拾われた後は

なか

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4.保護されました

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   また同じベッドで目を覚ました。

   もう一度、目を覚ましたら元の世界の道に戻ってたり、自分のベッドで変な夢見たなって言えることを期待していた。

   けれど、同じベッドで目を覚ました。
これが現実なんだ。
   身体を起こして周りを見回してみると、最初にいた部屋のようだ。


「目が覚めたか」

「あ、」

   そばの椅子にカイルさんが腰掛けていた。傍にいてくれたのだろうか。


「すまなかったな。乱暴にして。大丈夫か?」

「いえ、こちらこそすみません。」

「小さい子に加減しなかった俺が悪い。」


   小さい……。
確かにあなたよりは小さいけど。そんなに小さいほうじゃないのに。
   カイルさんが大き過ぎなんだ。
   羨ましくなんかないぞ!


「さっきも言ったように、君のことは私が責任持って保護する。心配するな。
帰る手立てがあるか探してみよう。」

   黙った僕が落ち込んでいると思ったのか、優しい声で言ってくれる。


「そうだ、そろそろ夕飯だ。口に合うといいのだが。着替えて、屋敷を案内しよう。」


   今度はそっと手を頭に置いてくれた。
僕のこと、もしかして捨てられた子犬みたいに思ってるのかな。
   拾ったからは責任持って世話をします、みたいな?

   そんな気がして顔を見上げると、真剣なかっこいい顔があった。

「ご主人様?」

   ぽろりと漏れた言葉にカイルさんがびくっと固まった。あれ?耳もピンと立った。


「ハ、…ハルカは私の使用人じゃないから、
その言葉は相応しくない。名前で呼んでくれ。」

   硬い声で言われてしまう。

「ごめんなさい。」

   不快だったのかなとしゅんとして謝るとさらにカイルさんが挙動不審だ。

「いや!決して怒ってる訳ではない。
そうだな、俺のことはカイルと呼んでくれればいいから。」

「カイル様?」

「様はいらない。」

   かなり年上っぽいし、お世話になる方の名前呼びはどうなのかな。この世界では常識が分からなくて戸惑う。

「……カイルさん。」

   しばらく僕の顔を見てたけど、はっとした表情で立ち上がる。

「着替えはこちらだ。案内しよう。」

   どうやらカイルさんで納得してくれたようだ。お腹がすいてきた僕は、素直に差し出された手を取った。

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