

「あ、あ、あ、あぁ……」

 入ってくる。
 無造作なほどあっさりと。

 ぬめる先端は、硬くて熱い。

 本当なら、初めては夫のはずだった。
 それでもやはりこうするしかなかったとは思う。
 ただ、どうしようもなく涙が滲む。

 脚を抱え直され、あ、と思った途端、一気に貫かれた。
 ずん、と打ち込まれたものの、衝撃は思ったほどではなかった。

「入ったぞ」

「あ……」

 もっと気を失うほどのものかと思っていたが。
 これなら指と変わらない。

 ただ、言い知れない喪失感が、新妻を襲った。
 深い闇にどこまでも沈んでいく。
 失墜する感覚に絡め取られて、もうどこにも逃れられない。

「このくらいならまだ余裕だな」

 長く美しい指が、火照った頬をそっと撫でる。

「今は指ほどに細くしている」

 細くしている? 何を?

「神の身体は変幻自在だと言ったろう。指が伸びるのだから、ここも細くできる」

 男根を指ほどに細くしているのだと、神は言った。

「ただ、あれだけほぐしたにもかかわらず、また元通りほどに締まっている。男にはたまらぬ身体だが、慣れぬ夫に難しかったのはわからんでもない」

 それを聞いて、女は少し我に返った。そして焦った。

「待って、あのでも、私今夜からすぐにあの人と結ばれなくては困るの。ご存知なのでしょう?」

 神はすべてお見通しだと言った。実際にそうだった。
 ならば、彼女達に迫る危機も知っているはずだ。

 男神の口元が苦々しく歪んだ。

「下卑た義兄らよな」

「おお、神よ……!」

 心からの祈りがため息となってこぼれた。

「ならばお願いです。どうか……」
「心配せずともよい。“今は”と言ったろう。まだ夜は長い。これからどんどん太くしてやる」

 言いざま、ずずずずずっ──と引き抜かれる。
 奥から口まで、膣壁を逆しまに擦りぬかれて、背中が浮くほど身震いした。

 ぞわぞわぞわぞわ…──

「ひあぁっ……! ッ───!!!」

 かえす刀ですかさず突き込まれる。

 ずちゅっ、ぬぷぷぷ、みちみちみちみち…──

 さっきより太くなっている。
 圧迫感がすごい。

「かはっ……!」

 その太くて熱いもので突き上げた奥先をごりゅごりゅと捏ねくられ、ちかちかと星がとんだ。
 身体が発火しそうだ。

「指よりよさそうだな。……まあ当然か」

 ぐちゅちゅっ、ぐごりゅっ、ずずずずずずッ──

「あ、あ、あ、ああああああああああああああぁ」

「抜くときが随分いいらしい。どう抜かれるのが快い? ん?」

 こうか? こうか? と何度も突いては抜かれ、その度に角度や向きを変えたり、強さを変えたりして、身体を試される。
 動き方も、速く出し入れしたかと思えば、ゆっくりじわじわとしてみたり、ねちゅねちゅと捏ねながらねじり抜いたりと、ありとあらゆる方法で責められた。

「はあっ……、はあ……」

「まあ、これだな」

 奥の突き当たりより少し左上、突くよりも練りこむように捏ねて押し上げ、抜くときはまっすぐに、はじめゆっくり、最後は加速して引き切る。

「あああああっ! それっ……あっ、ああぁ……」

「花開けば大輪とはわかっていたが、ここまでとは。君はおそろしいな」

 すすり泣きながら乱れさえずる姿は、雄の劣情をそそってやまない。
 何よりこの身体だ。一度抱けば、どんな男も虜になるだろう。道を狂わされる者も出るだろう。

 神にもそう確信させるほどに、艶めかしく、蠱惑的だった。

「まだ君の夫の太さにも足りない。いくぞ」

 みちみちみちみちっ──

「ッ…………!!!! く、はっ」

 柔襞が悦びの悲鳴をあげてざわざわとさざめき、子宮は待ちわびて震えている。

 ずちゅ、ぬ、ぬ、ぬ、ずりりり、ずりっ──

 もう熟知した弱いところを責めぬきながら、神はじわじわと強度を上げていった。

「ああ、熱くて柔らかくて、よく締まって。それにこの這いずるように絡みつく動き。君は本当になんという……くっ…」

 男の息も荒くなっている。

「そんなに咥え込まれると、さすがに少々おかしな気分になってくるな」

「あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああああああああああああっ」

「もう少し、いけるか」

 ぎち、ぎちちち──

「─────ッ!!!」

 息ができない。
 全身をつっぱらせた女の身体は、細かい痙攣を繰り返して震えている。

「このくらいで限界だろう。奥までぎっちり入ったぞ」

 蕩けきった目は、すっかり男を通り越して、遠くを泳いでいる。

「気分はどうだ? ……とは、訊くまでもないな」

 恍惚。
 としか言いようのない忘我の表情が、全てを物語っていた。

 何より中が。
 ざわざわと歓喜し、初めて迎えた男に総掛かりで群がり喰らいついている。

「しばしそのまま、味わえ」

 そう言って、男の手が下腹に当てられた。
 ねっとりと愛撫する長い指と熱い掌の下、円やかな白い腹の中には、猛々しい鉄杭がぎっちり挿入っている。
 
「わかるか? 奥まで入っている」
「あ……」

 あらためて言葉にして示され、女の頬がさっと染まる。

「君の中に、俺のものが」
「は、あっ……」

 心ざわつく新妻に、男はかまわず言葉を重ねる。

「さすがにきつい。ぎちぎちだ」
「んぅ」
「だがしっかり咥えて、健気に動いている。わかるか?」
「はっ……」
「感じるだろう?」

 ぐ、と手で腹を揉みこまれて、外からの圧に腰が浮いた。

「ああっ」
「締めてみろ」
「ふぇ…?」
「中をぎゅっと。引き締めるんだ、自分で」

 何もかもが初めての年若い娘に、そんなことができようはずもない。
 それどころか、何を言われているのかすら、頭に入ってこない。
 とろんとした目で首を傾げて、二人の繋がっている部分に顔を向けた。
 途端、ぶわりと上気する。さっと朱を走らせた羞じらいの表情の、初々しいこと、無防備なこと。
 熱い掌で丸く腹を撫でられて、切なげな吐息をこぼした。

「さすがにまだわからぬか」

 男の手が、脇腹に回る。

「ならばこれでは? どうだ?」

 散らした指先で、前触れもなく、くすぐられた。

「ひゃん!……っ、ああっ、ああんっ」

 くすぐったさに身が捩れたところまでは、あの夜のくすぐり責めの時と変わらない。
 ただ違うのは、今は男の怒張に中を占領されているということ。少しの身動きすら子宮を激震させる快感をもたらすということ。
 そんな状態でくすぐられてはたまらない。

 痙攣したのは、手足だけではなかった。
 臓腑もひくひくと咽び泣くように痙攣した。
 無論、中も。

「ひあっ」

 男の指が、羽で撫でるように腋窩に触れ、脇腹をまさぐる。

「あああああああっ、……はぁ、はぁ、っ! ああああああああああああああああっ」

 くすぐっては止め、止めてはくすぐり。
 気まぐれな悪戯はひとしきり続いて、女はさらにぐずぐずに崩された。



■第七夜② 白く染まる


「もう少し動くぞ」

 男がそう言って脚を抱え直したときには、もう意識が朦朧としていた。

「力を抜いていろ。君は何もしなくていい」

 ずずずずずずッ──

「ひぁっ………!」

 だが、ぶるぶるぶるっと震えが全身に残響するほどゆっくりと抜かれたのは、最初だけ。

 そこから、息もつかせぬ抽挿が始まった。

 ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、ぢゅっ───

「あ、あ、あ、あ、あ、あっ、ああっ」

 ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ───

 抜かれるたびに、内臓がごっそりもっていかれそうだった。
 撃ち込まれるたびに、喉元まで貫かれて、奥へ奥へと暴かれていく。
 蜜道の敏感なところがざりざりと煽られて、粟立つ快さがなおも膨らんでいく。

「あっ、あっ、あっ、あっ、あ、ああああああああぁっ」

 抽挿のたびに、染まってゆく。
 この男に染まってゆく。

 自分の身体が少しずつ変わってゆくのを、哀しいほどに感じていた。

 わかっていなかった。
 「女にされる」というのがどういうことか、まるでわかっていなかった。
 ただ夫と結ばれたいがために、義兄達の毒牙にかかるくらいならと思ったがために、ここに来た。
 ただの練習か何かのつもりだったのに。
 こんなにも完全に相手のものにされてしまうことだったとは。

 ぢゅっぷ、ぢゅっぷ、ぢゅっぷ、ぢゅっぷ、ぢゅっぷ…───

「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁっ……!」

 熱く擦られて、蜜壺が内側から沸騰してゆく。
 どろどろに熔けて沸きたち、灼けた火柱を呑みこみ舐めあげる。

 男の怒張がぶわりと昂ぶった。

「いくぞ」

(ああ……)

 もっと何もかも変わってしまう。変えられてしまう。
 完全にこのひとの「女」にされてしまう。
 いいや、女というよりも、そう、雌に──。

 たしかに、そもそもは自分が望んだことだった。

 けれども。

「あっ…ぁぁあ……」

 内心の葛藤など知らぬげに、身体はびくんびくんと雄を求める。
 そうしてすがるように吸い付かれて、男の欲望もとうとう限界を超えた。

 びゅくっ、びゅるるるるるっ── びゅるるる── びゅるっ──

「く…」

 肚の中に熱いものが広がる。
 神の精に中から白く染め上げられて、女は完全に「女」になった。

 不思議に遠く聞こえた呻き声は、低く掠れていた。
 なおもうっとりするほど凄艶だった。


 *

「これで最後だ」

 息が整うや、男は再び女の脚を開かせた。
 果てたばかりにもかかわらず、最初と変わらぬ猛々しさだ。

「え、嘘、まだするの? 私もう………あっ、あああああッ!」

 もう無理、と訴える余地もなく、ぐちゅんと貫かれていた。

「あ、あ、あ……」
「締められるか?」

 ふるふると首を振る。
 できないというより、何を言われているかが皆目わからない。

「まあ無理もないか」

 女はほっと息をついた。

 だが、思い出すべきだったのだ。
 さっきも同じ問いを投げられたことを。
 わからないままに茫然としているところへ、「ならば」とくすぐられたことを。

「自分で締められないなら、どうすれば締まるかを覚えておけ」

「え?」

「まず、これだ」

 と、乳首をくりっと摘まれた。

「あっ……っあああああっ」

 びくびくんと弾んだ拍子に、中がひくひくと応えて男を締めつけた。

「いい具合だ」
「あ、あ、ああああ……」
「こうして挿入れられながら、自分で弄るといい」
「そ、そんな恥ずかしいこと、できるわけが……」
「そうか? ならばこれだ」

 今度は、足の裏をふわっと撫でられた。

「ひゃんっ……っあああああっ」
「弱いところをくすぐればいい。こうして」

 こうして、こうして、と。
 腋窩、脇腹、へそ、耳の後ろ、膝裏、裏腿、足の甲、足指、そして足の裏。

「ああっ、ひっ、やめて……うっ、ああっ、あああああっ」
「いいぞ。よく締まる」
「ああああああっ」
「自分でもしてみろ」
「そんな、む、無理っ」
「無理無理と言って、そんなことで夫を悦ばせてやれるのか?」
「だって……」

 初めて男を知ったばかりで受け入れるのも精一杯の娘に、酷なことを言っているのは神も承知。
 だが、この娘に手取り足取り教えてやれるのも、この夜が最後なのだ。

「今すぐとは言わぬが、とにかく覚えておけ。もう少し慣れたらやってみるがよい」
「は、はい……」

「もうひとつあったな」
「?」
「数を数える。数字が増えるごとに、君は気持ちよくなっていく」

 ばくんと心臓が跳ねた。

 忘れもしない。二つめの夜、初めて絶頂を体験したあの夜だ。
 胸を責められ、何度も追い詰められた。最後には、ただ数を数え上げられただけで、あまりの快感に失神して果てた。

「あれはもう、君が自分で数えても、効く」
「え、それはどういう……」

「一」
「………ひあ!!」

 その瞬間、神の言う意味を身体で理解した。

「ま、待って」

 どちらかだけでも灼き切れるほどの快楽なのだ。
 それを両方? ありえない。

「二」
「あああああああああっ」

 男は軽く腰を突き入れさえして、高く喘いだ女に優しく微笑みかけた。

「次は自分で言うんだ」

 そんなの無理。

「自分で乳首をいじる方がいいのか?」

 とんでもない。

「ならばくすぐるか?」

 それも無理。

「だったら、言うんだ」

 根比べをする気力は、もう残っていなかった。
 手を動かして我が身を苛むよりは、ひとことで済む方がましな気がした。
 女は震える唇をゆっくりと開いた。

「さん……」

 口から発した声が耳に入って脳に至る。その瞬間、女の身体を快感の雷が走り抜けた。

「…んあああああああああっ」

「ああ、快い。この動き、たまらない」

 男はうっとりと目を細め、「いい子だ。よくできた」と女を労った。
 そして、続けた。

「四」
「んあああああああああぁっ」

「五」
「ああああああああああああああああ……!」

「もう一度、自分で」

 すすり泣くばかりで、抵抗も愁訴も言葉にならない。

「続きの数字を言うだけだ。簡単だろう? さあ」

 したたるように甘い声が耳を蕩かし、女の意識を快楽に浸す。

「………ろ…く…」

 猛る怒張に貫かれたまま、女はみずから絶頂地獄の扉を開けていく。

「…あああああああああああああああああああああああああああああああああ───っ!!」

 びゅくびゅくびゅくと、神の精が再び長く吐き出された。

 だが、まだ何も終わらない。
 萎えることなく硬く熱いままの剛直が、女を中から責め続けている。

「次」

「……な、な……。ひぁ…! んあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ──!!」

 それから男は、ひとつ数が増えるごとに吐精した。ひとつ数えるごとに、女の子宮は深く長い絶頂に打ち震え、男神のもので真っ白に染まっていった。

 十を数える頃には、女の意識は粉々になっていた。
 みずから最後まで数え上げたことすらわからない。
 「十、十」とこぼしながら、快楽の淵に堕ち果てていった。



■夜の果て 夢の行方


 すうっと水底から浮上するように目が覚めた。
 眼前に佇むのは、白い神。

「よくがんばったね」

 しなやかな指が頬を撫でる。

「少し休むといい。夕暮れまでには帰してあげる」
「はい……」

 そうだ。初めから、そんなように言っていた。

 夕方には帰す、この白昼を七夜に引きのばすのだと。
 あのときは、何を言っているのかわからなかった。
 今もよくわかってはいないが。

 ただわかるのは、もう処女ではないこと、夫以外の男のものになってしまったこと、そしてあの七つの夜が自分の身体をすっかり変えてしまったこと。

 白昼に見た夢であろうが、現実の七昼夜であろうが、この身に起きた変化に変わりはない。

 目覚めれば自分は夫のもとに帰るだろう。夜にはふたりで床に入るだろう。今日こそ無事に結ばれるだろう。義兄達の毒牙にかかることなく、夫の精を受けるだろう。

 だが、それから先に何が待つのかは、わからない。

 もし夫が異変に気づいたら。もしこの男の、すなわち神の子を身籠っていたら。あるいはもし、もしだが、夫との営みでは満たされなかったとしたら。

 その時、どうなるのか。自分は、どうするのか。

 わからない。
 今は何もわからない。考えたくもない。

 ただ今は、彼女を襲う泥のような睡魔に身を委ねたかった。

「ああ、そうだね。今は何も考えずに、もうおやすみ」

 白い神の柔らかい声と、黒い男の低い声が、何重にも混ざって女を包んだ。

「心配せずとも、目覚めたらすべて忘れている」

(えっ、何それ。待って、嘘)

「これは全て夢。長い長い、白昼の夢──」

(待って、私……)

 だが、暴力的なまでの睡魔が女の抵抗を打ち砕く。
 とろりと瞼が落ちるにまかせ、そのまま深く沈んでいった。


  *

 その日、ある家で新婚五日目の花嫁が忽然と姿を消す椿事があった。家中探してもどこにもいない。実家は半日は歩かねばならぬ隣町で、ふらりと帰ったとは考えがたい。騒ぎにはしたくないからと日の高いうちは平静を装っていた新郎と家族達も日が傾いてくるにつれて若い嫁の身の上を案じ、かくなる上は娘の実家へ使いを出すか、街の衆に捜索隊を頼むかと煩悶していた矢先、新婚夫婦の寝室から夢見心地の新妻が姿をあらわし、家のものを驚かせた。着ている衣装はいなくなった時と同じ部屋着のままで、ほこり汚れひとつない素足からも、若妻が家を出たとは考えられない。だがあんなに探して見つからなかったものが、一体どこでどうしていたのか。娘本人はその間のことをまったく覚えておらず、身体にもべつだん異常はない。それでも何らか心細かったのか、夫を恋しがってぴたりと寄り添い、片時も離さじとすがる様はただただいじらしく、善良な両親も意気軒昂な三人の義兄も、無事ならば良いと退かざるをえなかった。その夜、再会した新婚夫婦は明け方まで飽かず睦み合っていたとか、いなかったとか。

 年が明けて嫁は輝くばかりに美しい男児を産み落とした。その赤子があまりに麗しく、また白銀とも漆黒とも映る不思議な髪色といい、人の心まで見透かすような凄みのある切れ長の目といい、父親にも母親にも祖父母にもまるで似ていなかったことから、やがて誰いうともなく、あの家の嫁は神隠しにあって神の子を孕んだらしいとまことしやかな噂が口伝てに広がっていくことになるのだが、それはまた別のお話。また、その子が長じて王宮に出仕して数年の後、剣を捧げた王女が人身御供同然の政略結婚で隣国に娶られることになったとき、運命の理不尽に抗うべく王女を連れて深い森の奥深くにあるという神の仮寓を訪ねゆくことになるのだが、それもまた別の物語。

 今はただ、ようやく結ばれた若い新婚夫婦が、幸せな朝寝のまどろみのなか、互いのぬくもりを分かち合っている。


 完



◇あとがき◇

ちょっとした余録から生まれた小話です。ファンタジーエロスです。「どうしてそうなる?!」は横において、からっとお読みいただければ幸いです。

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