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本編
-110- アサヒとおはぎさん タイラー視点
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それにしても、アサヒには本当に驚きの連続としか言いようがありませんね。
夕方には猫型の妖精であるケットシーを眷属に据えて“おはぎ”と名付けただけでなく、昨夜の侵入者をあっさりと捉える腕を持っていたのですから。
この細い体格からは想像できませんが、見た目に反して、かなり動けるようです。
「え?…嘘だろ?」
「いいえ、本当のことです」
「マジで?」
「ええ、マジでございます」
アサヒがものすごく驚いた顔でびっくりしていますが、末永くオリバー様とご一緒にあられるためには、嘘偽りなくお伝えする必要があるでしょう。
オリバー様は姿かたちは本当に素晴らしく、ご立派で、男性的な美しさをお持ちです。
身体も日々の生活によって鍛えられております。
ですが、昔から喧嘩や戦闘などの力は、神様に取られてしまったのではと疑うほどに、てんでございません。
そう、争いに弱いのは口だけではないのです。
オリバー様は子爵と言えども貴族ですから、剣も一応習っておいでです。
ですが、もちろん剣で戦うことはおろか、殴る蹴るどころか、攻撃を避けることすら、これっぽっちもセンスがありません。
攻撃魔法も出来ません。
「は?え、だって、あのタッパと腹筋と腕でからっきしって、信じらんねえんだけど」
「あの身体は鉢植えで鍛えられたものです」
「嘘だろ?」
「本当です」
「けどさ、蔓くらい使えるだろ?初めてでも俺にだって出来たんだから」
「いいえ…オリバー様はとても植物に好かれるたちでして」
「ああ、まあ、俺から見てもすげー好かれてると思う」
「ですから、蔓を出されても、絡まるのはオリバー様です」
「…なるほど」
想像できないでしょうが事実でございますし、今更隠すことでもありません。
寧ろ、隠して今後危険な目に合われるよりよっぽどマシってものです。
アサヒの良いところは、目の前にいるオリバー様自身を見ていることです。
けして、理想を追うことや想像を押し付けることをしない。
外見が他の全ての理想を底上げしてしまっているオリバー様ですが、オリバー様が得意とするのは本当に薬や植物に関してだけなのです。
一点が突き抜けているだけなのですが、外見が理想の王子様のようであられるオリバー様は、完璧を求められることが多かった。
人に言わせると、欠点だと言われるたくさんのものをお持ちです。
それを知っても、アサヒは驚きだけのようです。
良かったですね、オリバー様。
アサヒのお心はオリバー様から離れることはないようですよ。
「なので、出来ればアサヒが自分の身だけでなく、オリバー様も守れるといいのですが。
アサヒは、実際、どれほど動けますか?」
「え?うーん…どうだろ?」
「昨夜はかなり手際が良いように見えましたが」
「あー、あれはおはぎのフォローがあったからで」
「おはぎさんが?」
意外な手助けがあったようです。
ケットシーであるおはぎさんは、猫型の妖精。
妖精は、幸運をもたらす存在だとは言われていますが、これと言って何ができるかなどは知られておりません。
ですが、裏庭のあの小さな魔法陣、あれは……。
「うっかり口塞ぐのを忘れて、魔法使われそうになっちまって。
そしたら、おはぎがどっからか葉っぱをだして塞いでくれたんだ。
オリバーもタイラーもソフィアだって魔法使う時呪文?なんか唱えたりとかしないじゃん?
言ったとしてさ、ソフィアの、はい、とか、それっ、とかそんなんだし。
俺もそれに倣ったから、すっかり忘れてて」
確かに私もソフィアもオリバー様も普段から魔法を使いますが、無詠唱です。
そしてそれに教わるアサヒも無詠唱でしたね、そういえば。
てのひらから水を出したり草木や土に魔力を分けたりしていますが、特別疑問には思いませんでした。
「おはぎさんと言えば、ちょっと確かめたいことがるので呼んでもらえますか?」
「え?おはぎに?…そういや、どこ行ったんだろ」
「アサヒが呼べば来ますよ」
眷属とはそういう存在。
主が呼べば、それに応えるのが性でございます。
「?…おはぎーどこー?」
『なーに、アサヒ』
案の定どこからともなくおはぎさんはアサヒの傍に現れました。
可愛い見た目ですし、言葉も声も、子供のような、拙い話し方です。
「タイラーが確かめたいことがあるんだって」
『ん。何?』
「裏門の横にある小さな魔法陣は、おはぎさんが書いたものですか?」
『ん、そう。あそこから昨日来た。あそこだけ穴が空いてたから塞いだ』
「そうですか、ありがとうございます」
やはり、あの小さな魔法陣は、守りのものだったのですね。
可愛らしい足跡がいくつか並び、見たことない文様が刻まれておりました。
妖精が魔法陣まで操れるとは。
『でも、あんまり持たない。それに、空きそうなところ他にもある。
上書きするか、作り変えたほうがいい。じゃないとまた変なの来る』
「やはり…そうですか。
侯爵様に相談しましょう。因みに、あの魔法陣はどのくらい持ちますか?」
『3日くらい』
「わかりました」
早急に侯爵様へご相談をする必要が出来ましたが、宮廷魔法士であられるお方。
そちらに手紙を届ければ今日中に目に入れてくれるでしょう。
あと、必要とするならば。
「…ということで、アサヒ。この時間は、今日から訓練にあてましょう」
「訓練?」
「ええ、昨日みたいなことがあった時のための、訓練です」
「タイラーとやんの?」
「そうですね……」
アサヒを鍛える必要がありますが、私が手ほどきするとなると、些か不安があるのは事実。
体術は問題ありません。
ですが、三属性の魔力を攻撃魔法として教えるとなると私だけでは足りない。
『大丈夫、おはぎが訓練する』
「おはぎさんが?」
「え?おはぎがやんの?」
『ん』
おはぎさんが、自信ありげに頷きますが、おはぎさんが?
アサヒもびっくりしていますね。
この老いた私ですら躊躇しているくらいです。
もふもふの可愛いおはぎさん相手ではより躊躇せざるを得ないでしょう。
『コレ使う!』
おはぎさんは、木の枝を一本取りだすと、器用に地面に向けて大きく数回振りました。
するとどうでしょう、アサヒと同じくらいの土人形が5人出来上がったではありませんか。
おはぎさんは、可愛いだけでなく随分と色々と知識や経験をお持ちのようです。
もしかすると、私よりずっと長生きなのかもしれません。
「ああ、いいですね、素晴らしいです!では、おはぎさん、頼みますね」
『任せて。大丈夫。アサヒ、裏番長、もともと強いし、耐性もある!魔法合わせたらもっと強くなれる!』
「ぬあっ!?」
アサヒが焦ったように叫びました。
どうやら、思わぬ素質があるようです。
「なるほど…裏番長っていうのは、そういうスキルなのですか」
「えー…そんなの、俺のスキルにあったの?」
「異世界でしかわからないスキルもあるのですよ。特に気にはしていませんでしたが…良いスキルですね、アサヒ」
「それ、他の奴にいわないで、タイラー」
恥ずかしそうに顔を赤くして、アサヒはため息を一つつきました。
夕方には猫型の妖精であるケットシーを眷属に据えて“おはぎ”と名付けただけでなく、昨夜の侵入者をあっさりと捉える腕を持っていたのですから。
この細い体格からは想像できませんが、見た目に反して、かなり動けるようです。
「え?…嘘だろ?」
「いいえ、本当のことです」
「マジで?」
「ええ、マジでございます」
アサヒがものすごく驚いた顔でびっくりしていますが、末永くオリバー様とご一緒にあられるためには、嘘偽りなくお伝えする必要があるでしょう。
オリバー様は姿かたちは本当に素晴らしく、ご立派で、男性的な美しさをお持ちです。
身体も日々の生活によって鍛えられております。
ですが、昔から喧嘩や戦闘などの力は、神様に取られてしまったのではと疑うほどに、てんでございません。
そう、争いに弱いのは口だけではないのです。
オリバー様は子爵と言えども貴族ですから、剣も一応習っておいでです。
ですが、もちろん剣で戦うことはおろか、殴る蹴るどころか、攻撃を避けることすら、これっぽっちもセンスがありません。
攻撃魔法も出来ません。
「は?え、だって、あのタッパと腹筋と腕でからっきしって、信じらんねえんだけど」
「あの身体は鉢植えで鍛えられたものです」
「嘘だろ?」
「本当です」
「けどさ、蔓くらい使えるだろ?初めてでも俺にだって出来たんだから」
「いいえ…オリバー様はとても植物に好かれるたちでして」
「ああ、まあ、俺から見てもすげー好かれてると思う」
「ですから、蔓を出されても、絡まるのはオリバー様です」
「…なるほど」
想像できないでしょうが事実でございますし、今更隠すことでもありません。
寧ろ、隠して今後危険な目に合われるよりよっぽどマシってものです。
アサヒの良いところは、目の前にいるオリバー様自身を見ていることです。
けして、理想を追うことや想像を押し付けることをしない。
外見が他の全ての理想を底上げしてしまっているオリバー様ですが、オリバー様が得意とするのは本当に薬や植物に関してだけなのです。
一点が突き抜けているだけなのですが、外見が理想の王子様のようであられるオリバー様は、完璧を求められることが多かった。
人に言わせると、欠点だと言われるたくさんのものをお持ちです。
それを知っても、アサヒは驚きだけのようです。
良かったですね、オリバー様。
アサヒのお心はオリバー様から離れることはないようですよ。
「なので、出来ればアサヒが自分の身だけでなく、オリバー様も守れるといいのですが。
アサヒは、実際、どれほど動けますか?」
「え?うーん…どうだろ?」
「昨夜はかなり手際が良いように見えましたが」
「あー、あれはおはぎのフォローがあったからで」
「おはぎさんが?」
意外な手助けがあったようです。
ケットシーであるおはぎさんは、猫型の妖精。
妖精は、幸運をもたらす存在だとは言われていますが、これと言って何ができるかなどは知られておりません。
ですが、裏庭のあの小さな魔法陣、あれは……。
「うっかり口塞ぐのを忘れて、魔法使われそうになっちまって。
そしたら、おはぎがどっからか葉っぱをだして塞いでくれたんだ。
オリバーもタイラーもソフィアだって魔法使う時呪文?なんか唱えたりとかしないじゃん?
言ったとしてさ、ソフィアの、はい、とか、それっ、とかそんなんだし。
俺もそれに倣ったから、すっかり忘れてて」
確かに私もソフィアもオリバー様も普段から魔法を使いますが、無詠唱です。
そしてそれに教わるアサヒも無詠唱でしたね、そういえば。
てのひらから水を出したり草木や土に魔力を分けたりしていますが、特別疑問には思いませんでした。
「おはぎさんと言えば、ちょっと確かめたいことがるので呼んでもらえますか?」
「え?おはぎに?…そういや、どこ行ったんだろ」
「アサヒが呼べば来ますよ」
眷属とはそういう存在。
主が呼べば、それに応えるのが性でございます。
「?…おはぎーどこー?」
『なーに、アサヒ』
案の定どこからともなくおはぎさんはアサヒの傍に現れました。
可愛い見た目ですし、言葉も声も、子供のような、拙い話し方です。
「タイラーが確かめたいことがあるんだって」
『ん。何?』
「裏門の横にある小さな魔法陣は、おはぎさんが書いたものですか?」
『ん、そう。あそこから昨日来た。あそこだけ穴が空いてたから塞いだ』
「そうですか、ありがとうございます」
やはり、あの小さな魔法陣は、守りのものだったのですね。
可愛らしい足跡がいくつか並び、見たことない文様が刻まれておりました。
妖精が魔法陣まで操れるとは。
『でも、あんまり持たない。それに、空きそうなところ他にもある。
上書きするか、作り変えたほうがいい。じゃないとまた変なの来る』
「やはり…そうですか。
侯爵様に相談しましょう。因みに、あの魔法陣はどのくらい持ちますか?」
『3日くらい』
「わかりました」
早急に侯爵様へご相談をする必要が出来ましたが、宮廷魔法士であられるお方。
そちらに手紙を届ければ今日中に目に入れてくれるでしょう。
あと、必要とするならば。
「…ということで、アサヒ。この時間は、今日から訓練にあてましょう」
「訓練?」
「ええ、昨日みたいなことがあった時のための、訓練です」
「タイラーとやんの?」
「そうですね……」
アサヒを鍛える必要がありますが、私が手ほどきするとなると、些か不安があるのは事実。
体術は問題ありません。
ですが、三属性の魔力を攻撃魔法として教えるとなると私だけでは足りない。
『大丈夫、おはぎが訓練する』
「おはぎさんが?」
「え?おはぎがやんの?」
『ん』
おはぎさんが、自信ありげに頷きますが、おはぎさんが?
アサヒもびっくりしていますね。
この老いた私ですら躊躇しているくらいです。
もふもふの可愛いおはぎさん相手ではより躊躇せざるを得ないでしょう。
『コレ使う!』
おはぎさんは、木の枝を一本取りだすと、器用に地面に向けて大きく数回振りました。
するとどうでしょう、アサヒと同じくらいの土人形が5人出来上がったではありませんか。
おはぎさんは、可愛いだけでなく随分と色々と知識や経験をお持ちのようです。
もしかすると、私よりずっと長生きなのかもしれません。
「ああ、いいですね、素晴らしいです!では、おはぎさん、頼みますね」
『任せて。大丈夫。アサヒ、裏番長、もともと強いし、耐性もある!魔法合わせたらもっと強くなれる!』
「ぬあっ!?」
アサヒが焦ったように叫びました。
どうやら、思わぬ素質があるようです。
「なるほど…裏番長っていうのは、そういうスキルなのですか」
「えー…そんなの、俺のスキルにあったの?」
「異世界でしかわからないスキルもあるのですよ。特に気にはしていませんでしたが…良いスキルですね、アサヒ」
「それ、他の奴にいわないで、タイラー」
恥ずかしそうに顔を赤くして、アサヒはため息を一つつきました。
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