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5話 圧倒的なパワー
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マルグロの目の前には鑑定スキルで把握している統率者がいる。
名前をオークグランドキングというモンスターであった。
<オークグランドキングとは伝説級の危険なモンスターとされています。普通のオークキングが沢山の街を滅ぼすなら、グランドキングは王国を無数に滅ぼす事が可能とされます。さきほどからこちらを窺っている女性は聖女騎士団と呼ばれる者の所属であり、この世界の現地人です。仲良くしておいたほうがいいでしょう、おっとこちらに来ますね>
「ああ、了解した。というかあの2人の老人は何をしているんだか、それにしても速い足だな」
その時には隣に聖女騎士団らしく銀色の鎧を身に纏った少女がいた。
その少女はきっとどこからどう見ても美少女なのだろう。
マルグロ老人は彼女の事をこう見ていた。
【それにしても、こんな若い少女が戦うとはこの世界も苦難に満ち溢れておるのう】
それがマルグロの心の中であった。
生粋の老人魂であったのだから。
孫くらいの少女を見て、この世界の現状を憂う状態のマルグロであった。
「そこの少年、オークグランドキングは危険よ、老人2人を連れて逃げなさい」
「とはいってものう、後ろには村があるわけでしてのう」
「ここはわたしに任せて」
「見た所、お主はわしより弱いぞ」
「な、なぜそう思うのですか、まさか鑑定を使ったのでは」
「鑑定を使うまでも無いよ、わしは、長い時間を生きてきた。その人物が精神的に強いのか、肉体的に強いのか分析出来るぐらいの眼力は持っているつもりじゃて」
マルグロはもともと多種多様な職業についてきた。
その中で一番シビアだったのが自衛隊という職業であった。
老齢になってくると、後輩を沢山持つ事になる。
その後輩を分析するのを何度も繰り返していると。
いつしか自分より強いのか、弱いのか、それとも精神的に弱いのか、肉体的に弱いのか、そういった分析するだけの眼力を持つ事になった。
「確かに、肉体的には圧倒的な強さを持っているのだろう。それが聖女騎士団というやつなのだろうから、だがお主の力ではこのオークグランドキングを倒せない、そしてわしでもな」
マルグロはオークグランドキングの力量も測っていた。
鑑定スキルだけでは把握できない事であった。
主に鑑定はスキルや名前やその他もろもろを示すが、そいつがどれくらい強いかを示しているわけではない。
レベルという概念がないのだから、致し方ないだろう。
それでもどんな敵でも敵が強いと認識する事ができるのは素晴らしい事なのだ。
「ならどうやってそのオークグランドキングを倒すのよ」
「後ろの2人の爺だよ、彼ら一応神だから」
「はい、なに意味のわからない」
「それまでにしてちょうだいお嬢ちゃん、このあ・た・く・しが掃除してくれるわ」
「はん、カマやろうがミーミルと契約したわしに適わぬ強さは無い」
先程まで後ろで地面に座って空を見ていた2人の老人が、よっこらせと立ち上がる。
マルグロは2人の神様たちを尊敬の眼差しではなく残念な眼差しで見ていた。
ディアヌはぎょっとした表情をしながら老人2名を見ていた。
「ただの爺さんでしょ」
「そう見えるかもしれないね」
マルグロはたんたんと呟いていた。
「それでも彼らは神様達なのだよ」
ゼウスはお姉さん歩きをしながら歩き、オーディンはグングニルの槍を杖代わりにして歩く。
2人の老人はオークグランドキングの目の前に到着した。
オークグランドキングは2人の老人を見てくつくつと笑っている。
「このオークはあたくし達を見て笑っているわ、とてつもなくお上品じゃないわね」
「あたくし達じゃなくてゼウスだけを見て笑っておるのじゃ」
「オーディンの事を見てはんと笑っているわよ、おほほ」
「それは目の錯覚じゃ」
「それこそ目の錯覚じゃない? お姉さんの事をバカにする人なんていないわよ」
「そもそもこやつは人じゃない」
「そこからの突っ込みはいらないわよオーディンのクソ爺」
「わしはクソを漏らしたことがない」
「そういうことじゃないわよ、もういいわ、一撃で決めるわよ」
「たりめーよ」
ゼウスはサンダーボンバーのハンマーを振り上げる。
オーディンはグングニルの槍を構える。
それが起きた時。その場には焦土と貸した地形しか残っていなかった。
オーク達がやってきた森は一瞬にして塵となり、オークグランドキングは足だけを残して足から上の部位が消滅していた。
ディアヌはがたがたと歯を鳴らしながら、マルグロは笑い声を上げながら。
ゼウスとオーディンは何食わぬ顔で戻ってくる。
「あ、あ、あなたたちは何者なのですか」
ディアヌ・リーブスの思わぬ叫び声に。マルグロはただ答える。
「異世界人」
「オカマ神様」
「賢い神様」
そうマルグロ達は呟いていた。
ディアヌはあまりの出来事に気を失ってしまったのだ。
「このお城ちゃんはとてもめんどくさい人ですのう」
「マルグロが世話しなくちゃいけないわよ、見たところこのお嬢ちゃんはあんたに惚れてるわ」
「人はそう簡単に惚れるものではなかろう、このカマやろうが」
「ちょっとオーディンには色々と学んでほしいですわね」
「そもそも神様がオカマってどういうことじゃ」
「しかたないじゃない、ヘラからの呪いだし」
「まぁ妻を大事にしないから悪い」
「オーディンだって人のこと言えないじゃない」
「それは、面目ない」
マルグロがゼウスとオーディンの痴話喧嘩を眺めながら。
気絶しているディアヌを背負った。
まぁ鑑定して名前だけは把握していたわけだが。
「まずは村に行くぞ」
2人の老人はぷんすか怒っていたのであった。
名前をオークグランドキングというモンスターであった。
<オークグランドキングとは伝説級の危険なモンスターとされています。普通のオークキングが沢山の街を滅ぼすなら、グランドキングは王国を無数に滅ぼす事が可能とされます。さきほどからこちらを窺っている女性は聖女騎士団と呼ばれる者の所属であり、この世界の現地人です。仲良くしておいたほうがいいでしょう、おっとこちらに来ますね>
「ああ、了解した。というかあの2人の老人は何をしているんだか、それにしても速い足だな」
その時には隣に聖女騎士団らしく銀色の鎧を身に纏った少女がいた。
その少女はきっとどこからどう見ても美少女なのだろう。
マルグロ老人は彼女の事をこう見ていた。
【それにしても、こんな若い少女が戦うとはこの世界も苦難に満ち溢れておるのう】
それがマルグロの心の中であった。
生粋の老人魂であったのだから。
孫くらいの少女を見て、この世界の現状を憂う状態のマルグロであった。
「そこの少年、オークグランドキングは危険よ、老人2人を連れて逃げなさい」
「とはいってものう、後ろには村があるわけでしてのう」
「ここはわたしに任せて」
「見た所、お主はわしより弱いぞ」
「な、なぜそう思うのですか、まさか鑑定を使ったのでは」
「鑑定を使うまでも無いよ、わしは、長い時間を生きてきた。その人物が精神的に強いのか、肉体的に強いのか分析出来るぐらいの眼力は持っているつもりじゃて」
マルグロはもともと多種多様な職業についてきた。
その中で一番シビアだったのが自衛隊という職業であった。
老齢になってくると、後輩を沢山持つ事になる。
その後輩を分析するのを何度も繰り返していると。
いつしか自分より強いのか、弱いのか、それとも精神的に弱いのか、肉体的に弱いのか、そういった分析するだけの眼力を持つ事になった。
「確かに、肉体的には圧倒的な強さを持っているのだろう。それが聖女騎士団というやつなのだろうから、だがお主の力ではこのオークグランドキングを倒せない、そしてわしでもな」
マルグロはオークグランドキングの力量も測っていた。
鑑定スキルだけでは把握できない事であった。
主に鑑定はスキルや名前やその他もろもろを示すが、そいつがどれくらい強いかを示しているわけではない。
レベルという概念がないのだから、致し方ないだろう。
それでもどんな敵でも敵が強いと認識する事ができるのは素晴らしい事なのだ。
「ならどうやってそのオークグランドキングを倒すのよ」
「後ろの2人の爺だよ、彼ら一応神だから」
「はい、なに意味のわからない」
「それまでにしてちょうだいお嬢ちゃん、このあ・た・く・しが掃除してくれるわ」
「はん、カマやろうがミーミルと契約したわしに適わぬ強さは無い」
先程まで後ろで地面に座って空を見ていた2人の老人が、よっこらせと立ち上がる。
マルグロは2人の神様たちを尊敬の眼差しではなく残念な眼差しで見ていた。
ディアヌはぎょっとした表情をしながら老人2名を見ていた。
「ただの爺さんでしょ」
「そう見えるかもしれないね」
マルグロはたんたんと呟いていた。
「それでも彼らは神様達なのだよ」
ゼウスはお姉さん歩きをしながら歩き、オーディンはグングニルの槍を杖代わりにして歩く。
2人の老人はオークグランドキングの目の前に到着した。
オークグランドキングは2人の老人を見てくつくつと笑っている。
「このオークはあたくし達を見て笑っているわ、とてつもなくお上品じゃないわね」
「あたくし達じゃなくてゼウスだけを見て笑っておるのじゃ」
「オーディンの事を見てはんと笑っているわよ、おほほ」
「それは目の錯覚じゃ」
「それこそ目の錯覚じゃない? お姉さんの事をバカにする人なんていないわよ」
「そもそもこやつは人じゃない」
「そこからの突っ込みはいらないわよオーディンのクソ爺」
「わしはクソを漏らしたことがない」
「そういうことじゃないわよ、もういいわ、一撃で決めるわよ」
「たりめーよ」
ゼウスはサンダーボンバーのハンマーを振り上げる。
オーディンはグングニルの槍を構える。
それが起きた時。その場には焦土と貸した地形しか残っていなかった。
オーク達がやってきた森は一瞬にして塵となり、オークグランドキングは足だけを残して足から上の部位が消滅していた。
ディアヌはがたがたと歯を鳴らしながら、マルグロは笑い声を上げながら。
ゼウスとオーディンは何食わぬ顔で戻ってくる。
「あ、あ、あなたたちは何者なのですか」
ディアヌ・リーブスの思わぬ叫び声に。マルグロはただ答える。
「異世界人」
「オカマ神様」
「賢い神様」
そうマルグロ達は呟いていた。
ディアヌはあまりの出来事に気を失ってしまったのだ。
「このお城ちゃんはとてもめんどくさい人ですのう」
「マルグロが世話しなくちゃいけないわよ、見たところこのお嬢ちゃんはあんたに惚れてるわ」
「人はそう簡単に惚れるものではなかろう、このカマやろうが」
「ちょっとオーディンには色々と学んでほしいですわね」
「そもそも神様がオカマってどういうことじゃ」
「しかたないじゃない、ヘラからの呪いだし」
「まぁ妻を大事にしないから悪い」
「オーディンだって人のこと言えないじゃない」
「それは、面目ない」
マルグロがゼウスとオーディンの痴話喧嘩を眺めながら。
気絶しているディアヌを背負った。
まぁ鑑定して名前だけは把握していたわけだが。
「まずは村に行くぞ」
2人の老人はぷんすか怒っていたのであった。
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