170 / 256
リーシャご隠居モード。
しおりを挟む
私は連日忙しく、そして汗だくであった。
真冬も近いと言うのにである。
泣き落としされ、子供たちにオタ芸のダンスを教え、この国にはないアップテンポな曲の代わりに、アレックに小太鼓を持たせてリズミカルに
『たん、たん、たたたん、たんっ!』
などと叩かせている。
流石にピアノやヴァイオリンではこのダンスと少々合わないからだ。ノリというのは大切なファクターである。
カイルたちは最初、あまりにハードな動き(これでもかなり子供向けにイージーモードにした)に戸惑っていたが、何といっても子供と言うのは順応性が高い。
そして運動神経が発達途上である。
日々の練習にも次第に楽々ついてこられるようになり、ぶっちゃけダンススキルは師匠である私をとっくに越えている。
レイモンド王子など、初日には「剣の鍛練以外でこんなに激しい運動は初めてですリーシャおばさま」と泣きを入れてたクセに、今では棒を一番上手く回せるようになっている。
組みダンスは、個人プレイではなく連携プレイが大事なので、5人が同タイミングで棒を回し、わざと少しずつずらしたタイミングでしゃがませるなど、覚えてる限りの見映えの良い動きを詰め込んだ。
だが、私は前世では動画サイトではまって見ていただけの人間である。
当然ながら、知識はあっても筋力がゴミレベル。毎日が筋肉痛である。
仕事も小説なら何とか書けるが、マンガとなるとペンを持つ手が震える。
いかに今世でも筋肉を自由に放牧させていたかを実感する。
ルーシーも、私がダンスの指導までしなくてはならなくなった時点で予想がついたのか、マンガの方は取材旅行の名目でお休みにしてくれていた。
しかし、BL本の取材旅行って何だ。
どこへ取材に行くんだとライラも絶対に思っているに違いない。
少しは定期的に身体を動かす事もアラサーには大切だわ、とここ数週間で身をもって知った。
そして情けない話だが、筋肉痛に悶える私をダークが毎晩マッサージしてくれる。
「外で仕事をして疲れてる人にそんな事させたらバチが当たるから止めて」
と何度も断ったが、
「最近は事務仕事が多いし、そんな大変じゃないぞ。俺もなまった身体を筋トレしてるようなものだから気にするな」
と絶妙な力加減で凝りを解してくれる。
ウチのダークが人外の美貌で妻思いな上にマッサージ上手とか、ハイスペック過ぎて私ごときが旦那様にしていいレベルではないと思うのだが、未だに彼が不細工扱いなのは変わらないので、申し訳ないが大切に懐にナイナイさせて頂こうと思う。
いや、身体を解してくれるのはいいのだ。大変有り難い。
マッサージを終えてベッドに横になると、腕枕をしつつ背後から抱き締められて眠るのがいつものパターン。
そして時々、いや始終、ダークのムスコさんがどうにも凝り性のようで、そちらを解さないと眠れない流れが日常化しているところが問題である。
「ダーク、私はイベント終わるまでスケジュールぎっしりなのよ。分かる?」
「うん。大変だよな」
すりすり。
「だから体力温存で行きたいの。分かる?」
「そうだな。健康第一だし」
「頭を撫でなくていいわよ、気持ちいいけど。………なら、分かるでしょ?もっと控え目にして欲しいのよ」
「1回だけにしてる。月の障りがある時はマッサージするだけだ」
「………そうね。言われてみれば」
不順気味な私は、腰痛と貧血が酷くなるので、ダークは追加で腰を重点的にマッサージしてくれる。
「あの腰のマッサージをしてもらうようになってから随分楽になったわー」
「それは良かった。マッサージは大事だろう?」
「そうよねほんと」
「だから、俺の健康の為にもムスコの凝りは解さないといけないと思う」
「………最近はっきりモノを言うようになったわねダークも」
「俺が変わったのはリーシャの影響らしいとヒューイやルーシーに言われた。
そして夫婦というのは助け合い労り合うモノだと思う」
「ダークそんなに変わったかしら?
でもそうね……持ちつ持たれつって言うものね」
「そうだ。だから解し解されという事だろう?」
私の寝間着と下着をするりと脱がせたダークが、さりげなく自分の下着も脱いでいる。
「という訳で、愛する奥さん、これからも末永く宜しくお願いします」
「解し解されの使い方が違う気もするけれど、私も愛してるわダーリン。明日もあるから優しくしてね」
「………っ、ウチの奥さんはどうしてこうえげつないレベルで可愛いんだろうか………」
「毎日筋肉痛でのたうち回ってる女をよくそんな風に思えるわね」
「そんなとこも可愛い」
結婚してから薄々気づいていたが、ウチの旦那様は、ストライクゾーンが広すぎる。
そして毎夜流されているうちに、あっという間に時は過ぎ、もう2日後には感謝祭になっていた。
真冬も近いと言うのにである。
泣き落としされ、子供たちにオタ芸のダンスを教え、この国にはないアップテンポな曲の代わりに、アレックに小太鼓を持たせてリズミカルに
『たん、たん、たたたん、たんっ!』
などと叩かせている。
流石にピアノやヴァイオリンではこのダンスと少々合わないからだ。ノリというのは大切なファクターである。
カイルたちは最初、あまりにハードな動き(これでもかなり子供向けにイージーモードにした)に戸惑っていたが、何といっても子供と言うのは順応性が高い。
そして運動神経が発達途上である。
日々の練習にも次第に楽々ついてこられるようになり、ぶっちゃけダンススキルは師匠である私をとっくに越えている。
レイモンド王子など、初日には「剣の鍛練以外でこんなに激しい運動は初めてですリーシャおばさま」と泣きを入れてたクセに、今では棒を一番上手く回せるようになっている。
組みダンスは、個人プレイではなく連携プレイが大事なので、5人が同タイミングで棒を回し、わざと少しずつずらしたタイミングでしゃがませるなど、覚えてる限りの見映えの良い動きを詰め込んだ。
だが、私は前世では動画サイトではまって見ていただけの人間である。
当然ながら、知識はあっても筋力がゴミレベル。毎日が筋肉痛である。
仕事も小説なら何とか書けるが、マンガとなるとペンを持つ手が震える。
いかに今世でも筋肉を自由に放牧させていたかを実感する。
ルーシーも、私がダンスの指導までしなくてはならなくなった時点で予想がついたのか、マンガの方は取材旅行の名目でお休みにしてくれていた。
しかし、BL本の取材旅行って何だ。
どこへ取材に行くんだとライラも絶対に思っているに違いない。
少しは定期的に身体を動かす事もアラサーには大切だわ、とここ数週間で身をもって知った。
そして情けない話だが、筋肉痛に悶える私をダークが毎晩マッサージしてくれる。
「外で仕事をして疲れてる人にそんな事させたらバチが当たるから止めて」
と何度も断ったが、
「最近は事務仕事が多いし、そんな大変じゃないぞ。俺もなまった身体を筋トレしてるようなものだから気にするな」
と絶妙な力加減で凝りを解してくれる。
ウチのダークが人外の美貌で妻思いな上にマッサージ上手とか、ハイスペック過ぎて私ごときが旦那様にしていいレベルではないと思うのだが、未だに彼が不細工扱いなのは変わらないので、申し訳ないが大切に懐にナイナイさせて頂こうと思う。
いや、身体を解してくれるのはいいのだ。大変有り難い。
マッサージを終えてベッドに横になると、腕枕をしつつ背後から抱き締められて眠るのがいつものパターン。
そして時々、いや始終、ダークのムスコさんがどうにも凝り性のようで、そちらを解さないと眠れない流れが日常化しているところが問題である。
「ダーク、私はイベント終わるまでスケジュールぎっしりなのよ。分かる?」
「うん。大変だよな」
すりすり。
「だから体力温存で行きたいの。分かる?」
「そうだな。健康第一だし」
「頭を撫でなくていいわよ、気持ちいいけど。………なら、分かるでしょ?もっと控え目にして欲しいのよ」
「1回だけにしてる。月の障りがある時はマッサージするだけだ」
「………そうね。言われてみれば」
不順気味な私は、腰痛と貧血が酷くなるので、ダークは追加で腰を重点的にマッサージしてくれる。
「あの腰のマッサージをしてもらうようになってから随分楽になったわー」
「それは良かった。マッサージは大事だろう?」
「そうよねほんと」
「だから、俺の健康の為にもムスコの凝りは解さないといけないと思う」
「………最近はっきりモノを言うようになったわねダークも」
「俺が変わったのはリーシャの影響らしいとヒューイやルーシーに言われた。
そして夫婦というのは助け合い労り合うモノだと思う」
「ダークそんなに変わったかしら?
でもそうね……持ちつ持たれつって言うものね」
「そうだ。だから解し解されという事だろう?」
私の寝間着と下着をするりと脱がせたダークが、さりげなく自分の下着も脱いでいる。
「という訳で、愛する奥さん、これからも末永く宜しくお願いします」
「解し解されの使い方が違う気もするけれど、私も愛してるわダーリン。明日もあるから優しくしてね」
「………っ、ウチの奥さんはどうしてこうえげつないレベルで可愛いんだろうか………」
「毎日筋肉痛でのたうち回ってる女をよくそんな風に思えるわね」
「そんなとこも可愛い」
結婚してから薄々気づいていたが、ウチの旦那様は、ストライクゾーンが広すぎる。
そして毎夜流されているうちに、あっという間に時は過ぎ、もう2日後には感謝祭になっていた。
32
あなたにおすすめの小説
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
転生からの魔法失敗で、1000年後に転移かつ獣人逆ハーレムは盛りすぎだと思います!
ゴルゴンゾーラ三国
恋愛
異世界転生をするものの、物語の様に分かりやすい活躍もなく、のんびりとスローライフを楽しんでいた主人公・マレーゼ。しかしある日、転移魔法を失敗してしまい、見知らぬ土地へと飛ばされてしまう。
全く知らない土地に慌てる彼女だったが、そこはかつて転生後に生きていた時代から1000年も後の世界であり、さらには自身が生きていた頃の文明は既に滅んでいるということを知る。
そして、実は転移魔法だけではなく、1000年後の世界で『嫁』として召喚された事実が判明し、召喚した相手たちと婚姻関係を結ぶこととなる。
人懐っこく明るい蛇獣人に、かつての文明に入れ込む兎獣人、なかなか心を開いてくれない狐獣人、そして本物の狼のような狼獣人。この時代では『モテない』と言われているらしい四人組は、マレーゼからしたらとてつもない美形たちだった。
1000年前に戻れないことを諦めつつも、1000年後のこの時代で新たに生きることを決めるマレーゼ。
異世界転生&転移に巻き込まれたマレーゼが、1000年後の世界でスローライフを送ります!
【この作品は逆ハーレムものとなっております。最終的に一人に絞られるのではなく、四人同時に結ばれますのでご注意ください】
【この作品は『小説家になろう』『カクヨム』『Pixiv』にも掲載しています】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる