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第1章
第59話《オメコンの出場者入場と観客の反応》
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司会の紹介に合わせて、第一審査のネタバレ防止のためか衣装を隠す大きなマントを羽織ったシマちゃんがステージに淡々と登壇する。
先ほどのミスターコンの出所者紹介の時には普段着で登壇して、第一審査の直前で着替えるという段取りになっていたが、流石にドレスともなると時間がかかりすぎて効率が悪いのだろう。
『なぁなぁ、今自称って言ったか?www』
『自分でこの大学の白百合って名乗れるの強いなww』
『しかも自薦らしいぜwww』
俺の背後のコンテスト直前にひなを称賛していた男性客達が、司会の紹介をネタだと思ったのか噴き出している。
会場全体からもちらほらと嗤い声が聞こえてきて、シマちゃんが今どんな顔をしているのかを見るのが怖い。
(なんだか嫌な感じ…。シマちゃん…傷ついてないといいけど…。)
それにもし、ここでミスターコン第一審査でのひなのようにイラついて不機嫌そうな顔を見せればひなの二の舞になってしまうかもしれない。
しかし、そんな俺の心配は全くの杞憂だったようで、シマちゃんは司会の中傷と観客の嗤い声を全く気にする事なく、ステージに登壇した後は笑顔で観客に投げキッスまでしてみせた。
(わ、すごいなシマちゃん、あまりにもプロだ…。)
どうやら俺の想像以上に勝利への覚悟が違ったみたいだ。
『おっあの子、堂々としてていいじゃん!』
『ここで笑い取れるのポイント高いわ。』
『今の紹介はもしかしたら自分で仕込んだネタだったのかもなwww』
『確かに自薦とかしなくても、十分美人だしな。』
シマちゃんの堂々とした態度に、会場の嗤い声も和やかな歓迎の歓声と拍手に変わり、先ほど司会の紹介に噴き出していた男性客達も、シマちゃんを見直したかのような感嘆の声をあげる。
「ねぇ、なんなの!本当にあの司会ひど過ぎるよ!シマちゃんが強い子で良かったけど!」
つばめは未だに司会者に憤りを感じているようだけども。
いや、気持ちは痛いほど分かるぞ妹よ。
「それでは次、エントリーナンバー2番、ドジっ子でキュートな魅力がチャームポイント!宇久井すいさん~…」
それからというもの、シマちゃんに対してあれだけ散々な紹介をした司会は、何故だか他の出場者には悪意を向ける事もなく、無難に紹介を進めていく。
そして、計6人のステージ登壇が終わり、__最後の出場者の番になる。
(来た…!次が多分ひなだな。)
「さて続いて、最後の出場者になります!この方こそ、立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は《百合の花》と胸を張って言える圧倒的優勝候補…!エントリーナンバー7番、愛野ひな様です!皆様盛大な拍手を…!!」
司会の明らかにテンションの違う紹介に合わせて、メイクをばっちり施したひなが華々しく登場する。
ひなの美貌に観客は大きな歓声と拍手を送るが、中にはちょっとざわざわと、ちょっとしたどよめきが訪れていた。
『うわ、あの子、鷹崎君の番を潰した子じゃん。』
『あ~シマ様が言ってたやつね。』
『性格の悪さが顔に出てるよねぇ。』
『でたwwあれって、さっき空気を読まずにド派手なドレス着て滑ってた子でしょ?』
『あれ結局ネタかどうかも分からずに終わったけど結局どうなん?』
『流石にネタ…って言いたいけど、自分を笑う観客の事をガンつけてたから多分ガチ。』
『草』
どよめきの発生源は主に、シマちゃんが流した噂を知っている人や、ミスターコンでの花嫁姿のひなを知っている観客達の非難の声だ。
中にはブーイングまで発している人もいるが、ここからだとステージまでは届いていないらしく、自分が悪く言われている等、少しも想定していないひなは笑顔で観客に手を振っている。
『ちょっと待ってくれ…。さっきミスターコンでだちょう君と組んでた子はオメコン出てないのかよ。』
『あーすずめちゃん?流石に出るだろ。』
『でも今最後の出場者って言ってたくね?』
『えー…俺もう一回あの子に会えると思ってオメコンまで残ったのに…。』
『ひなって子も美人っちゃ美人だけど…うーん…』
『萎えたわ…。もう二度と会えないんかな…。』
『すずめたんが出ないんじゃ、こりゃ明日は見に来なくていいな。』
そしてもう一つのどよめきは何故か、俺がオメコンに出ていないことに対するものだったらしい。
周囲の観客から、次々と俺の名前が聞こえて一瞬とまどった。
(え、なんで皆俺がオメコン出るって勘違いしてるんだ…?もしかしてミスターコンで一人だけ白無垢を着て出しゃばってたからかな?それにあの時はプロのメイクで盛りに盛ってたってのもあるか……化粧を落としたらこんな平凡なのになぁ…。)
俺はすっぴんの姿の自分を周りにあまり見られたくなくて、無意識にしばらくの間、顔を伏せたのだった。
先ほどのミスターコンの出所者紹介の時には普段着で登壇して、第一審査の直前で着替えるという段取りになっていたが、流石にドレスともなると時間がかかりすぎて効率が悪いのだろう。
『なぁなぁ、今自称って言ったか?www』
『自分でこの大学の白百合って名乗れるの強いなww』
『しかも自薦らしいぜwww』
俺の背後のコンテスト直前にひなを称賛していた男性客達が、司会の紹介をネタだと思ったのか噴き出している。
会場全体からもちらほらと嗤い声が聞こえてきて、シマちゃんが今どんな顔をしているのかを見るのが怖い。
(なんだか嫌な感じ…。シマちゃん…傷ついてないといいけど…。)
それにもし、ここでミスターコン第一審査でのひなのようにイラついて不機嫌そうな顔を見せればひなの二の舞になってしまうかもしれない。
しかし、そんな俺の心配は全くの杞憂だったようで、シマちゃんは司会の中傷と観客の嗤い声を全く気にする事なく、ステージに登壇した後は笑顔で観客に投げキッスまでしてみせた。
(わ、すごいなシマちゃん、あまりにもプロだ…。)
どうやら俺の想像以上に勝利への覚悟が違ったみたいだ。
『おっあの子、堂々としてていいじゃん!』
『ここで笑い取れるのポイント高いわ。』
『今の紹介はもしかしたら自分で仕込んだネタだったのかもなwww』
『確かに自薦とかしなくても、十分美人だしな。』
シマちゃんの堂々とした態度に、会場の嗤い声も和やかな歓迎の歓声と拍手に変わり、先ほど司会の紹介に噴き出していた男性客達も、シマちゃんを見直したかのような感嘆の声をあげる。
「ねぇ、なんなの!本当にあの司会ひど過ぎるよ!シマちゃんが強い子で良かったけど!」
つばめは未だに司会者に憤りを感じているようだけども。
いや、気持ちは痛いほど分かるぞ妹よ。
「それでは次、エントリーナンバー2番、ドジっ子でキュートな魅力がチャームポイント!宇久井すいさん~…」
それからというもの、シマちゃんに対してあれだけ散々な紹介をした司会は、何故だか他の出場者には悪意を向ける事もなく、無難に紹介を進めていく。
そして、計6人のステージ登壇が終わり、__最後の出場者の番になる。
(来た…!次が多分ひなだな。)
「さて続いて、最後の出場者になります!この方こそ、立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は《百合の花》と胸を張って言える圧倒的優勝候補…!エントリーナンバー7番、愛野ひな様です!皆様盛大な拍手を…!!」
司会の明らかにテンションの違う紹介に合わせて、メイクをばっちり施したひなが華々しく登場する。
ひなの美貌に観客は大きな歓声と拍手を送るが、中にはちょっとざわざわと、ちょっとしたどよめきが訪れていた。
『うわ、あの子、鷹崎君の番を潰した子じゃん。』
『あ~シマ様が言ってたやつね。』
『性格の悪さが顔に出てるよねぇ。』
『でたwwあれって、さっき空気を読まずにド派手なドレス着て滑ってた子でしょ?』
『あれ結局ネタかどうかも分からずに終わったけど結局どうなん?』
『流石にネタ…って言いたいけど、自分を笑う観客の事をガンつけてたから多分ガチ。』
『草』
どよめきの発生源は主に、シマちゃんが流した噂を知っている人や、ミスターコンでの花嫁姿のひなを知っている観客達の非難の声だ。
中にはブーイングまで発している人もいるが、ここからだとステージまでは届いていないらしく、自分が悪く言われている等、少しも想定していないひなは笑顔で観客に手を振っている。
『ちょっと待ってくれ…。さっきミスターコンでだちょう君と組んでた子はオメコン出てないのかよ。』
『あーすずめちゃん?流石に出るだろ。』
『でも今最後の出場者って言ってたくね?』
『えー…俺もう一回あの子に会えると思ってオメコンまで残ったのに…。』
『ひなって子も美人っちゃ美人だけど…うーん…』
『萎えたわ…。もう二度と会えないんかな…。』
『すずめたんが出ないんじゃ、こりゃ明日は見に来なくていいな。』
そしてもう一つのどよめきは何故か、俺がオメコンに出ていないことに対するものだったらしい。
周囲の観客から、次々と俺の名前が聞こえて一瞬とまどった。
(え、なんで皆俺がオメコン出るって勘違いしてるんだ…?もしかしてミスターコンで一人だけ白無垢を着て出しゃばってたからかな?それにあの時はプロのメイクで盛りに盛ってたってのもあるか……化粧を落としたらこんな平凡なのになぁ…。)
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