浮気αと絶許Ω~裏切りに激怒したオメガの復讐~

飴雨あめ

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第1章

第72話《シマちゃんの第二次審査のパートナー》

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まぁ、シマちゃんが何を考えているのか底が知れないのはいつもの事か。


「それで、お願いってなにかな?」
「あ、えっとね、まぁ単刀直入に言うと僕とに一緒に第二次審査に出てもらいたいんだよねぇ。」

「え。」

なんてことないようにサラッと衝撃の頼み事をしてくるシマちゃんに、一瞬時が止まった。

(俺が、第二次審査に出る…だって…??)


「…え…な、…なんで??」
「だって、ほら…ついさっきクソルールの後付け追加のせいでエキストラに対しての疑似プロポーズが不利になっちゃったでしょ?だから、僕も急遽、本当に告白出来る人と組みたいなって思ったんだ♪」

「それが、俺ってこと…??」


本当に告白できる相手って…気持ちはとても嬉しいけどΩ同士だし、そもそもお互いに恋愛感情は一切ないはずだ。


「うん!あ。でもでも、恋愛的な交際をしてくださいって言う意味じゃなくて、ただ単に大親友になってくださいっていう可愛らしい告白ね♪加点の条件については、別に恋愛関連の告白じゃないといけないって決まりは無いからそこは安心して?すずめちゃんにはちゃんとヤバ…鷹崎君というカッコいい彼氏がいる事は分かってるから!」

「あ、ああ、うん。そだね…。」


正直、(なーんだ、そういう事かー!)とは全くもってならない。

昨日出会ったばかりなのに、もう親友通り越して大親友…?等々ツッコみたい所も山々だし、ミスターコンでバチバチにメイクした状態の俺を観客に褒められた直後に地味な素顔を晒すのもなんとなく気まずいし、何より総一郎が会場にいたら一発で俺の居場所がバレてしまうのがネックだ…。

だからといって折角の友達の頼みを断りたくもないしで、俺がどうしたものかと頭をフル稼働させながら唸っていると、シマちゃんは何かを閃いたように「あ!」と、手をポンと叩く。


「もしかしたらヤバ崎君がこの会場にいるかどうか心配してる?さっきしつこく追いかけられてたもんね?それだったら大丈夫だよ!僕に考えがあるんだ♪」

「え?考え…?」

まるで、俺の頭の中を見透かしているかのように畳みかけてぐいぐい迫ってくるシマちゃんに慄きつつも、続きを促す。


「そう!実はついさっき、司会と丁重にお話合いをして僕の出番をひなちゃんの直後にしてもらったんだよね。それでもしひなちゃんの指名の時にヤバ崎君が会場に居たら、その時はすずめちゃんの事は素直に諦めるつもり。僕が今お願いしてるのはヤバ崎君が会場にいなかったらの話なんだけど…それでも駄目、かな……?」


シマちゃんが両手を合わせてお願い!と、言った風に頭を下げてくる。


(うーん、確かにそういう事なら、総一郎に追われる事に関しては心配しなくて良さそうだな…。)

残る懸念は、俺のすっぴんが公衆の面前に晒される事によって炎上する事なんだけど、もしそうなったらそうなったで良い具合にシマちゃんの引き立て役になれそうだし、勝利のためを思えばメリットになりそうだ。

総一郎が会場にいない事を確認したうえで、友達の助けにもなれて、それがひなへの復讐の一環にもなるのなら俺に断る理由もないか。


「うん、それなら協力したいかな。」
「え!本当?!やったぁ♬♪それじゃぁよろしくね!約束だよ?」

俺の返答にシマちゃんは目をキラキラさせながら嬉しそうに飛び上がった。そして、俺の手を両手でぶんぶんと振ってから、「じゃぁ、もしひなちゃんの審査の時に彼がいなかったらよろしくね~!」と言って鼻歌を歌ってスキップをしながらお手洗いの方向へ去っていった。


(ふふ、あそこまで喜んでくれるなら引き受けてよかったな。…さぁ、俺も客席に戻ろう。今はエントリーナンバー6番の人が審査中だから、そろそろひなの出番のはずだ。)



◇◇◇



俺が再度周りを警戒しながらこっそりと客席に戻ると、隣の席のつばめが顎の下で指を組んでニヤニヤしながらこちらをみつめてきた。

「ふっふっふ…。」
「な、なに…?どうしたの?」

「いや、これはもしかしたら、すずめちゃんの晴れ舞台をまた見れるのかなぁって。お兄ちゃん
、死ぬほど悔しがるだろうなぁw」
「また、そんな大げさな…。」


妹のジョークに呆れながらもゆったりと席に着くと、丁度司会がマイクを通してエントリーナンバー6番の審査終了のアナウンスを告げる。


「以上、エントリーナンバー6番、六浦雲雀さんのプロポーズでした!」

会場からまた淡々とした大きな拍手が聞こえてくるところを見ると、この人もプロポーズの方は成功したらしい。


(さて、とうとう次はひなのプロポーズか…。)

今頃、総一郎は流石に俺を追いかけるのは諦めて会場に戻って来ているのだろうか。
今となれば、来てようが来ていまいが、どちらにしてもドキドキするな…。
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