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本編
矢坂家の始まり
しおりを挟む「理玖、こちらが新しい家族になる矢坂さん。ママね、誠さんと結婚することになったの。だから、理玖の新しいパパになるのよ」
「……ぱぱ?」
「そうだよ、理玖。理玖のママの静花さんと結婚することになったんだ。よろしく。今日から理玖のパパだ。それから、こっちが友敬。理玖のお兄ちゃんになるんだよ」
「にー…ちゃ?」
「よろしく、理玖」
「にーちゃ!」
……俺、三歳。
新しい家族と出会った瞬間でした。
高校生になった今でもよく聞かされる昔話。
俺、凄く兄ちゃんが大好きで、大好きすぎて、初めてあったのが夏休みだったから、小学生だった兄ちゃんにずっと遊んでもらって、二学期が始まる日、「どーしてにーちゃんがいなくなるのー!」ってぎゃん泣きしたんだってさ。ははは。三歳児怖いネ。
俺の本当の父さんは、俺が二歳の時に病気で急死したらしい。…らしい、ってのは、流石に記憶がないから。仕方ないよね。
女手一つで俺を育ててくれてた母さんだけど、勤務先に転勤してきた人と意気投合した。それが、今の俺の父さん。
父さんも、前の奥さんとは死別してるんだって。
だから、お盆には、必ず二家のお墓参りに行くんだ。それが矢坂家の定番行事。
俺の家族はとても仲がいいと思う。
料理好きの母さんは、再婚して暫くしてから仕事をやめて専業主婦になった。
父さんは仕事熱心だけど、凄く優しくて。
それから、優しくて頼りがいのあるお兄ちゃん。
家の中は常に笑い声で溢れているし、家族四人で年に一回は家族旅行にも行く。
俺の、すごく大切な家族だ。
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