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本編
-61- 熟れた苺**
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唇を軽く食むようなキスを落とし、目元に、頬に、こめかみにと触れるだけのキスを落としてくる。
それ以上口づけを深くすることなく、乱れた髪を整えるように何度も髪を梳かれた。
はっきり言って、セックス中にこんなことされたことが過去になかったから、おさまりが悪いっていうか…どうしたらいいかわからなくなる。
この年だし、今まで何度もセックスしておいて何言ってんだって感じに思われるかもしれない。
自分だってそう思うくらいだ。
けど、めちゃくちゃ初心者じみてるが、本当になんで?って思うようなことばっかなんだから仕方ねーじゃん。
もちろん、嫌じゃない。
こんなに大切に扱われて、嫌なわけない。
すげー嬉しい。
けど、こんなふうに大事に扱われるほどの人間かって言われると、首をかしげてしまう自分がいる。
「もうへーきだから…続き、しよう」
息が落ちついてきたから自ら口にする。
じゃないと、ほっといたらまだこうやってるんじゃねえのかと思ったからだ。
オリバーを見ると本当に愛しそうなとろけるような笑みを浮かべてた。
そんな顔をされると、たまらなくなる。
もし、こいつに他に好きな人が出来たとしても、俺はきっと今までと同じように、別れることなんて出来ない。
こんな、出会って4日しか経ってないのに、そう思っちまうくらいに、俺はオリバーのことが好きだ。
そんなことになったらきっと気が狂うと思う。
そりゃ、前だってその前だって、多少続いた奴に限って言ったら、俺なりに好きだったはずだ。
けど、今なら思うけど、向こうにとっては都合のいい相手だったのかもしれない。
ちょっと美人で、エロくて、誘えばほいほいついてきて、やれる相手。
都合が悪くなったら、みんな俺の前から離れていった。
見てくれだけだったのは、そういうのしか選んでこなかった俺にも責任はある。
“元の世界で恵まれた環境にはいなかった”
“不憫な環境であるはず”
ルーカスの言葉なんて今思い出すことじゃねえのに急に頭に響いた。
俺は恵まれた環境にいたはずだ、他人から見たら。
富裕層の両親の間に生まれて、不自由することなく育ったはずだ。
仕事でもこの年で年収1000万に届いていたし、気の置けない友人もいた。
けど…けど、こんなふうに自分を大切にして、愛してくれる人はいなかった。
「待たせてごめん…」
「謝らないでください。……って、駄目ですよ」
オリバーの綺麗にそそり立つ中心に手を伸ばすと、笑いながらその手を取ってくる。
「今あなたに触られたら、暴発します」
「余裕あるくせに」
「余裕なんて全然ありませんよ。あなたにそう見せたいだけで。
それより、ここを、許してくれるのでしょう?」
そう言って、尻穴の窄みに指をはわせてくる。風呂で洗うと同時にだいぶ解してきたから、そこまで時間をかけずとも出来るはずだ。
「ん…最後まで」
「ええ」
オリバーがサイドライトの下に置いてあった小さなガラス瓶を手にする。綺麗な異国のガラス瓶みたいな、元の世界で目にした水タバコを手に収まるくらいにまで小さくしたような、装飾のある高そうな瓶だった。
薬瓶や普通のポーションとは違う。
オリバーが瓶の蓋を開けて、そして眉を顰める。
「どうした?」
「香りがついてます」
瓶の口を俺の顔の近くに持ってくる。
ふんわりと甘く上品な花の香りがする。
薔薇じゃなくて、蘭のような香りだ。
香りは控えめで、香水のようなきつさではなく、ごく自然な香りに感じる。
「すげー良い匂いだけど?」
「あなたの香りの邪魔になります」
「………」
あなたの香りって……、や、待て。
俺は今までオリバーの言う、甘い香りがする云々は、単なる誉め言葉であって、俺の体臭は普通だと思いこんでいたが、もしかしてなんか違うのか?
オリバーだってウッディーアンバーな香りを放つくらいだ。
「お前のいう俺の香りって、普通の奴と違うのか?」
「神器様は、所有者に良い香りがするそうですよ」
「どんな?」
「アサヒに限って言えば、熟れた苺のような甘い香りです」
「いちご…似合わねー」
「そんなことはありません。可愛らしいアサヒには良く似合ってますよ」
俺を可愛らしいとか言うのは、オリバーだけだ。
そんなこと、大人になってから言われたこともない。
可愛くない、可愛げがない、と言われたことなら幾度となくあるが。
にしても、よりによって、熟したいちご。
めちゃくちゃ可愛い匂いを体から放ってるらしい。
いくらオリバーに言われても、俺には似合わないと思う。
や、けど、苺はオリバーが好きなはずだ。
嫌いな香りでなくてよかったじゃねえか。
他人にとっていい香りでも、それが自分にとっていい香りとは限らないってのはよくあることだもんな。
「でも、そうですね……物は良いはずですし、アサヒが嫌いな香りでないならこれを使いましょう。
お尻こちらへ向けてください。腕の力は抜いて…そうです、腰、もう少し上げましょうか」
言われるがままに、オリバーを背に跨いで、足を開いて四つん這いになり、枕に腕から胸にかけて預ける。
促されてとらされた格好は、めちゃくちゃ羞恥心を煽るものだったけど、これからの期待もあった。
解したらそのまま突っ込んでくれるんだろうか?
そう思っていると、そろりと尻を撫でられ、次の瞬間柔らかく滑りのある温かなもので尻穴を刺激される。
それが、オリバーの舌だとわかるまでに少しだけ時間を要した。
それ以上口づけを深くすることなく、乱れた髪を整えるように何度も髪を梳かれた。
はっきり言って、セックス中にこんなことされたことが過去になかったから、おさまりが悪いっていうか…どうしたらいいかわからなくなる。
この年だし、今まで何度もセックスしておいて何言ってんだって感じに思われるかもしれない。
自分だってそう思うくらいだ。
けど、めちゃくちゃ初心者じみてるが、本当になんで?って思うようなことばっかなんだから仕方ねーじゃん。
もちろん、嫌じゃない。
こんなに大切に扱われて、嫌なわけない。
すげー嬉しい。
けど、こんなふうに大事に扱われるほどの人間かって言われると、首をかしげてしまう自分がいる。
「もうへーきだから…続き、しよう」
息が落ちついてきたから自ら口にする。
じゃないと、ほっといたらまだこうやってるんじゃねえのかと思ったからだ。
オリバーを見ると本当に愛しそうなとろけるような笑みを浮かべてた。
そんな顔をされると、たまらなくなる。
もし、こいつに他に好きな人が出来たとしても、俺はきっと今までと同じように、別れることなんて出来ない。
こんな、出会って4日しか経ってないのに、そう思っちまうくらいに、俺はオリバーのことが好きだ。
そんなことになったらきっと気が狂うと思う。
そりゃ、前だってその前だって、多少続いた奴に限って言ったら、俺なりに好きだったはずだ。
けど、今なら思うけど、向こうにとっては都合のいい相手だったのかもしれない。
ちょっと美人で、エロくて、誘えばほいほいついてきて、やれる相手。
都合が悪くなったら、みんな俺の前から離れていった。
見てくれだけだったのは、そういうのしか選んでこなかった俺にも責任はある。
“元の世界で恵まれた環境にはいなかった”
“不憫な環境であるはず”
ルーカスの言葉なんて今思い出すことじゃねえのに急に頭に響いた。
俺は恵まれた環境にいたはずだ、他人から見たら。
富裕層の両親の間に生まれて、不自由することなく育ったはずだ。
仕事でもこの年で年収1000万に届いていたし、気の置けない友人もいた。
けど…けど、こんなふうに自分を大切にして、愛してくれる人はいなかった。
「待たせてごめん…」
「謝らないでください。……って、駄目ですよ」
オリバーの綺麗にそそり立つ中心に手を伸ばすと、笑いながらその手を取ってくる。
「今あなたに触られたら、暴発します」
「余裕あるくせに」
「余裕なんて全然ありませんよ。あなたにそう見せたいだけで。
それより、ここを、許してくれるのでしょう?」
そう言って、尻穴の窄みに指をはわせてくる。風呂で洗うと同時にだいぶ解してきたから、そこまで時間をかけずとも出来るはずだ。
「ん…最後まで」
「ええ」
オリバーがサイドライトの下に置いてあった小さなガラス瓶を手にする。綺麗な異国のガラス瓶みたいな、元の世界で目にした水タバコを手に収まるくらいにまで小さくしたような、装飾のある高そうな瓶だった。
薬瓶や普通のポーションとは違う。
オリバーが瓶の蓋を開けて、そして眉を顰める。
「どうした?」
「香りがついてます」
瓶の口を俺の顔の近くに持ってくる。
ふんわりと甘く上品な花の香りがする。
薔薇じゃなくて、蘭のような香りだ。
香りは控えめで、香水のようなきつさではなく、ごく自然な香りに感じる。
「すげー良い匂いだけど?」
「あなたの香りの邪魔になります」
「………」
あなたの香りって……、や、待て。
俺は今までオリバーの言う、甘い香りがする云々は、単なる誉め言葉であって、俺の体臭は普通だと思いこんでいたが、もしかしてなんか違うのか?
オリバーだってウッディーアンバーな香りを放つくらいだ。
「お前のいう俺の香りって、普通の奴と違うのか?」
「神器様は、所有者に良い香りがするそうですよ」
「どんな?」
「アサヒに限って言えば、熟れた苺のような甘い香りです」
「いちご…似合わねー」
「そんなことはありません。可愛らしいアサヒには良く似合ってますよ」
俺を可愛らしいとか言うのは、オリバーだけだ。
そんなこと、大人になってから言われたこともない。
可愛くない、可愛げがない、と言われたことなら幾度となくあるが。
にしても、よりによって、熟したいちご。
めちゃくちゃ可愛い匂いを体から放ってるらしい。
いくらオリバーに言われても、俺には似合わないと思う。
や、けど、苺はオリバーが好きなはずだ。
嫌いな香りでなくてよかったじゃねえか。
他人にとっていい香りでも、それが自分にとっていい香りとは限らないってのはよくあることだもんな。
「でも、そうですね……物は良いはずですし、アサヒが嫌いな香りでないならこれを使いましょう。
お尻こちらへ向けてください。腕の力は抜いて…そうです、腰、もう少し上げましょうか」
言われるがままに、オリバーを背に跨いで、足を開いて四つん這いになり、枕に腕から胸にかけて預ける。
促されてとらされた格好は、めちゃくちゃ羞恥心を煽るものだったけど、これからの期待もあった。
解したらそのまま突っ込んでくれるんだろうか?
そう思っていると、そろりと尻を撫でられ、次の瞬間柔らかく滑りのある温かなもので尻穴を刺激される。
それが、オリバーの舌だとわかるまでに少しだけ時間を要した。
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