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敵襲じゃー【4】
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「──それじゃダーク、済まないがリーシャと子供たちは数日拉致という事で。
丁重にもてなすから安心しろ」
「当たり前ですよ」
2日後、私とルーシー+4匹の子猿たちは、お義父様とモリーと一緒にポルタポルタ町へ出発する事になった。……何故かグエンさんもいる。
「……何でグエンさんが? 流石にダークと一緒で休み取れないでしょうに」
と不思議に思って聞いたところ、
「やだなぁ僕とルーシーは新婚ですよ?
離ればなれで数日とかもう命に関わりますから。
それにヒラの一団員ですから、多少の融通は利くのです。今までまともに有給を取ってなかったですし。
男手もあると何かと便利ですし」
とニコニコとルーシーの隣の席に座ってご機嫌である。便利ですし、じゃねえわ。
数日で命に関わってたまるかい。
そんなこと言うたら船乗りの妻はみんな未亡人じゃ。
流石にウチの馬車には子供たち含めて総勢7名は無理だったので、お義父様の馬車にカイルとブレナンを乗せてもらう事にした。
「リーシャたちが何日もいないなんて、俺のメンタルヘルスはどうなるんだ……」
ダークが深刻な顔で嘆いていたが、一応騎士団のトップなのだし、残念だけど仕方がない。
遊んでばかりのトップというのは部下が付いてこないものである。
「ダーリン頑張ってね。お土産沢山買って帰るから!」
私は馬車から手を振った。
「いや、みんなが元気に帰って来てくれればそれだけで充分だ。リーシャ、早く戻って来てくれ」
お義父様の馬車から手を振るカイルやブレナンにも手を振りつつ、切実な様子のダークは相変わらず無駄に輝く美貌で目がしぱしぱする。
「分かってるわよ。浮気しないでねー」
「バッ、する訳ないだろう!」
本気で怒り出す前に「冗談よ、愛してるー!」と大声で叫んで投げキスを送った。
顔を赤くしながらも「俺もだーっ!」手を振る旦那様はやっぱり私のイチオシである。
窓を閉めて座り直すと、真ん前のルーシーが呆れたような眼差しで私を見ていた。隣を見ると、アナとクロエは恥ずかしそうである。
「……リーシャ様。もう結婚されて何年目でございますか?」
「えーと、13年目になるかしらね?」
「旦那様はまあモテなかったそうなので仕方ないとしても、リーシャ様は未だに私がストーカーを潰すほどモテモテなのです。
町に出ると『リーシャさんが離婚をしたら即日プロポーズする!』と狙っている男性が引きも切らずという傾国の美貌の淑女でございますよ?」
「まあ。こんな子持ちの年増にとは奇特な方もいたものね。残念ながら絶対離婚しないけど。
……ダークは誰にも渡さないわよ?」
「旦那様にほぼ需要はございませんわ。
ですからいい加減もっとこう、近寄りがたい気高さとか、厳かな気品ですとかですね、そういうのに目覚めても良いのではと。
女神の美貌の安売りはよろしくありませんわ」
私はまた始まったかと足を伸ばした。
「えー、でもダークがいればいいんだもの私。
ダークが悲しむような真似はしたくないわよ」
いきなりそんなツンケンした態度に変わったら、ダークがやっぱり俺との結婚を後悔してとか泣いちゃいそうだし、私に気高さとか気品など存在した記憶はない。
「アナもクロエも母様は今のまんまの方がいいわよねー?」
隣の子供たちに聞いてみると、
「母様は今のまんまでいいと思うよ。今更だし」
「クロエもジークと母様たちみたいにずっと仲良しでいたいなー♪」
「……母様はむしろクロエとジークともっと仲良しになる前にどうにかしたいものだけど、こればかりはどうしようもないものね……っとと」
小声で本音が洩れるが、クロエたちには聞こえなかったようで何よりだ。
「ねえところで、ポルタポルタ町は何が名産なのルーシー?」
海はそれほど近くないし海産物は無理よねえ。
あったとしても列車通ってないし傷むわ。
「乳製品と肉ですかしら?」
「あー、美味しいんだってねポルタポルタのチーズとか。あとハムも有名みたいだよ、ほら。
ウチも買ってこうよ」
グエンさんが頷いて小さなガイドブックを開いて見せてくれた。
「……新婚旅行継続中なのかしらねぇルーシー?
まあお熱い事で。ほほほほほ」
私はルーシーを見て微笑んだ。
「……グエンの事は、臨時の荷物持ちのバイトとでも思っていて下さればと。誠に申し訳ございません。
わたくしはきつく仕事だからと申したのですが、さっさと休みをまた取って来ていたのです」
「愛する妻の仕事を陰ながらサポートするのが夫としての僕の役目です。シャインベック夫人なら分かって頂けるかと」
「まあ、そうですわね」
ダークがいないのにラブラブアピールされるのはたまったもんじゃないが、ルーシーが何だかんだ言っても幸せそうだからいいか。
ルーシーの丸め込みと塩対応にびくともしないグエンさんも強者だ。
「チーズね……ピザとグラタンとフォンデュ用に沢山買って帰りましょうか。好きだものね子供たちみんな」
「わーいトーストもー!」
「チーズケーキ用にもー!」
よし、君らはカメラのモデルとして私の代わりに頑張ってくれたまえ。賄賂がチーズなら安いものさ。
わははははは。
内心で勝利の高笑いを上げながら、私たちを乗せた馬車は、のんびりと進んでいくのであった。
丁重にもてなすから安心しろ」
「当たり前ですよ」
2日後、私とルーシー+4匹の子猿たちは、お義父様とモリーと一緒にポルタポルタ町へ出発する事になった。……何故かグエンさんもいる。
「……何でグエンさんが? 流石にダークと一緒で休み取れないでしょうに」
と不思議に思って聞いたところ、
「やだなぁ僕とルーシーは新婚ですよ?
離ればなれで数日とかもう命に関わりますから。
それにヒラの一団員ですから、多少の融通は利くのです。今までまともに有給を取ってなかったですし。
男手もあると何かと便利ですし」
とニコニコとルーシーの隣の席に座ってご機嫌である。便利ですし、じゃねえわ。
数日で命に関わってたまるかい。
そんなこと言うたら船乗りの妻はみんな未亡人じゃ。
流石にウチの馬車には子供たち含めて総勢7名は無理だったので、お義父様の馬車にカイルとブレナンを乗せてもらう事にした。
「リーシャたちが何日もいないなんて、俺のメンタルヘルスはどうなるんだ……」
ダークが深刻な顔で嘆いていたが、一応騎士団のトップなのだし、残念だけど仕方がない。
遊んでばかりのトップというのは部下が付いてこないものである。
「ダーリン頑張ってね。お土産沢山買って帰るから!」
私は馬車から手を振った。
「いや、みんなが元気に帰って来てくれればそれだけで充分だ。リーシャ、早く戻って来てくれ」
お義父様の馬車から手を振るカイルやブレナンにも手を振りつつ、切実な様子のダークは相変わらず無駄に輝く美貌で目がしぱしぱする。
「分かってるわよ。浮気しないでねー」
「バッ、する訳ないだろう!」
本気で怒り出す前に「冗談よ、愛してるー!」と大声で叫んで投げキスを送った。
顔を赤くしながらも「俺もだーっ!」手を振る旦那様はやっぱり私のイチオシである。
窓を閉めて座り直すと、真ん前のルーシーが呆れたような眼差しで私を見ていた。隣を見ると、アナとクロエは恥ずかしそうである。
「……リーシャ様。もう結婚されて何年目でございますか?」
「えーと、13年目になるかしらね?」
「旦那様はまあモテなかったそうなので仕方ないとしても、リーシャ様は未だに私がストーカーを潰すほどモテモテなのです。
町に出ると『リーシャさんが離婚をしたら即日プロポーズする!』と狙っている男性が引きも切らずという傾国の美貌の淑女でございますよ?」
「まあ。こんな子持ちの年増にとは奇特な方もいたものね。残念ながら絶対離婚しないけど。
……ダークは誰にも渡さないわよ?」
「旦那様にほぼ需要はございませんわ。
ですからいい加減もっとこう、近寄りがたい気高さとか、厳かな気品ですとかですね、そういうのに目覚めても良いのではと。
女神の美貌の安売りはよろしくありませんわ」
私はまた始まったかと足を伸ばした。
「えー、でもダークがいればいいんだもの私。
ダークが悲しむような真似はしたくないわよ」
いきなりそんなツンケンした態度に変わったら、ダークがやっぱり俺との結婚を後悔してとか泣いちゃいそうだし、私に気高さとか気品など存在した記憶はない。
「アナもクロエも母様は今のまんまの方がいいわよねー?」
隣の子供たちに聞いてみると、
「母様は今のまんまでいいと思うよ。今更だし」
「クロエもジークと母様たちみたいにずっと仲良しでいたいなー♪」
「……母様はむしろクロエとジークともっと仲良しになる前にどうにかしたいものだけど、こればかりはどうしようもないものね……っとと」
小声で本音が洩れるが、クロエたちには聞こえなかったようで何よりだ。
「ねえところで、ポルタポルタ町は何が名産なのルーシー?」
海はそれほど近くないし海産物は無理よねえ。
あったとしても列車通ってないし傷むわ。
「乳製品と肉ですかしら?」
「あー、美味しいんだってねポルタポルタのチーズとか。あとハムも有名みたいだよ、ほら。
ウチも買ってこうよ」
グエンさんが頷いて小さなガイドブックを開いて見せてくれた。
「……新婚旅行継続中なのかしらねぇルーシー?
まあお熱い事で。ほほほほほ」
私はルーシーを見て微笑んだ。
「……グエンの事は、臨時の荷物持ちのバイトとでも思っていて下さればと。誠に申し訳ございません。
わたくしはきつく仕事だからと申したのですが、さっさと休みをまた取って来ていたのです」
「愛する妻の仕事を陰ながらサポートするのが夫としての僕の役目です。シャインベック夫人なら分かって頂けるかと」
「まあ、そうですわね」
ダークがいないのにラブラブアピールされるのはたまったもんじゃないが、ルーシーが何だかんだ言っても幸せそうだからいいか。
ルーシーの丸め込みと塩対応にびくともしないグエンさんも強者だ。
「チーズね……ピザとグラタンとフォンデュ用に沢山買って帰りましょうか。好きだものね子供たちみんな」
「わーいトーストもー!」
「チーズケーキ用にもー!」
よし、君らはカメラのモデルとして私の代わりに頑張ってくれたまえ。賄賂がチーズなら安いものさ。
わははははは。
内心で勝利の高笑いを上げながら、私たちを乗せた馬車は、のんびりと進んでいくのであった。
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