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3章 希う大学生編

終幕を迎え

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 啓吾は、ずるるるっと勢いよくブジーを引き抜いた。その衝撃たるや、僕は背中から腰まで反らせてイッてしまった。
 塞がれてせき止められていた潮が、とんでもない勢いで噴き出す。沢山イッて、イクのが止まらなくて、痙攣するように腰が振れる。
 啓吾の手がナカでダメな所を抉り、何度も深くイッて、けどそれは僕の腰が触れるからで····。ワケが分からないけれど、とにかく潮があちこちに撒き散り、僕はまた醜態を晒して涙が溢れた。

「ふぇっ··やぁっ、見にゃいれぇ····」

 顔を覆い隠したいところだが、縛られている所為でそれもできない。何もできず、僕はひたすらイかされ続けるしかないのだ。

「泣いてる結人マジで可愛い。泣かしたくねぇのにな····、泣いてっとすげぇ興奮すんだよね」

 そう言って、ぶぽっと手を引き抜く啓吾。手袋を外し、ベッドの外へぺいっと投げ捨ててしまった。
 そして、僕の腰を持ち上げ、真上からゆっくりとおちんちんをねじ込んでくる。

「やっぱちょい緩いね。けど、やぁらかくてこれはこれで、って感じ? なぁ結人、締めれる?」

「む、無理むぃ····」

「はは、だよな。んじゃまぁ、ゆーっくり締まってくの楽しんじゃおっかな」

「「っざけんな!」」

 八千代と朔が、飄々と僕のナカを満喫する啓吾に怒声を浴びせる。堪忍袋の緒が皮一枚だ。

「テメェ··、いい加減にしろよ。ちんこ突っ込むんなら俺らが優先だろうが」

「お前と莉久が楽しんでんの横目に、どんだけ待ってると思ってんだ」

「んぇ~、めっちゃ怖いんですけどぉ····」

 怯えた啓吾は、前側の腸壁をこそぐように抉り、おちんちんを勢い良く抜いた。

「んあぁっ♡」

「んじゃ~さぁ~、2人で挿れちゃう? 今ならいけんじゃね?」

 なんて、バカな事を言う啓吾。反省なんて皆無だった。僕を後ろから抱えると、お尻を八千代と朔へ拡げて見せた。
 ホンッッットにおバカなんだから! 八千代と朔のおちんちんをいっぺんになんて、腕と変わらないじゃないか。それも、あんな興奮した状態のバキバキに完勃ちしたおちんちんだぞ!?
 けれど、僕の杞憂を他所に、八千代と朔は息を呑んで僕のお尻を見つめている。やる気満々じゃないか····。

「ご····」

「ご?」

 啓吾が、僕の耳元で繰り返す。
 言っていいのか分からないけれど、恐怖のあまり本音が漏れてしまう。普段なら言葉を選ぶのだけれど、ふわふわしている所為だ、仕方がないという事にしておこう。

ゴリラごぃぁのちんち、こぁい····」

「「ブハァッ!!」」

 啓吾とりっくんが吹き出してしまった。りっくんなんて、飲んでいたエナドリが鼻に逆流して、痛がりながらも笑いが止まらないらしい。なんだか申し訳ないや。
 僕の一言で、皮一枚繋がっていた堪忍袋の緒が切れた、八千代と朔。八千代が啓吾から僕を奪う。

 八千代に抱っこされ、肌がくっつく気持ち良さに頬を預ける。抱き返せないのが少し寂しい。けれど、そんな事を思っている場合ではなかった。
 八千代が僕のお尻を開き、朔のおちんちんを飲み込ませる。ゆっくりと下ろし、奥の扉をぐぃっと押し上げた。
 そのまま朔に預けられ、前から八千代がおちんちんをねじ込もうと、アナルを指で押し拡げる。まさか、本当に2人で挿れる気なのか。

「待っ、こんにゃ··っき、の、む──ぃ゙あ゙ッ!!」

 慌てて止めたのだが、それ以上の抵抗もできず、ただ強引に捩じ込まれてくる八千代のおちんちんを受け入れるしかなかった。

「ねぇ、それホントに大丈夫? ゆいぴ震えてんじゃん。無茶すんなよな!」

「あ? アホか、よく見ろ。ちゃんとイッてんだろ。イッて痙攣してんだよ。クソ可愛かぁいいだろ」

 ドヤ顔をキメる八千代。りっくんは、ぐぬぬって顔でエナドリを飲み干す。
 イッている。確かに、僕はお尻で深い絶頂を迎えている。腕とは違った圧迫感だ。アナルなのかナカなのか分からないけれど、とにかく下半身が熱い。

「チッ··、啓吾、これ解け。動きづれぇ」

 八千代が啓吾に命令する。その圧に、啓吾はハイハイと従い、僕を縛っていた縄を解いた。
 解かれたところで、僕の状態はさして変わらない。2人のいきり勃ったおちんちんが、ナカで我先にと奥を目指す。
 縦横無尽に暴れてくれるから、イイ所をあちこち抉られてイッてしまう。けれど、朔のが大きすぎて、八千代は少し動きにくそうにしている。八千代が、不満そうに眉を潜めた。

 僕は、八千代の首に手を回し、口を薄く開き少しだけ舌を出してキスを強請る。ご機嫌を直した八千代は、僕の誘いに応えてキスをくれた。
 キスでほんの一時だけ、お尻からお腹に叩き込まれる快感を紛らわせる。それはほんの一瞬だけれど、甘い瞬間。

「は····んっ、好き····僕、皆が好き、愛してる。このまま····壊されこぁしゃぇても、いい····」

「バカな事言うな。ホントに壊しちまうだろ」

 朔が、耳元に寄り添って囁く。その甘い声に、脳が蕩けてしまっても構わない。
 この5日間で、まだまだ知らなかった皆を感じて、もっと近くに居たいと思った。もっと、皆とひとつになりたいと思ったんだ。
 僕が皆のモノで居られるなら、皆が望むのなら、僕は壊されたって構わない。

(ポリネシアンセックスって、皆をもっと好きになる為のものだったんだ。凄い効果だなぁ····)

「僕、ね、もっと皆の、近くでね、皆のモノで居たい」

 息も絶え絶えに想いを伝える。朔と八千代は、僕を激しくを貪りながら想いを吐き出す。

「お前は、ハァ··とっくに俺らのモンだろうがっ、一生逃がさねぇつっただろ··クソもたねぇ····」

「俺らの近くに居れんのは、生涯、お前だけだろ。他の誰にも、それはやんねぇ。それでも、不安になんなら··、1秒も離れねぇで居てやる」

 八千代と朔の熱烈な告白を、意識が混濁していく中で聞く。胸がキュンと跳ねて、死んじゃうのかなって思った瞬間で記憶が途切れた。



 午後3時。自分の腹の虫の鳴き声で目が覚めた。

「んふっ♡ お腹の虫さん、元気だねぇ」

 変態っぽい事を言って僕のお腹をさすってくれるのは、甘々な雰囲気に包まれているりっくんだ。とりあえずと言って、イチゴ味の小さな飴を口に入れてくれた。

「あんだけヤッていきなし食ったらしんどそうだもんな」

 そう言って、ボフンとベッドに腰を下ろした啓吾が頭を撫でてくれる。りっくんに『ゆいぴが喉詰めたらどーすんだよ』と、座った衝撃で僕を跳ねさせた事を怒られているが、全く意に介していない。
 軽い口調で謝り、僕の横に寝転がる啓吾。足まで絡め、がっちり僕を抱き締める。力が入らないのもあって身動きが取れない。

「コアラかよ。可愛くもなんともねぇけどな。結人がやってくれたら可愛いのに」

 そう言いながら部屋に入ってきた朔は、手にホットココアを持っていた。僕の為に入れてきてくれたようだ。起きるタイミングが分かっていたのかな。
 啓吾が、僕の背中を抱いて起こしてくれる。至れり尽くせりだ。

 八千代は、キッチンで僕の為に軽食を作ってくれているらしい。そう言えば、ほのかにバターの甘塩っぱい匂いがする。何を作っているのだろう。お腹の虫と共に心を踊らせる。

 熱過ぎないココアが喉を通り、甘みがふわっと鼻に抜けて生きているのだと実感した。

「僕····生きてるね」

「なっ、は? 当然でしょ!?」

 口を四角く開けたりっくんは、驚いて叫ぶ。だって、あの瞬間は本当に、心臓が最期のトキメキでご臨終したと思ったんだもん。
 ぽけっと真剣に言う僕を見て、啓吾が笑い転げている。そんなにおかしかっただろうか。あの大きなおちんちんで抉られながら、胸キュンなセリフでトドメをさされたんだ。死んでしまっても不思議ではない。

「あれ··? ゆいぴ、顔真っ赤だよ」

「思い出したのか? アレ、良かったのか? もっかい言ってやろうか?」

 朔が意地悪だ。僕の肩を抱いて、饒舌に耳元で言うんだから。

「も、もういいよぉ。僕の心臓、ホントにビックリして止まっちゃうよ····」

「それは困るな。けど、全部本心だからまたポロッと言っちまうかもしれねぇぞ。心臓、強くなれよ」

 おバカな朔は、僕の胸にそぅっと手を添えて心臓に語り掛ける。

「ははっ、確かに。結人の1番弱いトコって心臓ココロだよな」

「そこが可愛いんだよね♡ ゆいぴが純白の天使たる所以だよ」

 りっくんはうっとりした顔で僕を見る。よく恥ずかしげもなく言えるものだ。
 りっくんのおバカには付き合いきれないけど、メンタルが弱点なのは認めざるを得ない。けど、少し前に比べれば、色んな自信も持てたし少々の事ではブレなくなった。耐性がついたって感じかな。


「しっかしアレだな。この5日間長かったなぁ」

 啓吾がしみじみと言う。言い出しっぺのくせに。

「やってみて良かった?」

 何故だかしたり顔の啓吾。僕の答えなんか分かってるくせに、わざわざ僕の口から言わせるんだ。

「思ってたよりは、ね。て言うか、ちゃんと最後までできて良かったなって思う」

「「それな」」

 りっくんと朔が声を揃えた。初日から詰んでると思っていたから、最終日までこれた事に驚いている。まぁ、最終日のえっちは、ポリネシアンセックスとか関係なく普通に激しいだけだったけど。

「あのね、実は僕もっとね、まったりしたえっちしなきゃいけないのかなって思ってたんだ」

「本来は多分そうだよ。でもなんか爆発しちゃってさ? 俺らにまったりは難しかったなーって、ヤリながら思った」

「んなもんハナっから分かっとっただろうが。気づくん遅すぎだわ、アホが」

 フレンチトーストを持って戻ってきた八千代が、啓吾に刺々しく言葉を放つ。バターの香りはこれだったのか。
 八千代は、啓吾を押し退け僕の隣を陣取る。一口サイズに切ったそれを、僕の口へ運ぶ八千代。口の中に広がる甘さとは裏腹に、辛辣な言葉が啓吾を刺す。便乗したりっくんと2人で、啓吾への文句が止まらない。
 啓吾も負けじと、皆が好き放題シていた事を坂手に取るが、そんな事どうでもいい僕は無視してフレンチトーストを平らげた。


 僕のお腹を満たしたからなのか、はたまた啓吾に文句を言いきってスッキリしたのか、八千代は僕を胡座に収めて抱き締める。

「まぁ、結人とああいうレアな過ごし方できたんだけは褒めてやってもいいな」

「だね。まぁ、なんでもかんでも安易に提案すればいいってもんじゃない事だけは、ホントマジで頭に置いといてよねバカ啓吾」

「も~わかったってぇ~。面白半分で言うのやめっからもう勘弁して~」

 泣き言を言いながら、啓吾が僕に擦り寄ってきた。啓吾は都合が悪くなると、すぐに僕のもとへ逃げてくるんだ。無性に守ってあげたくなる。

「なぁ結人ぉ、助けてー。なんだよなぁ、あんっだけ楽しんでたくせにさー、俺ばっか責められてんのかわいそーじゃね?」

「んふふ、かわいそーだね。僕は啓吾の提案好きだよ。たまにちょっと面倒臭いし怖いけど」

「それは好きっていうのか? まぁなんにせよだ、啓吾はもう少し後先考えて提案したほうがいいぞ。これ言うの何度目か分かんねぇから期待はしてねぇけど」

「さっくんまで辛辣ぅ。結局優しいの結人だけじゃんか~」

 僕は、ヘコんだ啓吾の頭を撫でてあげる。しょぼくれた犬みたいで可愛い。

「啓吾も反省してるんだよね。大丈夫だよ。僕は啓吾のそういう所も大好きだから」

「結人····。マジで愛してる~」

 そう言って、啓吾は僕の腰に抱きついて八千代にウザがられた。八千代に顔面を押し返されながらも、絶対に僕を離さない啓吾が愛おしい。

 なんだかんだ、結果論だけど楽しかった。二度としないだろうけど、貴重な経験ができたと思う。やって良かったと思っているのは本音だ。
 あんなに激しく求められるのも、その結果、初めての快楽に堕ちて溺れるのも存外悪くない。というハレンチな感想は、僕の心に秘めておくとしよう。


 こうして僕たちは、いつも通りの賑やかしい日常に戻った。
 今日は、もう流石にシないよね。と、僕の甘い考えなど夜には覆される事など、この時は予想だにしていなかった。

 さぁ、来週の実習を終えたら夏本番。沢山遊ぶ予定がある。けれど、浮かれていないで実習も頑張らなくちゃだ。

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