ブラックな職場で働いていた聖女は超高待遇を提示してきた隣国に引き抜かれます

京月

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第十一話

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「もっと体を動かして!!」


「はぁ…はぁ…」


「脂肪は動かなければなくなりませんよ」


「はぁ…はぁ…はぁ」


「限界を超えて!その先に成果が待っているわ!」


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」


「もう一セット行きま…」


「休ませてーーーーーーーーーー!!!」


 久しぶりに泣いた。ガチ泣きした。厳しすぎる。こんなの続けられない。


「何を言っているんですか!?聖女様には叶えたい目標があるのですよね、それを達成するためにはどんなつらいことでも耐えて下さい!」


「でも…つらいんだもん…」


「私はやると言ったらやる女です。聖女様がどんなに泣こうが喚こうがやめません、手を緩めません、目標達成するまでどんなことでも涙を呑んでやってのけます」


「そんな…」


「さぁ、続きをやりましょう」


「ぐすん、帰りたい…」


 ここからは地獄だった。どんなにあがいても逃れられない運動に涙すら枯れてしまった。


 ファッションショー当日、ホーサはスーパーモデル顔負けのスタイルでランウェイを歩く姿にルビーちゃんは若干引いていた。私は悲しくて家に帰ってから枯れた涙腺がまた潤うことになった。
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