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抱き付いていた真夜がハッとしたように離れて。
「真夜、どうした?」
訝し気に瞳を覗き込むと、何やらニヤニヤとしながら「あっ! そうだ! 時也さんからもメッセージもらったんだ! 見て?」と嬉しそうに笑った。
言って、真夜がスマートフォンを差し出してくる。
そういえば昨日時也さんが真夜に何やら激励のメッセージを送っていたな……と思い出し、受け取ったスマートフォンのディスプレイを覗き込んでみたら――。
『今まで黙っていて悪い……お前らがこのメッセージを読んでいるということは俺は既にこの世に……
残念ながら存在しちまって、お前らには手の届かないバリバリのナンバーワンに君臨していることだろう。愛の試練お疲れさん。二人でタッグ組んでナンバーワン獲りに来い。あと早くマリッジブルーやめろな? 宇大と真夜は俺の大事な可愛い後輩だ。お前らがつるんでねぇと時也さん安心できねぇから。マジで結婚しちまえ♡』
謎の空白が開いた文章と、投げキスをする猫のスタンプに思わず吹き出すと、真夜が可笑しそうにクスクス笑った。
「俺たち本当に結婚しちゃう? 宇大くん」
あまりにも時也さんらしい文章に俺は脱力して……だけど、もう一度力強く真夜をギュッと抱きしめた。
「ああ。それもいいかもな」
背に回って来た真夜の腕の温もりを感じて、心の底から多幸感に包まれた俺は、そのまま盗むように真夜の唇を一瞬だけ掠め取る。
不意打ちのキスにぱちっと目を瞬かせた後で、嬉しそうに笑って胸に頬ずりしてくるから、ハニーベージュの後頭部をわしゃわしゃと掻き混ぜてやったら気持ちよさそうに目を細めた。
「早く新婚生活再開したいね?」
「なぁ、真夜……退院したら、今度こそ指輪見に行ってくれるか? まだ重いか?」
その返事は、真夜から仕掛けられたキスで返ってきた。
(――おかえり、真夜)
「真夜、どうした?」
訝し気に瞳を覗き込むと、何やらニヤニヤとしながら「あっ! そうだ! 時也さんからもメッセージもらったんだ! 見て?」と嬉しそうに笑った。
言って、真夜がスマートフォンを差し出してくる。
そういえば昨日時也さんが真夜に何やら激励のメッセージを送っていたな……と思い出し、受け取ったスマートフォンのディスプレイを覗き込んでみたら――。
『今まで黙っていて悪い……お前らがこのメッセージを読んでいるということは俺は既にこの世に……
残念ながら存在しちまって、お前らには手の届かないバリバリのナンバーワンに君臨していることだろう。愛の試練お疲れさん。二人でタッグ組んでナンバーワン獲りに来い。あと早くマリッジブルーやめろな? 宇大と真夜は俺の大事な可愛い後輩だ。お前らがつるんでねぇと時也さん安心できねぇから。マジで結婚しちまえ♡』
謎の空白が開いた文章と、投げキスをする猫のスタンプに思わず吹き出すと、真夜が可笑しそうにクスクス笑った。
「俺たち本当に結婚しちゃう? 宇大くん」
あまりにも時也さんらしい文章に俺は脱力して……だけど、もう一度力強く真夜をギュッと抱きしめた。
「ああ。それもいいかもな」
背に回って来た真夜の腕の温もりを感じて、心の底から多幸感に包まれた俺は、そのまま盗むように真夜の唇を一瞬だけ掠め取る。
不意打ちのキスにぱちっと目を瞬かせた後で、嬉しそうに笑って胸に頬ずりしてくるから、ハニーベージュの後頭部をわしゃわしゃと掻き混ぜてやったら気持ちよさそうに目を細めた。
「早く新婚生活再開したいね?」
「なぁ、真夜……退院したら、今度こそ指輪見に行ってくれるか? まだ重いか?」
その返事は、真夜から仕掛けられたキスで返ってきた。
(――おかえり、真夜)
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