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二度目のクリスマス(求婚編)
プロポーズは二枚の婚姻届とともに * 3 *
しおりを挟む「だってあたちたち、結婚するんだもの」
完全に酔っ払っている恋人のヒトコトに琉はぎょっとして、動かしていた手を止めてしまう。
どうせ結婚するからナマでしていいよ、なんてふだんの三葉なら絶対に口にしない台詞だ。
下着とタイツだけのはしたない姿で妖艶に微笑む恋人は、けらけら陽気に笑って「はやく、しよ!」と琉を追い立てる。
「……三葉くん、ナマはいけない」
「えー」
「どうしてそういうこと言うかな? 俺以外の男だったら目の色変えて襲いかかるぞ」
ソファの上に横たわる恋人は、突然はじまった琉の説教から目を逸らし、つまらなそうに頬を膨らませる。
「そりゃせんせぇは紳士的でふだんから避妊に対するリスク管理とかしっかりしていたけどぉ。ナマでするのすっごく気持ちいーのになぁ」
「んっ?」
ただならぬ言葉を耳にしてしまった気がする。
ナマでするのはすごく気持ちいい、だと!? いったい彼女はいつの、誰とのセックスを思い浮かべてそんな蕩けるような表情をしているんだ!?
「大学時代につきあってた元彼のサイズがでっかくてぇ、市販のゴムが上手に入れられないときがあったから仕方なく……」
「仕方なくじゃないっ!」
「お説教しないでよぉ、せっかくのクリスマスイブなのにぃせんせーのいけずっ!」
「ダメだ……完全に酔っ払ってる」
しかも酔った勢いとはいえここにきて元彼とのセックスを暴露するとは。
琉は自分の陰茎が萎えてきていることに気づき、はぁとため息をつく。
「ねぇ、熱いの……さわってよぉ……」
服を脱がされて肌を火照らせていた三葉がもどかしそうに琉へ流し目を使う。
酔っ払って羽目を外した三葉が自分を求めてくれるのは嬉しい。
……嬉しいのだが、酔ってる彼女とナマで身体を重ねるのはまずいだろうと、たとえ結婚の口約束をしていてもいかがなものかと、躊躇ってしまう琉である。
そのうえ比較対象が元彼の一物ときた。いまさら嫉妬の炎に焦がれることになるとは思いもしなかった。
どうすれば彼女は俺だけを見てくれる? 酔っ払っているあいだに行為に及んだら、俺じゃない男に抱かれたと勘違いするんじゃないか?
ーーそんなことさせられない、まずは彼女の身体に篭った熱を放出させて、酔いをすっかり醒ますのが先だ。
琉は乾いた笑みを浮かべ、彼女を抱き上げる。
どうせなら素面に戻ったときの彼女のナカにナマで挿入りたい。
そのためには狭いソファより、ベッドの方がいいだろう。
「きゃっ……」
「つづきはベッドでしよう。いけない三葉くん、俺をこれ以上怒らせたらお仕置きするからな」
「お仕置き? なんでぇ?」
「なんでじゃないの……酔いを醒ましてから、さっき口走っていたことも含めてしーっかり聞かせてもらうからな!」
ベッドサイドにはハロウィンのときに使った包帯の残りがそのままになっている。
元彼とのセックスを思い出してナマでしたいなどと言う恋人にはお仕置きが必要だ。
両手と両足を縛りつけて、酔いが醒めるまでピンクローターで絶頂を極めさせてやろう。
素面に戻った彼女はきっと、泣きながら許しを乞うだろう。もう元彼と自分を比べたりなんかしないと。
――そしたら、今度こそプロポーズするのだ、彼女を慈しみながら、「家族になろう」と。
* * *
ベッドの上で、両手首に白い包帯をぐるりと巻かれて動きを封じられた三葉は、どうして彼が怒っているのかわからないまま、一方的なお仕置きに身を委ねていた。拘束された彼女は下着を脱がされ全裸の状態で、ぜいぜいと酒臭い吐息を零している。
その間を縫うように、ヴイィイイイン、という機械的な音が混ざり、やがていやらしい水音と三葉の悲鳴が奏でられていく。
「――だめぇ、イっちゃう、イっちゃうのぉ~!」
「イってくれないと正気に戻れないだろうが、この酔っ払い」
「やだぁ、せんせにさわってほしぃのぉ!」
「だーめ。ローターだけでこんなに淫らに感じてるくせに。俺より元彼の方が気持ちいいなんて口走る淫乱にはお仕置きが必要だ」
「ふぇええんっ!」
――元彼の方が気持ちいいなんて言ってないし! ただナマでしたら気持ちいいんだよって言っただけなのに! なんで先生怒ってるの!?
酔っ払ったあたまで考えていてもこたえが出てくるわけがない。
ベッドの上で乱れに乱れ、声を枯らす三葉を冷たく見下ろす琉の表情は、ふだんよりも硬い。
「物欲しそうな顔しやがって……これだけじゃ足りないのか?」
「ふぁあんっ、それ、いやぁあああ……っ!」
淫核にローターを押し付けられた状態のまま、さらに包帯で固定され、三葉の身体がビクンビクンと弾みだす。
両手が空いた琉は、どこからかもうひとつローターを取り出し、ふれられてもいないのにビンビンに勃っている両方の乳首へ新たな刺激を与えていく。
「――ひゃ、あぁああんーっ!」
ひとつだけでもツライのに、敏感な場所にもうひとつローターをあてられて、三葉はガクガクと身体を震わせる。
言葉にならない未知なる快楽をこれでもかと浴びせられて、脳髄までどろどろに溶かされていく。もっと膣奥にふとくてかたいのが欲しいのに、彼はわざと見せつけるように機械で三葉を虐めるのだ。
このまま機械に犯されつづけたら狂ってしまう――……
けれどその前に、限界が訪れた。
ぴゅっ、という膣奥から噴出する音とともに、軽く絶頂を極めたのだ。
その瞬間、身体を苛んでいた熱が一気に冷めて、三葉は愕然とする。
「ぁああ……でちゃっ、たっ……」
秘処とローターを固定していた包帯がぐっしょりと濡れている。愛液だけでなく潮も吹いたのだろう、恥ずかしそうに俯く三葉の姿を見て、琉は「可愛い」と呟きながらキスをする。
「んっ――っ! ぁああ、とめて、とめてぇっ!」
それでも電源が入ったままのローターは酔いの醒めた三葉を襲う。
一度達した身体はすぐにスイッチを入れられ、新たな熱を放出させる。
琉は涎を垂らしながら絶頂後の快楽に抗えずひくひくさせる恋人を楽しそうに見つめて、ローターの電源に手を伸ばす。
「もう限界かな? どうされたい? もっと機械で気持ちよくなってもいいんだよ?」
「……いじわるっ、ぁあん、ひゃあん!」
「すっごいおもらししてる。俺がさわったらどうなっちゃうんだろうね?」
「とめてよぉお、せんせ、っ、もう、無理だからぁあああぁ!」
「うーん。――もうちょっと見ていたいな」
「い、ひっ、きゃぁ―――っ……!」
ローターのスイッチを弱から強に切り替えて、追い討ちをかけるように琉は三葉の左右の乳房を自分の手で揉みはじめる。腫れぼったいくらいに屹立している真っ赤な乳首を舌先でれろりと舐めれば、下肢からどろりと面白いくらいに甘い蜜が溢れ出す。ローターの刺激に琉の愛撫が加わったことで、三葉の快感が上書きされているのだ。何度味わっても飽きることのない極上のデザートだと、乳首を舐めしゃぶりながら、琉は満足そうに三葉の身体を撫でていく。
もう無理と喘ぎながら、イくイくと媚鳴を零しながら、何度も何度も絶頂を繰り返し、三葉は拘束された状態のまま、彼の執念深い前戯によって、いつしか気を失っていた――……
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