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 あまつさえ、俺のシャツのボタンを引きちぎるように(実際一個弾け飛んだ)開いて可愛らしい形のいい唇が乳首をねぶり始めるから。

「ちょ! 待て! 待て待て待て! だから身体では付き合えんと言ってるだろうが!」

 ちゅっと小さく音を立てて胸から口を離した真夜まやが吸い込まれそうな黒曜石の瞳をすがめてみせた。

宇大うたくんの男童貞、もーらいっ!」

(待て! 男童貞とは何だ⁉ 俺にもわかる日本語で説明してくれ!)

 とりあえず男童貞について思考がフル稼働していたのも束の間、真夜が俺の下腹をまさぐり始めるからはたと正気に戻る。

 気が付いた時にはスキニージーンズのファスナーが下ろされていて下着の中から俺のご自慢の分身がをしている。

「ちょっ! 真夜! 冗談はよせ!」

「俺、冗談なんて言わないけど?」

 こくりと小首をかしげる様はやはりそんじょそこらの女よりも(こんな行為をしているのに……)清廉せいれんで美しく、それでいて淫らな手付きのギャップに眩暈がする。

 男に握りしめられている手に反応などするはずがないと思っていた俺の息子はどうやら反抗期のようで、真夜の指の中であっという間に形を変えていった。

 それをコイツが何の躊躇ためらいもなく口に含んで見せるから。

「おいっ! ……っ、真夜! よせ!」

 ……と言いつつしっかり先走りを垂らしているのはアフターをしない主義と特定の女もいないのと、元々性的に淡白なせいで自己処理を怠っていた己の責任と言えるだろう。

 何かアイスキャンディーでも舐めるかのように舌を這わせ、血管の浮いた凹凸おうとつを辿り、敏感な先端をえぐられれば吐息が乱れて、マジで発射する五秒前のそれが真夜の口腔内で暴れ馬のように痙攣を始める。

 それより何より――。

 俺のふくらはぎに何か硬いモノが押し付けられている。

(や、野郎の昂った股間が俺のふくらはぎに当たっている! 萎える! これは萎える!)

 ……はずなのに、与えられる巧みな口技こうぎに萎えるどころか真夜の咥内こうないでどくんと質量が増してしまったのは、この場合もしかしたら俺も素質があるのかもしれない。
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