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リルベルクの友人はリルベルクは痩せ型と証言していたが…あの時会ったリルベルクは完全に太った豚だった。
「何がどうなってるのよ~」
私達は一度家に戻り集めた情報を整理していたが謎は深まるばかり。早くも壁に衝突していた。
「サナ~、リルベルクの情報はどこで手に入れたの?」
「情報屋を使った。学園だけでなくあらゆる事柄の情報に繋がっている腕利きの男だ、信頼は出来る」
「本当?嘘の情報とか流されたんじゃないの?」
「それはあり得ないだろう。もしそんなことをすれば情報屋としての信頼を失う。嘘をつくメリットがない」
「メリットがないか…」
なにか感じるわね…少し調べてみましょう。それから私も別の情報屋を使いサナが依頼した情報屋のことを調べさせた結果彼は完全な黒だった。
とある夜の静まり返った路地裏にボロボロになった男が二人の大男に押さえつけられている。サナの使った情報屋だ。目の前にはマリーとサナが木箱に座りながら足を組んでいる。
「よくも私を騙してくれたな」
「フーフー、何を言っているのかわからないな…なんで俺はこんなことになっているんだ?グハ!!」
「あまりとぼけると骨が足りなくなるわよ」
こわ~~。こういう時のサナは冗談が通じないほど本気で怒っているから手が付けられない。
「あなたのことを調べて回ったら過去にいくつか虚偽の情報を流しているわね。依頼主は全て貴族、貴族に何か恨みでもあるのかしら?」
「逆に恨まれていないと思っているから貴族様は足元すくわれるんだぜ」
「減らず口ね。もういっそのこと消してしまおうかしら」
流石にそれはダメだろ。私はサナの肩を掴み選手交代の合図をすると大男達に情報屋を放すように指示する。
「初めましてね、私はマリー。ご存じかしら?」
「もちろん。あの卒業式では大変だったみたいだな」
「そうなのよ。だから早くあの豚の正体を暴きたい。そのためにはあなたの協力が不可欠だわ」
「協力も何も俺の出来ることはすべてやった。情報はくれてやっただろう」
「…貴方の妹さんかわいいわね。婚約者も実に評判がいい男じゃない。結婚したら将来は明るい…かもしれないわね」
「っ!!俺の妹に手を出したらぶっ殺すぞ!!」
「それはあなた次第よ。貴族を目の敵にしているらしいけどあなたごときではいつ報復にあってもおかしくない。身の振り方を考え直しなさい」
「……お前たちにやった情報は本物だグハ!ハーハー…だが…伝えていないことがある。リルベルク・カマーは昔パルセ劇団に参加していた。そこに行けば何か情報が手に入るはずだ」
「ありがとう。それと娘さんの結婚式には参加してあげるから招待状よろしくね♡」
「死んでもごめんだ」
バタ!!
情報屋は気を失ってしまったため大男に病院に連れて行くように指示した後サナと家に戻る。
「いい情報が手に入ったわ。パルセ劇団ならつてがあるからすぐにでもリルベルクのことがわかるはず」
「そうだな。それにしても相変わらずひどいやり方だ。妹を天秤にかけるとは」
「あれはハッタリよ。ああでもしないと喋らないと思ったから」
「そうだったのか!?てっきり本当にやる準備があるのかと思ったぞ。それにしてもなんであいつはあんなにリルベルクのことを喋りたがらなかったんだ?」
「理由はわからない。でもそれだけの何かがあったということだけ。まぁ明日にでも真実は明かされるわ」
夜の街を歩く二人の姿は悪役そのものだった。
「何がどうなってるのよ~」
私達は一度家に戻り集めた情報を整理していたが謎は深まるばかり。早くも壁に衝突していた。
「サナ~、リルベルクの情報はどこで手に入れたの?」
「情報屋を使った。学園だけでなくあらゆる事柄の情報に繋がっている腕利きの男だ、信頼は出来る」
「本当?嘘の情報とか流されたんじゃないの?」
「それはあり得ないだろう。もしそんなことをすれば情報屋としての信頼を失う。嘘をつくメリットがない」
「メリットがないか…」
なにか感じるわね…少し調べてみましょう。それから私も別の情報屋を使いサナが依頼した情報屋のことを調べさせた結果彼は完全な黒だった。
とある夜の静まり返った路地裏にボロボロになった男が二人の大男に押さえつけられている。サナの使った情報屋だ。目の前にはマリーとサナが木箱に座りながら足を組んでいる。
「よくも私を騙してくれたな」
「フーフー、何を言っているのかわからないな…なんで俺はこんなことになっているんだ?グハ!!」
「あまりとぼけると骨が足りなくなるわよ」
こわ~~。こういう時のサナは冗談が通じないほど本気で怒っているから手が付けられない。
「あなたのことを調べて回ったら過去にいくつか虚偽の情報を流しているわね。依頼主は全て貴族、貴族に何か恨みでもあるのかしら?」
「逆に恨まれていないと思っているから貴族様は足元すくわれるんだぜ」
「減らず口ね。もういっそのこと消してしまおうかしら」
流石にそれはダメだろ。私はサナの肩を掴み選手交代の合図をすると大男達に情報屋を放すように指示する。
「初めましてね、私はマリー。ご存じかしら?」
「もちろん。あの卒業式では大変だったみたいだな」
「そうなのよ。だから早くあの豚の正体を暴きたい。そのためにはあなたの協力が不可欠だわ」
「協力も何も俺の出来ることはすべてやった。情報はくれてやっただろう」
「…貴方の妹さんかわいいわね。婚約者も実に評判がいい男じゃない。結婚したら将来は明るい…かもしれないわね」
「っ!!俺の妹に手を出したらぶっ殺すぞ!!」
「それはあなた次第よ。貴族を目の敵にしているらしいけどあなたごときではいつ報復にあってもおかしくない。身の振り方を考え直しなさい」
「……お前たちにやった情報は本物だグハ!ハーハー…だが…伝えていないことがある。リルベルク・カマーは昔パルセ劇団に参加していた。そこに行けば何か情報が手に入るはずだ」
「ありがとう。それと娘さんの結婚式には参加してあげるから招待状よろしくね♡」
「死んでもごめんだ」
バタ!!
情報屋は気を失ってしまったため大男に病院に連れて行くように指示した後サナと家に戻る。
「いい情報が手に入ったわ。パルセ劇団ならつてがあるからすぐにでもリルベルクのことがわかるはず」
「そうだな。それにしても相変わらずひどいやり方だ。妹を天秤にかけるとは」
「あれはハッタリよ。ああでもしないと喋らないと思ったから」
「そうだったのか!?てっきり本当にやる準備があるのかと思ったぞ。それにしてもなんであいつはあんなにリルベルクのことを喋りたがらなかったんだ?」
「理由はわからない。でもそれだけの何かがあったということだけ。まぁ明日にでも真実は明かされるわ」
夜の街を歩く二人の姿は悪役そのものだった。
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