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突然の来訪
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*修二*
雪のとけた裏庭の花壇から、たくさんの水仙やチューリップが芽を出していた。
これから暖かくなるにつれ、母の好きな芍薬や薔薇、その他にも色とりどりの花々が咲き誇るだろう。
雪が降り積もっていたこの庭の、この水仙のそばに不二子は埋葬された。
ここには幼少の頃から二十年の歳月を共にした、スコティッシュテリアのクレアも眠っている。
クレアが死んで、悲しみに沈んでいた我が家にやって来た子犬が、ルパンと不二子だった。
小さな暮石に不二子の首輪が掛けらているのを見て、涙が止めどなくあふれた。
不二子が死んだ時、僕はさほど哀しいとは思わなかった。
抱き上げようとする僕に殺気でも感じたのか、懸命に逃れようとした不二子が許せなくて、思いっきり机に向かって投げつけた。
机の角に体を打ちつけた不二子は ” キャウン! ” と声をあげたけれど、その後はラグの上で静かに休んでいた。
なぜ、あんなことが出来たんだ。
後悔の念に苦しむことは必然だ。
僕が少しは人としての良心を取り戻せたという事なのだろう。
それはひどく哀しみをともなう残酷な回復だった。
不二子のことだけではない。あまりに卑劣で幼稚な僕の数々の忌まわしい記憶。
脳が正常に戻っていくに従って、僕の精神はひどく病んでいくように感じられた。
ふさぎ込んでいく僕を心配してか、有紀ちゃんはテニスに誘うけれど、とてもそんな気持ちになれなかった。
どんよりと長い北海道の冬がやっと終息し、のどかな明るい春がやって来たというのに。
それでも有紀ちゃんの明るいおしゃべりは、暗く哀しい僕の心を癒してくれた。
僕が有紀ちゃんを必要なように、彼女も僕を必要としてくれた。
そのことが今の僕をどんなに勇気づけてくれていることだろう。
出来ることなら早く結婚して一緒になりたいけれど、僕から麗奈に離婚をせまるなんてことはとても出来ない。
もう会うこともないのかも知れない。
顔もみたくないほど憎んでいるのだと思う。
早く役所に届け出ないのはなぜなのだろう。
辛い記憶から逃れるように先週から小説を書きはじめている。書くことに没頭することで苦しみから少し解放された。
ひと段落を書き終え、一階のリビングに降りると、有紀ちゃんが遊びに来ていた。今日は日曜で病院は休みだ。
「なんだ有紀ちゃん来てたんだ。気づかなかったな」
「もう、ニ時間も前から来てましたよ~。書いてる時は邪魔しちゃ悪いと思って」
時計を見ると午後一時を過ぎていた。
「もう、昼ご飯はすませたのかい?」
「パンを買って来たの。お母様が行きつけの美味しいパン屋さんで買って来たのよ。私は先に食べちゃったけど、まだ沢山あるから修二さんも食べて」
ダイニングテーブルの上に置かれていたパン屋の袋から、有紀ちゃんが色々なパンを取り出して並べた。
「ふーん、どれにしようかな? どれも美味しそうだな」
「たくさん食べてくれると嬉しいな。修二さん、ずいぶん痩せちゃったから。なに飲む?」
そう言って有紀ちゃんはキッチンへ向かった。
「じゃあ、カフェオレがいいかな」
カスタードの上に、ブルーベリーがたくさん乗っけられているパイを選んでかじりつく。
ベランダから見える裏庭で、母が水仙の花を切っていた。激やせした母は、この半年ですっかり老け込んでしまった。
母は切った水仙を抱えるほど持って来た。
「わ~~、綺麗!」
有紀ちゃんの感嘆する声。
横長の透明な花瓶に無造作に活けられた水仙の美しさに、不二子の哀しい死を連想した。
やっとの思いでブルーベリーパイを食べ終え、カフェオレで流し込んだ。
「パン、ひとつしか食べないの?」
有紀ちゃんは心配げに僕をみつめると、テーブルに並べたパンを悲しそうに、また袋の中へ戻した。
「ねぇ、ルパンと一緒に散歩にでも行かない? 家にばかりいてもお腹がすかないでしょ」
「そうだな、いい天気だし。ルパン! おいで。散歩に行くよ」
ルパンにリードをつけて玄関に向かうと、
来客を知らせるチャイムが鳴った。
インターホンでやり取りしていた母が、リビングから慌てて出て来た。
誰だろうと思って玄関をあけると、若い女性がうつむいて立っていた。
「麗奈! 」
そのときの驚きをどうやって言い表せばいいだろう。有紀ちゃんは僕以上に驚いたかもしれない。
なんと話しかけていいのかもわからず、ただ呆然と突っ立っていた。
「お久しぶりです。あ、あの、後遺症の方がずいぶん良くなったんですってね。職場にも戻ってるって聞いて……」
「…………。」
「れ、麗奈さん、とにかく中へ入って」
母も動揺を隠せないようすで麗奈にそう言って招いた。
「あ、じゃあ、わ、わたしは、、ルパンを散歩に連れて行きますね」
有紀ちゃんもドギマギしながらそう言うと、僕の手からリードを奪って慌てたようにルパンを連れて出ていった。
あれほど待ち焦がれていた麗奈が目の前にいた。以前より少しふっくらとして見える彼女は、とても幸せそうにみえた。
だけど、彼女の訪問はあまりに遅すぎた。僕の心はすでに有紀ちゃんで完全に占められていた。
麗奈と一緒にリビングのソファーに腰を降ろす。いつまでも無言の僕に麗奈は話しかけて来た。
「ごめんなさい。逃げ出したりして……」
健気にあやまる麗奈に困惑する。
「君があやまることはないよ。100%僕が悪い。いくら病気だったとはいえ、ひどいことばかりした。本当に悪かったよ、許してくれ」
「もう、いいわ。だってちゃんとこうして元に戻ったんですもの」
「あ、麗奈、ぼ、僕はもう……」
「私もう、気にしてないわ。全部許してあげる」
トレイを持った母がテーブルへ三人分の紅茶を置いた。
「麗奈さん、修二がひどいことをしてごめんなさい。新婚だっていうのに何ひとつ幸せなことをしてあげられないで、本当に申し訳なかったって思ってるわ」
母もそう言って深々と頭を下げた。
「正直、私もずいぶん恨みました。何故みんなの意見も聞かないで結婚なんかしてしまったんだろうって、後悔もしました。でも、さっき玄関で修二さんを見たら、すっかり元の修二さんだったから」
そう言って麗奈は僕を愛しむように見つめた。
「ぼ、僕から渡した離婚届の方はどうなったんだい?」
「もう、捨てちゃったわ。さっさと役所に届け出ようと思ってたのよ。でも、妊娠していることに気づいて……」
「えっ! 妊娠!!」
いつもは冷静な母が心底驚いて声をあげた。
「ええ、もう5ヶ月に入ってます。悪阻がひどくって、最近やっとおさまってきたんですよ」
少し恥ずかしそうに麗奈ははにかんだ。
僕の脳裏に浮かんだ笑顔の有紀ちゃんが、どんどん遠ざかっていくのを感じた。
雪のとけた裏庭の花壇から、たくさんの水仙やチューリップが芽を出していた。
これから暖かくなるにつれ、母の好きな芍薬や薔薇、その他にも色とりどりの花々が咲き誇るだろう。
雪が降り積もっていたこの庭の、この水仙のそばに不二子は埋葬された。
ここには幼少の頃から二十年の歳月を共にした、スコティッシュテリアのクレアも眠っている。
クレアが死んで、悲しみに沈んでいた我が家にやって来た子犬が、ルパンと不二子だった。
小さな暮石に不二子の首輪が掛けらているのを見て、涙が止めどなくあふれた。
不二子が死んだ時、僕はさほど哀しいとは思わなかった。
抱き上げようとする僕に殺気でも感じたのか、懸命に逃れようとした不二子が許せなくて、思いっきり机に向かって投げつけた。
机の角に体を打ちつけた不二子は ” キャウン! ” と声をあげたけれど、その後はラグの上で静かに休んでいた。
なぜ、あんなことが出来たんだ。
後悔の念に苦しむことは必然だ。
僕が少しは人としての良心を取り戻せたという事なのだろう。
それはひどく哀しみをともなう残酷な回復だった。
不二子のことだけではない。あまりに卑劣で幼稚な僕の数々の忌まわしい記憶。
脳が正常に戻っていくに従って、僕の精神はひどく病んでいくように感じられた。
ふさぎ込んでいく僕を心配してか、有紀ちゃんはテニスに誘うけれど、とてもそんな気持ちになれなかった。
どんよりと長い北海道の冬がやっと終息し、のどかな明るい春がやって来たというのに。
それでも有紀ちゃんの明るいおしゃべりは、暗く哀しい僕の心を癒してくれた。
僕が有紀ちゃんを必要なように、彼女も僕を必要としてくれた。
そのことが今の僕をどんなに勇気づけてくれていることだろう。
出来ることなら早く結婚して一緒になりたいけれど、僕から麗奈に離婚をせまるなんてことはとても出来ない。
もう会うこともないのかも知れない。
顔もみたくないほど憎んでいるのだと思う。
早く役所に届け出ないのはなぜなのだろう。
辛い記憶から逃れるように先週から小説を書きはじめている。書くことに没頭することで苦しみから少し解放された。
ひと段落を書き終え、一階のリビングに降りると、有紀ちゃんが遊びに来ていた。今日は日曜で病院は休みだ。
「なんだ有紀ちゃん来てたんだ。気づかなかったな」
「もう、ニ時間も前から来てましたよ~。書いてる時は邪魔しちゃ悪いと思って」
時計を見ると午後一時を過ぎていた。
「もう、昼ご飯はすませたのかい?」
「パンを買って来たの。お母様が行きつけの美味しいパン屋さんで買って来たのよ。私は先に食べちゃったけど、まだ沢山あるから修二さんも食べて」
ダイニングテーブルの上に置かれていたパン屋の袋から、有紀ちゃんが色々なパンを取り出して並べた。
「ふーん、どれにしようかな? どれも美味しそうだな」
「たくさん食べてくれると嬉しいな。修二さん、ずいぶん痩せちゃったから。なに飲む?」
そう言って有紀ちゃんはキッチンへ向かった。
「じゃあ、カフェオレがいいかな」
カスタードの上に、ブルーベリーがたくさん乗っけられているパイを選んでかじりつく。
ベランダから見える裏庭で、母が水仙の花を切っていた。激やせした母は、この半年ですっかり老け込んでしまった。
母は切った水仙を抱えるほど持って来た。
「わ~~、綺麗!」
有紀ちゃんの感嘆する声。
横長の透明な花瓶に無造作に活けられた水仙の美しさに、不二子の哀しい死を連想した。
やっとの思いでブルーベリーパイを食べ終え、カフェオレで流し込んだ。
「パン、ひとつしか食べないの?」
有紀ちゃんは心配げに僕をみつめると、テーブルに並べたパンを悲しそうに、また袋の中へ戻した。
「ねぇ、ルパンと一緒に散歩にでも行かない? 家にばかりいてもお腹がすかないでしょ」
「そうだな、いい天気だし。ルパン! おいで。散歩に行くよ」
ルパンにリードをつけて玄関に向かうと、
来客を知らせるチャイムが鳴った。
インターホンでやり取りしていた母が、リビングから慌てて出て来た。
誰だろうと思って玄関をあけると、若い女性がうつむいて立っていた。
「麗奈! 」
そのときの驚きをどうやって言い表せばいいだろう。有紀ちゃんは僕以上に驚いたかもしれない。
なんと話しかけていいのかもわからず、ただ呆然と突っ立っていた。
「お久しぶりです。あ、あの、後遺症の方がずいぶん良くなったんですってね。職場にも戻ってるって聞いて……」
「…………。」
「れ、麗奈さん、とにかく中へ入って」
母も動揺を隠せないようすで麗奈にそう言って招いた。
「あ、じゃあ、わ、わたしは、、ルパンを散歩に連れて行きますね」
有紀ちゃんもドギマギしながらそう言うと、僕の手からリードを奪って慌てたようにルパンを連れて出ていった。
あれほど待ち焦がれていた麗奈が目の前にいた。以前より少しふっくらとして見える彼女は、とても幸せそうにみえた。
だけど、彼女の訪問はあまりに遅すぎた。僕の心はすでに有紀ちゃんで完全に占められていた。
麗奈と一緒にリビングのソファーに腰を降ろす。いつまでも無言の僕に麗奈は話しかけて来た。
「ごめんなさい。逃げ出したりして……」
健気にあやまる麗奈に困惑する。
「君があやまることはないよ。100%僕が悪い。いくら病気だったとはいえ、ひどいことばかりした。本当に悪かったよ、許してくれ」
「もう、いいわ。だってちゃんとこうして元に戻ったんですもの」
「あ、麗奈、ぼ、僕はもう……」
「私もう、気にしてないわ。全部許してあげる」
トレイを持った母がテーブルへ三人分の紅茶を置いた。
「麗奈さん、修二がひどいことをしてごめんなさい。新婚だっていうのに何ひとつ幸せなことをしてあげられないで、本当に申し訳なかったって思ってるわ」
母もそう言って深々と頭を下げた。
「正直、私もずいぶん恨みました。何故みんなの意見も聞かないで結婚なんかしてしまったんだろうって、後悔もしました。でも、さっき玄関で修二さんを見たら、すっかり元の修二さんだったから」
そう言って麗奈は僕を愛しむように見つめた。
「ぼ、僕から渡した離婚届の方はどうなったんだい?」
「もう、捨てちゃったわ。さっさと役所に届け出ようと思ってたのよ。でも、妊娠していることに気づいて……」
「えっ! 妊娠!!」
いつもは冷静な母が心底驚いて声をあげた。
「ええ、もう5ヶ月に入ってます。悪阻がひどくって、最近やっとおさまってきたんですよ」
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