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全員集合!
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「そういえば…ようやくみんな集まれたね」優太の声が聞こえた。
そういえば6人が揃って集まったのなんて久しぶりだよなーなんて思っていたら「仕事忙しくて…みんなになかなか会えなかった。海斗くんとは昨日、初めて会ったけど弟みたいでかわいいよね。これからも仲良くしてくれる?僕…こう見えても警察官だから、何か困ったことがあったら力になるから」
「警察官なんですか?凄いですね」
西原は背も高くないし細いから警察官に見えないのかも知れない。
「お父さんが警察官で、自分もなりたいなって…小さい頃からの夢だったんだ。単純な理由でしょ?」
「夢…叶ったんだ…いいですね」
そう言う海斗の顔が曇って泣きそうになってきた。きっと両親のこと、小さい頃のことを思い出したんだろう。このままだとみんなの前で泣いてしまうかもしれないと思った俺は、そういえば海斗、外見てないだろ?学の家からはいい景色が見れるんだ…朝日も昇ってるし行こう?そう声をかけるとベランダまで着いてきてくれた。学に目配せしたからきっと海斗の事情を西原達に伝えてくれるだろう。頼む学。
「海斗…ごめんな。色々辛い思いさせたよな」そう言って海斗を抱きしめた。今回は拒否されずに抱きしめられた海斗の温もりに涙が出そうになった時「うっ…うっ…」
海斗は声を殺して泣いていた。俺のワイシャツに冷たい涙が吸い込まれていく。
どうしても両親のトラウマは消えないでこれから先も残るだろう。でもその時に1人で泣いてほしくはない。海斗が泣く時は俺の胸の中で泣いていてほしい。そう思いながら大丈夫。落ち着くまで側にいるよ…そう言って抱いている腕に力を込めて背中を撫で続けた…
どのくらいそうしていただろう「透さんっ…大丈夫」そう言って顔を上げた海斗の唇に唇を重ねた。
少し冷たくなった唇はしょっぱかった。
「戻らないとみんな心配してますよね?」不安そうな海斗の顔は涙に濡れていて誰にも見せたくなかった。「今の海斗を見せたくないからもう少しこのままでいい?」もう一度抱きしめた。
海斗と朝日を浴びる景色を眺めながら話をした。
俺の両親に会うことは、両親がいないこと。過去のことで嫌われたりしないかと心配していたが、お袋が海斗に会いたがってるし何の心配もいらない。俺が守るから。そう伝えると緊張するけど会ってくれると言ってくれた。それと、ゆっくりでいいから俺の秘書になることを考えてほしいと…
俺はバタバタして海斗に連絡を忘れたり、今回みたいに内緒の行動をしたことを謝った。もう二度しない。だから海斗も言わないで溜め込むんじゃなくて言ってほしいと…今回は俺の愛がちゃんと伝わらなかったのが原因だ。これから「愛してる」の言葉だけじゃなくて行動でも愛を伝えるよと…
川上さんと平井の問題はあるけど俺たちがパートナーと宣言することできっと上手くいく。だから心配しないで海斗は俺を信じてほしい。これから先、海斗しか愛せない自信があるから。そう伝えると笑顔になってくれた。
海斗の様子も落ち着いたので部屋に戻ると「おー戻ってきたか」
『おかえり』
みんなに一斉に声をかけられて少し照れてしまった。この様子だと学がちゃんと伝えてくれたんだろう。西原も首を僅かに下げてくれた。
「ねぇねぇ、みんなの高校の時ってどんなだったの?」
悠人くんに声をかけられた。
どんなってなぁ?四ノ宮がうるさかった?それは今も変わらないんじゃね?
「じゃあ、高校の時、誰がモテてたの?」
それは…浅井と学じゃん。小倉はもう優太と付き合ってラブラブだったし、誰も入り込めない雰囲気だったしな。四ノ宮はチャラくて無理って言ってた女子多かったし…?
悠人くんの顔がだんだん曇ってきた。これはまずい???
「学さん、どんな子と付き合ってたんですか?俺より可愛かった?どうなの?」悠人くんには珍しく詰め寄ってる。ヤキモチ妬いたんじゃ…どうするんだ学は?そう思っていたら…
学は何だか嬉しそうに怒っている悠人くんを抱き上げて自分の腿の上に乗せた。それからお互いのおでこを合わせて「悠人以上にかわいい子はいないよ。そりゃー思春期男子だから、それなりに付き合った経験はあるよ。でも愛してるって言ったのは悠人だけ。これからもずっと…信じてくれるよね」
そう言ってキスをしてしまった。悠人くんは顔を真っ赤にして学の胸を叩いて怒ってるけどなんだか嬉しそうだった。
まさか学が友達の前でこんな甘々な行動をするとは…横を見ると海斗は手で顔を覆っていた。そりゃー友達のキスシーンなんか恥ずかしいよな。俺も恥ずかしい…
でもきっとこうやって自分の気持ちに正直に行動するのがいいのかもしれない。俺は学から大事なヒントを得たような気がした。本当は今すぐ実践してみたかったけど…やっぱり友達の前でやるのは恥ずかしいし、そんな勇気も俺にはなかった…
久しぶりにみんなに会えてよかった。みんながいなかったら、まだ海斗と解決はできなかったかもしれない。海斗の心の中も分からず、お互いギクシャクしていたのかもしれない。それに、もしかしたら平井に取られていた可能性だってある。
海斗は俺の大事な愛する伴侶だ。誰にも取られたくない。
そういえば6人が揃って集まったのなんて久しぶりだよなーなんて思っていたら「仕事忙しくて…みんなになかなか会えなかった。海斗くんとは昨日、初めて会ったけど弟みたいでかわいいよね。これからも仲良くしてくれる?僕…こう見えても警察官だから、何か困ったことがあったら力になるから」
「警察官なんですか?凄いですね」
西原は背も高くないし細いから警察官に見えないのかも知れない。
「お父さんが警察官で、自分もなりたいなって…小さい頃からの夢だったんだ。単純な理由でしょ?」
「夢…叶ったんだ…いいですね」
そう言う海斗の顔が曇って泣きそうになってきた。きっと両親のこと、小さい頃のことを思い出したんだろう。このままだとみんなの前で泣いてしまうかもしれないと思った俺は、そういえば海斗、外見てないだろ?学の家からはいい景色が見れるんだ…朝日も昇ってるし行こう?そう声をかけるとベランダまで着いてきてくれた。学に目配せしたからきっと海斗の事情を西原達に伝えてくれるだろう。頼む学。
「海斗…ごめんな。色々辛い思いさせたよな」そう言って海斗を抱きしめた。今回は拒否されずに抱きしめられた海斗の温もりに涙が出そうになった時「うっ…うっ…」
海斗は声を殺して泣いていた。俺のワイシャツに冷たい涙が吸い込まれていく。
どうしても両親のトラウマは消えないでこれから先も残るだろう。でもその時に1人で泣いてほしくはない。海斗が泣く時は俺の胸の中で泣いていてほしい。そう思いながら大丈夫。落ち着くまで側にいるよ…そう言って抱いている腕に力を込めて背中を撫で続けた…
どのくらいそうしていただろう「透さんっ…大丈夫」そう言って顔を上げた海斗の唇に唇を重ねた。
少し冷たくなった唇はしょっぱかった。
「戻らないとみんな心配してますよね?」不安そうな海斗の顔は涙に濡れていて誰にも見せたくなかった。「今の海斗を見せたくないからもう少しこのままでいい?」もう一度抱きしめた。
海斗と朝日を浴びる景色を眺めながら話をした。
俺の両親に会うことは、両親がいないこと。過去のことで嫌われたりしないかと心配していたが、お袋が海斗に会いたがってるし何の心配もいらない。俺が守るから。そう伝えると緊張するけど会ってくれると言ってくれた。それと、ゆっくりでいいから俺の秘書になることを考えてほしいと…
俺はバタバタして海斗に連絡を忘れたり、今回みたいに内緒の行動をしたことを謝った。もう二度しない。だから海斗も言わないで溜め込むんじゃなくて言ってほしいと…今回は俺の愛がちゃんと伝わらなかったのが原因だ。これから「愛してる」の言葉だけじゃなくて行動でも愛を伝えるよと…
川上さんと平井の問題はあるけど俺たちがパートナーと宣言することできっと上手くいく。だから心配しないで海斗は俺を信じてほしい。これから先、海斗しか愛せない自信があるから。そう伝えると笑顔になってくれた。
海斗の様子も落ち着いたので部屋に戻ると「おー戻ってきたか」
『おかえり』
みんなに一斉に声をかけられて少し照れてしまった。この様子だと学がちゃんと伝えてくれたんだろう。西原も首を僅かに下げてくれた。
「ねぇねぇ、みんなの高校の時ってどんなだったの?」
悠人くんに声をかけられた。
どんなってなぁ?四ノ宮がうるさかった?それは今も変わらないんじゃね?
「じゃあ、高校の時、誰がモテてたの?」
それは…浅井と学じゃん。小倉はもう優太と付き合ってラブラブだったし、誰も入り込めない雰囲気だったしな。四ノ宮はチャラくて無理って言ってた女子多かったし…?
悠人くんの顔がだんだん曇ってきた。これはまずい???
「学さん、どんな子と付き合ってたんですか?俺より可愛かった?どうなの?」悠人くんには珍しく詰め寄ってる。ヤキモチ妬いたんじゃ…どうするんだ学は?そう思っていたら…
学は何だか嬉しそうに怒っている悠人くんを抱き上げて自分の腿の上に乗せた。それからお互いのおでこを合わせて「悠人以上にかわいい子はいないよ。そりゃー思春期男子だから、それなりに付き合った経験はあるよ。でも愛してるって言ったのは悠人だけ。これからもずっと…信じてくれるよね」
そう言ってキスをしてしまった。悠人くんは顔を真っ赤にして学の胸を叩いて怒ってるけどなんだか嬉しそうだった。
まさか学が友達の前でこんな甘々な行動をするとは…横を見ると海斗は手で顔を覆っていた。そりゃー友達のキスシーンなんか恥ずかしいよな。俺も恥ずかしい…
でもきっとこうやって自分の気持ちに正直に行動するのがいいのかもしれない。俺は学から大事なヒントを得たような気がした。本当は今すぐ実践してみたかったけど…やっぱり友達の前でやるのは恥ずかしいし、そんな勇気も俺にはなかった…
久しぶりにみんなに会えてよかった。みんながいなかったら、まだ海斗と解決はできなかったかもしれない。海斗の心の中も分からず、お互いギクシャクしていたのかもしれない。それに、もしかしたら平井に取られていた可能性だってある。
海斗は俺の大事な愛する伴侶だ。誰にも取られたくない。
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