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後編 決着
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エリーナが毒を盛られて半年。
リゾットは焦っていた。
「くそ!あの商人は詐欺師だったのか」
リゾットの元にやってきた縁談の話。
あまりにもいい条件だったため、リゾットはエリーナを毒殺しようとしてまで婚約を結んだ。
しかしそれが罠だった。
黒い商売の片棒を担がされ、資金調達のためと私財を担保にされた。
リゾットは婚約を破棄しようとしたが商売に手を貸したことをばらすと脅され、挙句売れる私財が無くなると婚約者や商人は姿を消した。
残ったのは多額の借金のみ。
これでは家の再興どころか、日々の生活すらままならない。
…学園に戻り金を集めよう。
友人たちに頼めばある程度の金は集まるはずだ。
学園に戻ったリゾットは友人たちに声をかける。
しかし待っていたのは予想外の反応だった。
「やぁ、久しぶりだな。元気にしていたか?」
「…」
「どうして無視するのだ?僕たちは友達だろう?」
「うるさいな。声をかけてくるじゃねぇよゴミが」
唖然とするリゾット。
他をあたっても誰もが似たような反応をする。
「じゃあなゴミ野郎」
「待ってくれ!何故そんなことを言われないといけないのだ?僕は君に何かしたか?」
「知っているぞ。お前婚約者を毒殺しようとしたらしいじゃないか。そんな奴と友達なんて知られたら貴族の間では生きていられなくなる。信用が何より大事なのはお前も知っているだろ」
僕がエリーナに毒を盛ったことがバレているだと?
そんなはずはない。
あれは希少な毒で、死体に残らない毒だ。
それでもバレているということはつまり、エリーナが生きている。
たどり着いた答えにリゾットは怒る。
あのクソ女!
醜い姿をしたくせに僕の足を引っ張りやがって!
学園に戻ってきているのだろう、だったら探し出して僕が毒を盛ったことを妄言だと証明させる。
例え力づくでも。
学園でエリーナを探し始めるリゾット。
エリーナはすぐに見つかった。
何故か周りを取り巻いている貴族たちをかき分けて進む。
「エリーナ!君はなんて酷い女なんだ。醜いのは顔だけに…」
「お久しぶりですリゾット様。私に顔に何かついていますか?」
エリーナの美しい容姿に一瞬唖然とするリゾット。
何かを喋ろうとするが頭が真っ白になって言葉が出てこない。
「リゾット様には感謝しているのです。あなたが毒を盛ってくれたおかげで私は生まれ変われました。友達もこんなに沢山出来ました」
よく周りを見渡すと有名な貴族ばかり。
ここでリゾットはエリーナの人脈を利用しようと思いつく。
「毒を盛った?君は食中毒で倒れてしまったのだろ?急に倒れた君を介助してあげた僕に感謝してもらいたいね」
「…まぁ、そう言うことにしておいてあげます」
「それでエリーナ、僕とやり直さないか?君も僕とよりを戻せて嬉しいだろ?」
「それは、私と婚約するということですか?そういうことならごめんなさい。もう別の婚約者がいるので」
エリーナに断られたリゾット。
その事実に腹を立てた。
「僕の提案を断るのか?相手がどんな奴なのかは知らないがどうせ碌な奴じゃないぞ!僕なら君を幸せにできる。そんな相手は捨ててしまえ!」
「少しいいかな」
「なんだよ!今大事な所なんだ。邪魔をする・・・な?」
リゾットの肩を叩いた青年。
リゾットはその青年の顔を見て青ざめる。
今雑な対応をしてしまったのは…この国の第二王子だった。
「初めまして元婚約者君。私の名前はザルガン、この国の第二王子だ。第二王子と言っても王位継承権は兄の物だからお飾りだけどね。だから改めて自己紹介させてもらうよ。エリーナの現婚約者ザルガンだ。随分と私の悪口を言っていたみたいだね」
「いえ、それは、その・・・!違うのです!僕はただ!冗談で」
「言い訳はいらないよ。私は冗談が嫌いなんだ。もう二度と私とエリーナの前に姿を現さないでくれ。いいね?」
「は、はい!!」
逃げる様に走り去るリゾット。
その後ろ姿を見ながらエリーナは半年前のことを思い出す。
◇◇
「やりたいこと?一体なんだい?」
「それは、リゾットより素晴らしい男性と添い遂げること」
リゾットは焦っていた。
「くそ!あの商人は詐欺師だったのか」
リゾットの元にやってきた縁談の話。
あまりにもいい条件だったため、リゾットはエリーナを毒殺しようとしてまで婚約を結んだ。
しかしそれが罠だった。
黒い商売の片棒を担がされ、資金調達のためと私財を担保にされた。
リゾットは婚約を破棄しようとしたが商売に手を貸したことをばらすと脅され、挙句売れる私財が無くなると婚約者や商人は姿を消した。
残ったのは多額の借金のみ。
これでは家の再興どころか、日々の生活すらままならない。
…学園に戻り金を集めよう。
友人たちに頼めばある程度の金は集まるはずだ。
学園に戻ったリゾットは友人たちに声をかける。
しかし待っていたのは予想外の反応だった。
「やぁ、久しぶりだな。元気にしていたか?」
「…」
「どうして無視するのだ?僕たちは友達だろう?」
「うるさいな。声をかけてくるじゃねぇよゴミが」
唖然とするリゾット。
他をあたっても誰もが似たような反応をする。
「じゃあなゴミ野郎」
「待ってくれ!何故そんなことを言われないといけないのだ?僕は君に何かしたか?」
「知っているぞ。お前婚約者を毒殺しようとしたらしいじゃないか。そんな奴と友達なんて知られたら貴族の間では生きていられなくなる。信用が何より大事なのはお前も知っているだろ」
僕がエリーナに毒を盛ったことがバレているだと?
そんなはずはない。
あれは希少な毒で、死体に残らない毒だ。
それでもバレているということはつまり、エリーナが生きている。
たどり着いた答えにリゾットは怒る。
あのクソ女!
醜い姿をしたくせに僕の足を引っ張りやがって!
学園に戻ってきているのだろう、だったら探し出して僕が毒を盛ったことを妄言だと証明させる。
例え力づくでも。
学園でエリーナを探し始めるリゾット。
エリーナはすぐに見つかった。
何故か周りを取り巻いている貴族たちをかき分けて進む。
「エリーナ!君はなんて酷い女なんだ。醜いのは顔だけに…」
「お久しぶりですリゾット様。私に顔に何かついていますか?」
エリーナの美しい容姿に一瞬唖然とするリゾット。
何かを喋ろうとするが頭が真っ白になって言葉が出てこない。
「リゾット様には感謝しているのです。あなたが毒を盛ってくれたおかげで私は生まれ変われました。友達もこんなに沢山出来ました」
よく周りを見渡すと有名な貴族ばかり。
ここでリゾットはエリーナの人脈を利用しようと思いつく。
「毒を盛った?君は食中毒で倒れてしまったのだろ?急に倒れた君を介助してあげた僕に感謝してもらいたいね」
「…まぁ、そう言うことにしておいてあげます」
「それでエリーナ、僕とやり直さないか?君も僕とよりを戻せて嬉しいだろ?」
「それは、私と婚約するということですか?そういうことならごめんなさい。もう別の婚約者がいるので」
エリーナに断られたリゾット。
その事実に腹を立てた。
「僕の提案を断るのか?相手がどんな奴なのかは知らないがどうせ碌な奴じゃないぞ!僕なら君を幸せにできる。そんな相手は捨ててしまえ!」
「少しいいかな」
「なんだよ!今大事な所なんだ。邪魔をする・・・な?」
リゾットの肩を叩いた青年。
リゾットはその青年の顔を見て青ざめる。
今雑な対応をしてしまったのは…この国の第二王子だった。
「初めまして元婚約者君。私の名前はザルガン、この国の第二王子だ。第二王子と言っても王位継承権は兄の物だからお飾りだけどね。だから改めて自己紹介させてもらうよ。エリーナの現婚約者ザルガンだ。随分と私の悪口を言っていたみたいだね」
「いえ、それは、その・・・!違うのです!僕はただ!冗談で」
「言い訳はいらないよ。私は冗談が嫌いなんだ。もう二度と私とエリーナの前に姿を現さないでくれ。いいね?」
「は、はい!!」
逃げる様に走り去るリゾット。
その後ろ姿を見ながらエリーナは半年前のことを思い出す。
◇◇
「やりたいこと?一体なんだい?」
「それは、リゾットより素晴らしい男性と添い遂げること」
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ちょっと疑問の残る感じよ?
コレだったら、詐欺師に渡された謎毒とかの方が良いんじゃない?
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