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第28話 全ての過去を思い出す時
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――ギンッ、ガンッ、バチンッッ!!
ハンスの槍と、アリアの剣が激しく交じり合う……
「うぬっ…… やはり、前とは格段に強くなっておる……」
「そっちは鈍ったのではないか? 師匠!」
「グワッ! さすがに老いには勝てんか」
ハンスは後ろに弾き飛ばされてしまったが、何とか体勢を取り戻した。
彼の額からは、汗がにじみ出る。
(クソッ、ワシの目がしっかり見えておれば……!)
ハンスは分かっていた。
あの煉獄剣の攻撃を受け続けたこの槍では、そう長くは持たないと。
「来ないか? じゃあ私から行かせてもらおう!」
「速いっ! じゃが、ぬおうっ!」
――ギィィィィィンッッ!!
剣が交わる音が耳をつんざく。
熱気と共に、その一瞬で空気が震えた。
「ほう…… 受け止めたか」
「熱気でバレバレじゃよっ!」
――ガガガガガガッッ!
ハンスの決死の連続攻撃が炸裂する!
「なっ……!」
アリアは思わず後ろへと下がってしまった。
「アリア様、私たちも参戦した方が……」
「お前たちは後ろに下がっていろ! これは私の問題だ! それに……」
(ワシはまだ、やれる!)
ハンスは再び槍を持ち直したが……
――ガコン
何やら地面に金属が当たる音がした。
「……? なんじゃ? 槍が軽く……まさかっ!」
「どうやら槍が焼き切れてしまったようだな。師匠」
ハンスの立派な槍はもう面影を残しておらず、先の部分は完全に溶け、焦げてしまっていた。
その武器はもはや戦う力を持たない。
「……どうやら、ここまでのようじゃな」
ハンスは持っていた槍を落とした。
体は限界を迎えていたのか、ついに膝から崩れ落ちる。
(勝手に動いたワシが悪いんじゃ。すまんのう、レア……)
「安心しろ。苦しめはしない……」
アリアはそのまま歩いていき、ハンスの首元に剣を差し向けた――
「止めてっ!」
その甲高い声は、辺りに響き渡った。
「お前は…… レア!」
「レア……今すぐ逃げるんじゃ!」
「氷塊よ、飛べっ!」
レアの杖から繰り出される氷塊は、一直線にアリアへと向かった!
アリアは難なく避けるが、もう一度後ろに下がってしまう。
「なんだ、お前は東リウに居たのか。止めておけ。前は見逃したが、次こそは……!」
「これ以上私から大切な人を奪わないで! これ以上っっ!! どれだけやったら気が済むのっ!」
「大切……な、人……? いや、私は…… そんなつもりは……」
アリアの目には明らかな動揺が現れていた。まるで、何かを思い出したように……
彼女は一歩、また一歩あとずさる。
息は荒くなり、アリアの額からは汗が流れる。
「アリア様、どうされましたか……?」
「レア。分かった、殺さない。見逃すから、さっさと行け……っ!」
「アリア、お主……!」
「早く行けっ!」
アリアはレアに顔も見せず、横に顔をそらしている。
煉獄剣から炎は、揺らぎを見せ小さくなっている。
「なんだ、行かないのか? さあ…… うっ!」
次の瞬間、アリアは力なく倒れてしまった。
力を振り絞って後ろを見ると、そこには吹き矢を持った教会兵が立っている。
そして何人かの教会兵は、血を流して倒れていた。
(これは…… 麻痺毒か!)
「お前…… なぜ……! うら、ぎったな……!」
「ふふふ、ようやく隙を見せましたね」
教会兵は不敵な笑みを浮かべた。
「私共の命令は、戦のどさくさに紛れてアリア様を”不運の”戦死にさせろというものでして……」
「誰からの、命令だ! 同じ、リウ解放を、望む……」
「えぇ、えぇ。分かりますよ。これはソフォス様直々のご命令です」
(ソフォス様が……!?)
「あなたみたいな強大な”駒”は、いずれ脅威になると」
目を見開いたアリアの頭の中では、全てがつながった。
ソフォスは、敵味方含めてリウの勢力を消し去り、リウを完全に手中に収めようとしているということを。
(まだ、私は……謝罪も、目的も果たせずに……)
「お、の、れぇ……!」
「今いるのは、弱そうな魔導士と、倒れた2人…… もう諦めることです!」
「クッ!」
……どうやら間に合ったようだな。
――魔法陣展開 発動 転移!
「かくごぉっ!! ふふ、ふ……ふ。なっ、いない!」
「なにっ! しっかりと麻痺毒は効いてたはずだろ!」
「アリアはここだぞ?」
「な、誰だ貴様は!」
「シュベルト! 来てくれたんだ!」
俺はアリアを抱えて、レアの元に立っていた。
転移魔法を使い、アリアをとっさのところで救った。
何が起きてるかよく分からないが、教会兵が理不尽なやり方で殺そうとしていたからな。
「お前が……シュベルトだったのか。なぜ私を救った……!」
「うーん、何だろうな。強いて言うなら、この前の親切のお礼か?」
「フッ、そんなことで……」
俺は取りあえずアリアを地面におろすと、剣を取り教会兵の方を向いた。
「金髪の魔法剣士……! そうか、貴様かっ!」
「死ねぇ! こっちは精鋭が3人だ! さすがの貴様でも……!」
襲ってくる教会兵が3人。
残念だったな。建物が入り組む場所にいる時点で…… お前らの負けだ。
――魔法陣展開 生成 棘
「ぐわぁっ!」
「あぐっ! 棘…… どこ、か……ら」
「敵はみんな剣に意識が行く。便利な道具だな」
「く、そ……が……」
教会兵はみんな串刺しになり、息絶えた。
それを見て、シュベルトは静かに剣をしまう。
(そんな。こんな一瞬で、教会の精鋭が……)
アリアは驚きを隠せない。
「みんな大丈夫か? 特に爺さん、起きれるか?」
「……ワシはこれでも体は頑丈なんじゃ。ふがいないところを見せたな」
「私も大丈夫だよ。特に何もされてないし…… ありがとう」
ふぅ。戦いが始まり、俺も動こうと思った時にこの光景を見つけた。
間に合って本当に良かった。
そして、問題は……
「アリア、お前は……?」
「麻痺毒を、もらった…… 直に治る」
そうか。あいにく俺は解毒魔法を持っていない。何もすることはできないな。
さて、アリアは救ったとはいえ、どう対応すればいいのか分からないな。
「アリア、話したいことがあるの」
レアは覚悟を決めた様子で、そう言った。
「なんだ? 私はお前に話すことなど……」
「昔のことだよ」
「……!? やめろ! その話は聞きたくないっ!」
「今こそ白黒つけたい。私の親と、あなたの親のことを……」
ハンスの槍と、アリアの剣が激しく交じり合う……
「うぬっ…… やはり、前とは格段に強くなっておる……」
「そっちは鈍ったのではないか? 師匠!」
「グワッ! さすがに老いには勝てんか」
ハンスは後ろに弾き飛ばされてしまったが、何とか体勢を取り戻した。
彼の額からは、汗がにじみ出る。
(クソッ、ワシの目がしっかり見えておれば……!)
ハンスは分かっていた。
あの煉獄剣の攻撃を受け続けたこの槍では、そう長くは持たないと。
「来ないか? じゃあ私から行かせてもらおう!」
「速いっ! じゃが、ぬおうっ!」
――ギィィィィィンッッ!!
剣が交わる音が耳をつんざく。
熱気と共に、その一瞬で空気が震えた。
「ほう…… 受け止めたか」
「熱気でバレバレじゃよっ!」
――ガガガガガガッッ!
ハンスの決死の連続攻撃が炸裂する!
「なっ……!」
アリアは思わず後ろへと下がってしまった。
「アリア様、私たちも参戦した方が……」
「お前たちは後ろに下がっていろ! これは私の問題だ! それに……」
(ワシはまだ、やれる!)
ハンスは再び槍を持ち直したが……
――ガコン
何やら地面に金属が当たる音がした。
「……? なんじゃ? 槍が軽く……まさかっ!」
「どうやら槍が焼き切れてしまったようだな。師匠」
ハンスの立派な槍はもう面影を残しておらず、先の部分は完全に溶け、焦げてしまっていた。
その武器はもはや戦う力を持たない。
「……どうやら、ここまでのようじゃな」
ハンスは持っていた槍を落とした。
体は限界を迎えていたのか、ついに膝から崩れ落ちる。
(勝手に動いたワシが悪いんじゃ。すまんのう、レア……)
「安心しろ。苦しめはしない……」
アリアはそのまま歩いていき、ハンスの首元に剣を差し向けた――
「止めてっ!」
その甲高い声は、辺りに響き渡った。
「お前は…… レア!」
「レア……今すぐ逃げるんじゃ!」
「氷塊よ、飛べっ!」
レアの杖から繰り出される氷塊は、一直線にアリアへと向かった!
アリアは難なく避けるが、もう一度後ろに下がってしまう。
「なんだ、お前は東リウに居たのか。止めておけ。前は見逃したが、次こそは……!」
「これ以上私から大切な人を奪わないで! これ以上っっ!! どれだけやったら気が済むのっ!」
「大切……な、人……? いや、私は…… そんなつもりは……」
アリアの目には明らかな動揺が現れていた。まるで、何かを思い出したように……
彼女は一歩、また一歩あとずさる。
息は荒くなり、アリアの額からは汗が流れる。
「アリア様、どうされましたか……?」
「レア。分かった、殺さない。見逃すから、さっさと行け……っ!」
「アリア、お主……!」
「早く行けっ!」
アリアはレアに顔も見せず、横に顔をそらしている。
煉獄剣から炎は、揺らぎを見せ小さくなっている。
「なんだ、行かないのか? さあ…… うっ!」
次の瞬間、アリアは力なく倒れてしまった。
力を振り絞って後ろを見ると、そこには吹き矢を持った教会兵が立っている。
そして何人かの教会兵は、血を流して倒れていた。
(これは…… 麻痺毒か!)
「お前…… なぜ……! うら、ぎったな……!」
「ふふふ、ようやく隙を見せましたね」
教会兵は不敵な笑みを浮かべた。
「私共の命令は、戦のどさくさに紛れてアリア様を”不運の”戦死にさせろというものでして……」
「誰からの、命令だ! 同じ、リウ解放を、望む……」
「えぇ、えぇ。分かりますよ。これはソフォス様直々のご命令です」
(ソフォス様が……!?)
「あなたみたいな強大な”駒”は、いずれ脅威になると」
目を見開いたアリアの頭の中では、全てがつながった。
ソフォスは、敵味方含めてリウの勢力を消し去り、リウを完全に手中に収めようとしているということを。
(まだ、私は……謝罪も、目的も果たせずに……)
「お、の、れぇ……!」
「今いるのは、弱そうな魔導士と、倒れた2人…… もう諦めることです!」
「クッ!」
……どうやら間に合ったようだな。
――魔法陣展開 発動 転移!
「かくごぉっ!! ふふ、ふ……ふ。なっ、いない!」
「なにっ! しっかりと麻痺毒は効いてたはずだろ!」
「アリアはここだぞ?」
「な、誰だ貴様は!」
「シュベルト! 来てくれたんだ!」
俺はアリアを抱えて、レアの元に立っていた。
転移魔法を使い、アリアをとっさのところで救った。
何が起きてるかよく分からないが、教会兵が理不尽なやり方で殺そうとしていたからな。
「お前が……シュベルトだったのか。なぜ私を救った……!」
「うーん、何だろうな。強いて言うなら、この前の親切のお礼か?」
「フッ、そんなことで……」
俺は取りあえずアリアを地面におろすと、剣を取り教会兵の方を向いた。
「金髪の魔法剣士……! そうか、貴様かっ!」
「死ねぇ! こっちは精鋭が3人だ! さすがの貴様でも……!」
襲ってくる教会兵が3人。
残念だったな。建物が入り組む場所にいる時点で…… お前らの負けだ。
――魔法陣展開 生成 棘
「ぐわぁっ!」
「あぐっ! 棘…… どこ、か……ら」
「敵はみんな剣に意識が行く。便利な道具だな」
「く、そ……が……」
教会兵はみんな串刺しになり、息絶えた。
それを見て、シュベルトは静かに剣をしまう。
(そんな。こんな一瞬で、教会の精鋭が……)
アリアは驚きを隠せない。
「みんな大丈夫か? 特に爺さん、起きれるか?」
「……ワシはこれでも体は頑丈なんじゃ。ふがいないところを見せたな」
「私も大丈夫だよ。特に何もされてないし…… ありがとう」
ふぅ。戦いが始まり、俺も動こうと思った時にこの光景を見つけた。
間に合って本当に良かった。
そして、問題は……
「アリア、お前は……?」
「麻痺毒を、もらった…… 直に治る」
そうか。あいにく俺は解毒魔法を持っていない。何もすることはできないな。
さて、アリアは救ったとはいえ、どう対応すればいいのか分からないな。
「アリア、話したいことがあるの」
レアは覚悟を決めた様子で、そう言った。
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