45 / 51
第二章 青玉
十六話
しおりを挟む
「これから、船長達は、忙しくなるから邪魔にならないよう部屋に戻っていよう。そして、降りる準備だ」
先生がそう言って割り当てられた部屋に戻ってきたけど、乗ってから荷解きなんてせずにいたから、このまま荷物を持って降りればいいだけなので、降りれるようになるまでベッドに腰掛けてることにする。
「ねぇ、先生、天からの使者がケガをしてるって言っていたけど、天界の住人って、不死身じゃないの?なんか特別な力で、ケガとかしなさそうだし、したとしても治癒魔法で直ぐに治しちゃいそうなのに、そうじゃないの?」
「まぁ、不死のものは多いな、しかし、だからといってケガをしないというわけではないし、確かに、通常であれば治癒魔法というか、再生力があるから治るのも早いが、多分、あの者にケガを負わせたのはクーリィだと思うぞ」
「え?父さんが?なんで?」
「なんでって、突然こんなことに巻き込まれたからだろうね。しかも、大事な一人娘に試練を与えるなんて勝手に決められたから、怒ったのだろう」
「怒る?父さんが?」
「クーリィに怒られたことはないかい?」
「怒られたことはないと思います。ただ、危ないからって注意はされるけど、怒るのとは違いますよね?」
「そうだね。じゃぁ、フーは、クーリィが怒ったところを見たことがないんだね」
「はい。母さんに怒られてるところは見たことあるけど•••」
「ハハハ、それは、まぁね。多くの家庭でみられる光景だね。クーリィは、怒るととても怖いんだよ。そして、強いんだ」
「怖い?父さんが?それは分からないけど、強いのは知ってるよ。森に住む大きな獣にも負けないし、力持ちだから、大きな石とかも運べるもん」
「そうだね。そんなふうに強いから、天界の住人にもケガを負わせられるんだよ」
「父さんが、そんなことしたのなら、あの使者は悪い使者なの?」
「良い、悪いという言い方はあまりしない方が良いよ。物事は、色々な見方があって、その時の状況や立場によってどちらになるかわからないからね。今、自分にとってどうなのかと考えないとね」
「えーと、じゃぁ、あの使者は味方なの?」
「フーはどう思う?」
「父さんがケガを負わせたのなら、父さんと戦ったってことでしょ?んー、味方じゃない?でも、逃げる準備はしてないから、敵というわけでもない?わかんないよぉ。どっちなの?」
「それでいい、今はまだ味方とも敵とも言えないんだよ。だから、会って話をしなくてはね。そして、あの者が言ったことを全て信じてはいけないと思いながら話を聞くようにするんだよ」
「う~~?なにそれ?よくわからないよぉ?」
「そうだな。取り敢えず、直接あの者に何か聞かれたら、直ぐに返事はせずに、ちょっと考えて理解が出来るまで、説明してもらうようにすればいいよ」
「•••はい、そうします」
先生は、どうすれば良いのか教えてくれないんだ。
先生がそう言って割り当てられた部屋に戻ってきたけど、乗ってから荷解きなんてせずにいたから、このまま荷物を持って降りればいいだけなので、降りれるようになるまでベッドに腰掛けてることにする。
「ねぇ、先生、天からの使者がケガをしてるって言っていたけど、天界の住人って、不死身じゃないの?なんか特別な力で、ケガとかしなさそうだし、したとしても治癒魔法で直ぐに治しちゃいそうなのに、そうじゃないの?」
「まぁ、不死のものは多いな、しかし、だからといってケガをしないというわけではないし、確かに、通常であれば治癒魔法というか、再生力があるから治るのも早いが、多分、あの者にケガを負わせたのはクーリィだと思うぞ」
「え?父さんが?なんで?」
「なんでって、突然こんなことに巻き込まれたからだろうね。しかも、大事な一人娘に試練を与えるなんて勝手に決められたから、怒ったのだろう」
「怒る?父さんが?」
「クーリィに怒られたことはないかい?」
「怒られたことはないと思います。ただ、危ないからって注意はされるけど、怒るのとは違いますよね?」
「そうだね。じゃぁ、フーは、クーリィが怒ったところを見たことがないんだね」
「はい。母さんに怒られてるところは見たことあるけど•••」
「ハハハ、それは、まぁね。多くの家庭でみられる光景だね。クーリィは、怒るととても怖いんだよ。そして、強いんだ」
「怖い?父さんが?それは分からないけど、強いのは知ってるよ。森に住む大きな獣にも負けないし、力持ちだから、大きな石とかも運べるもん」
「そうだね。そんなふうに強いから、天界の住人にもケガを負わせられるんだよ」
「父さんが、そんなことしたのなら、あの使者は悪い使者なの?」
「良い、悪いという言い方はあまりしない方が良いよ。物事は、色々な見方があって、その時の状況や立場によってどちらになるかわからないからね。今、自分にとってどうなのかと考えないとね」
「えーと、じゃぁ、あの使者は味方なの?」
「フーはどう思う?」
「父さんがケガを負わせたのなら、父さんと戦ったってことでしょ?んー、味方じゃない?でも、逃げる準備はしてないから、敵というわけでもない?わかんないよぉ。どっちなの?」
「それでいい、今はまだ味方とも敵とも言えないんだよ。だから、会って話をしなくてはね。そして、あの者が言ったことを全て信じてはいけないと思いながら話を聞くようにするんだよ」
「う~~?なにそれ?よくわからないよぉ?」
「そうだな。取り敢えず、直接あの者に何か聞かれたら、直ぐに返事はせずに、ちょっと考えて理解が出来るまで、説明してもらうようにすればいいよ」
「•••はい、そうします」
先生は、どうすれば良いのか教えてくれないんだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔王メーカー
壱元
ファンタジー
その少女は『魔王』になるべくして創られたーー
辺境の地のごく普通の農民夫婦の間に生まれた、黄金の目と髪を持つ美少女。
魔法、語学、創造力に長けた神童は、無知な村人達に「悪魔」と呼ばれて恐れられ、迫害を受けるようになる。
大切な人にも見捨てられ、全てを失った彼女は村を脱し、自由を得る。しかし、その代償は大きかった。彼女はその無垢な心に傷を負い、ある人物との接触をきっかけに、その力を世界への復讐に用いるようになっていく...。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる