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第1章
第21話《WINWINな関係》
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世間一般のβ男性に好かれるのが相田君のようなタイプだとしたら、逆に一番嫌われるタイプは気取っている上に完璧すぎる鷹崎総一郎のようなαだ。
(まずは初動が一番肝心だな。)
つまるところ、最初の自己アピールタイムで、『どうにかして総一郎というヴィランを蹴落として、相田君というヒーローを優勝させたい』という感情を、βの男性客達に芽生えさせればいいのだ。
ミスターコンテストもオメコン同様、観客一人ひとりが出場者全員の得点を10点満点で記入し、総合点で順位を決めるので、
【鷹崎総一郎0点、相田長介10点】
の票を多くする事で総一郎を優勝台から引きずりおろせる。
逆に相田君は妹を落としたくらいだし、別に女性からも極端に嫌われるタイプではないので、
【相田長介0点、鷹崎総一郎10点】
の票は意外と入らないと思われる。
幸いコンテストは2日間に渡って行われる。
明日は第一次審査、第二次審査、明後日が最終審査&結果発表だ。
万が一明日男性客が少なくて、思うような結果が出なかったとしても明後日の最終審査で巻き返せばいい。
コンテスト会場に男性が少なかったとしても、文化祭自体にはごまんといるので噂が広まるのも早いだろう。
相田君は優勝する事で妹や兄に妹の恋人としての覚悟を示せるし、それによって総一郎が優勝台に立てなくなることで俺はとても嬉しくなる。
俺たちはお互いWINWINな関係な訳だ。
そうと決まったら協力しないわけには行かないな。
「よし、わかった!俺、君とランウェイ歩くよ。もうドレスでもなんでも着る!その代わり、俺も君のコンテスト優勝に協力させてもらえないかな?」
「おお!もちろんです!なんと心強い!!…もし優勝したらもう一人の義兄さんも俺の事認めてくれるっすかね?」
「うん!認めるんじゃない?」
うちの兄は、相田君がつばめの彼氏ですって言われたらまず真っ青にはなると思うけど、俺と総一郎の仲もすんなり認めてくれたし(騙されてたけど)、誠意を見せれば絶対駄目とは言わない人だ。
「じゃあ、俺は今から文化祭の手伝いに行かなきゃだから、ひとまず連絡先を交換しておこう。」
「そうっすね!!」
とりあえず情報収集の目的は果たしたわけだから、最低限の礼儀として文化祭準備は最後まで手伝っておいたほうがいい。
相田君とは別行動にはなるけど、別にコンテストの事はメッセージアプリでやり取りすればいいし。
「でも衣装の方はどうするっすか?俺紋付き袴は持ってるんすけど、白無垢が無いんすよね…。」
(あ、結局、紋付き袴で行くのね…。)
うーん、『タキシード』が審査内容ではあるけど…まぁ堅苦しい審査員もいないし、相田君に高得点を入れるような観客は大抵エンジョイ勢だろうから別にいっか。
「それは大丈夫。確か被服室の奥に衣装保管室があったはずだから、後でそこに借りに行ってみるよ。無かったらレンタル衣装屋で借りるし。」
衣装保管室とは毎年文化祭の演劇やコンテスト等のために作られた衣装を、次の文化祭でも使いまわせるようにずっと保管しておくための部屋だ。
割とマイナーな衣装まで幅広く貸し出してくれるらしいので、もしかしたら白無垢もあるかもしれない。
「お、そっすか?何から何までお世話になるっす!あ、そうだ!お礼に明日から俺と仲間が出店するたこ焼き屋の引換券あげるっす!!」
「え、いいの?」
「もちろんっす!良かったら何かに役立ててください!!」
「うわー!ありがとう!」
相田君はカバンを漁って、既にしわくちゃのたこやき引き換え券を3枚手渡してくる。
(何かに役立ててくださいってたこやきに変える以外にないと思うけど、ふふ、嬉しいな。)
3枚くれたって事は残りはうちの兄と妹の分かな?どうせ明日どこかで合流するだろうし、その時に渡そう。
(相田君、最初はなんだこの変人は…と正直どん引きしてたけど、実際話してみるとすごく良い奴だったな。)
明日のコンテストの計画が良い感じにまとまり、さらにやっと妹を任せられる男に出会えたという二重の喜びで、俺は萎れかけた元気を完全に取り戻したのだった。
(まずは初動が一番肝心だな。)
つまるところ、最初の自己アピールタイムで、『どうにかして総一郎というヴィランを蹴落として、相田君というヒーローを優勝させたい』という感情を、βの男性客達に芽生えさせればいいのだ。
ミスターコンテストもオメコン同様、観客一人ひとりが出場者全員の得点を10点満点で記入し、総合点で順位を決めるので、
【鷹崎総一郎0点、相田長介10点】
の票を多くする事で総一郎を優勝台から引きずりおろせる。
逆に相田君は妹を落としたくらいだし、別に女性からも極端に嫌われるタイプではないので、
【相田長介0点、鷹崎総一郎10点】
の票は意外と入らないと思われる。
幸いコンテストは2日間に渡って行われる。
明日は第一次審査、第二次審査、明後日が最終審査&結果発表だ。
万が一明日男性客が少なくて、思うような結果が出なかったとしても明後日の最終審査で巻き返せばいい。
コンテスト会場に男性が少なかったとしても、文化祭自体にはごまんといるので噂が広まるのも早いだろう。
相田君は優勝する事で妹や兄に妹の恋人としての覚悟を示せるし、それによって総一郎が優勝台に立てなくなることで俺はとても嬉しくなる。
俺たちはお互いWINWINな関係な訳だ。
そうと決まったら協力しないわけには行かないな。
「よし、わかった!俺、君とランウェイ歩くよ。もうドレスでもなんでも着る!その代わり、俺も君のコンテスト優勝に協力させてもらえないかな?」
「おお!もちろんです!なんと心強い!!…もし優勝したらもう一人の義兄さんも俺の事認めてくれるっすかね?」
「うん!認めるんじゃない?」
うちの兄は、相田君がつばめの彼氏ですって言われたらまず真っ青にはなると思うけど、俺と総一郎の仲もすんなり認めてくれたし(騙されてたけど)、誠意を見せれば絶対駄目とは言わない人だ。
「じゃあ、俺は今から文化祭の手伝いに行かなきゃだから、ひとまず連絡先を交換しておこう。」
「そうっすね!!」
とりあえず情報収集の目的は果たしたわけだから、最低限の礼儀として文化祭準備は最後まで手伝っておいたほうがいい。
相田君とは別行動にはなるけど、別にコンテストの事はメッセージアプリでやり取りすればいいし。
「でも衣装の方はどうするっすか?俺紋付き袴は持ってるんすけど、白無垢が無いんすよね…。」
(あ、結局、紋付き袴で行くのね…。)
うーん、『タキシード』が審査内容ではあるけど…まぁ堅苦しい審査員もいないし、相田君に高得点を入れるような観客は大抵エンジョイ勢だろうから別にいっか。
「それは大丈夫。確か被服室の奥に衣装保管室があったはずだから、後でそこに借りに行ってみるよ。無かったらレンタル衣装屋で借りるし。」
衣装保管室とは毎年文化祭の演劇やコンテスト等のために作られた衣装を、次の文化祭でも使いまわせるようにずっと保管しておくための部屋だ。
割とマイナーな衣装まで幅広く貸し出してくれるらしいので、もしかしたら白無垢もあるかもしれない。
「お、そっすか?何から何までお世話になるっす!あ、そうだ!お礼に明日から俺と仲間が出店するたこ焼き屋の引換券あげるっす!!」
「え、いいの?」
「もちろんっす!良かったら何かに役立ててください!!」
「うわー!ありがとう!」
相田君はカバンを漁って、既にしわくちゃのたこやき引き換え券を3枚手渡してくる。
(何かに役立ててくださいってたこやきに変える以外にないと思うけど、ふふ、嬉しいな。)
3枚くれたって事は残りはうちの兄と妹の分かな?どうせ明日どこかで合流するだろうし、その時に渡そう。
(相田君、最初はなんだこの変人は…と正直どん引きしてたけど、実際話してみるとすごく良い奴だったな。)
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