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パーティー結成!
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翌日……
俺はギルドの三階にある休憩室に泊まり、今日も剣の練習をすることになってる。
「よう。おはようさん。朝飯まだだろ?一緒にどうだ?」
俺が支度をして部屋を出るとちょうど、このギルドのギルド長であるギルアスがそんな提案をしてきた。……『ギ』が多いな……
「お邪魔していいなら…」
「おう。行こうぜ。」
こうして俺達はギルドの食堂に来た。
「おはよう!ヒビキ!私も一緒していい?」
「あ…エレンさん、おはようございます。俺は大丈夫ですよ。」
「ありがとう。」
ギルアスさんと朝食を食べているとエレンさんも合流して、今日の予定について話すことになった。
「とりあえず、今日はこの後ヒビキの訓練に付き合って午後からはエレンと近くの森まで実践訓練でいいか?俺もついて行くからよ。」
「いいんですか?忙しいんじゃ……」
「気にすんなって。」
「なら…よろしくお願いします。」
朝食を食べ終えて、訓練所に場所を移した。
「いいか?今日は剣じゃなく格闘術だ。魔物には剣や魔法で攻撃してもいいが、人間にはできないだろ?だから、これは護身術として覚えたらいい。」
「分かりました。」
「じゃ、とりあえず好きに技入れてみろ。そこから修正をかける感じで教えていく。」
「はい。よろしくお願いします。」
「ヒビキ!頑張って~」
俺はエレンさんの応援の声を聞きながらギルアスさんを見る。ギルアスさんは軽く構えた。
「いつでもいいぞ。」
「はい。」
好きに技を入れてみろって言われたし……柔道でもいいよな?高校に上がってからは行かなくなったけど、中学までは柔道教室に通ってたんだよな。
「どうした?こないのか?」
「いえ。今行きます。」
俺は早歩きでギルアスさんの元に行き、右手でギルアスさんの服の襟の部分を持ち、左手は右腕の袖を持つ。そのままギルアスさんを前方向に体勢を崩しつつ、重心を低くしながら自分の右足をギルアスさんの右足の内側に踏み込む。そして、右肘をギルアスさんの右脇の下に入れ、動きを制する。体を回転させて左足を踏み込み、膝を伸ばすと同時に両手を前方向に振りかざした。……まぁ、簡単に言うなら、背負い投げだな。
「うおっ!」
ギルアスさんは剣すらマトモに振れない俺に投げられるとは思ってなかったのか、受け身もとらずに体を地面に打ち付けた。痛いぞ~畳じゃなくて普通の地面は。
「えっと……こんな感じでいい…ですか?」
「あ、あぁ。十分だ……」
やっぱり、めっちゃビックリしてるな……
「スゴい!スゴいよ!ヒビキ!剣は出来なくても格闘技は出来たんだね!」
「………剣も頑張ります……」
「え?あっ!えと…ごめんね?そういう意味じゃないの!剣を使う職業なのに格闘技も出来てスゴいね!って意味で!剣は今まで持ったことがなかったんでしょ?だったら仕方ないよ!ね?ギルド長?」
「ああ、職業で扱う物だからな。すぐに上達するだろうな。」
「……頑張ります……」
俺は、ギルアスさんに格闘技は十分出来てるからもういいって言われて昼食まで結局剣の練習をした。
「じゃ、昼飯を食いに行くか。」
そうして、俺達は食堂に行った。
「なぁ…これはあくまで、お前達が決めることであって本来ならあまり口を出すべきじゃないんだが……」
「…えっと?」
「お前ら、二人でパーティー組んだらどうだ?」
「「パーティーを?」」
何でだ?
「あぁ、人見知りなお前達も年が近けりゃまだ話しやすいだろ?それに……いや、今は何でもない。」
…?なんだ?何が言いたかったんだ?
「……てことで……どうだ?考えてみないか?二人とも俺が拾ったからな。ちゃんと独立した姿を見ないと安心できねぇ。」
確かに……今さら、新しい人じゃないといけない理由なんてないし、年も同じだし話しやすい……けど……
「……エレンさんって人見知りなんですか?」
「ブフッ!」
俺がつい、そんなことを言うとエレンさんが飲んでいた水を吹き出した。
「ちょっ!エレンさん、大丈夫ですか?」
「う、うん……大丈夫……ありがとう。」
「くくくっ……気付いてなかったか。実は、こう見えてエレンは物凄い人見知りだ。」
「そうだったんですね……てっきり誰とでも仲良くなれるタイプだと思ってました。」
「う……じ、実は……ヒビキに自己紹介する時も内心めっちゃ焦ってて……」
「全然そんな風に見えませんでした。あまり、態度に出ないタイプですか?」
「そうみたい……」
言われてみたら、最初会った時に受付に知ってる人がいないからギルアスさんの所に来たって言ってたな。
「ま、まぁ…その事は置いといて…私は賛成だよ。パーティー組むの。」
「はい。俺も賛成です。」
「なら、決まりだな。」
「「これからよろしくお願いします。」」
俺とエレンさんは握手して微笑みあった。
こうして、俺とエレンさんはパーティーを組むことになった。一人旅をするつもりだったんだけどなぁ……
俺はギルドの三階にある休憩室に泊まり、今日も剣の練習をすることになってる。
「よう。おはようさん。朝飯まだだろ?一緒にどうだ?」
俺が支度をして部屋を出るとちょうど、このギルドのギルド長であるギルアスがそんな提案をしてきた。……『ギ』が多いな……
「お邪魔していいなら…」
「おう。行こうぜ。」
こうして俺達はギルドの食堂に来た。
「おはよう!ヒビキ!私も一緒していい?」
「あ…エレンさん、おはようございます。俺は大丈夫ですよ。」
「ありがとう。」
ギルアスさんと朝食を食べているとエレンさんも合流して、今日の予定について話すことになった。
「とりあえず、今日はこの後ヒビキの訓練に付き合って午後からはエレンと近くの森まで実践訓練でいいか?俺もついて行くからよ。」
「いいんですか?忙しいんじゃ……」
「気にすんなって。」
「なら…よろしくお願いします。」
朝食を食べ終えて、訓練所に場所を移した。
「いいか?今日は剣じゃなく格闘術だ。魔物には剣や魔法で攻撃してもいいが、人間にはできないだろ?だから、これは護身術として覚えたらいい。」
「分かりました。」
「じゃ、とりあえず好きに技入れてみろ。そこから修正をかける感じで教えていく。」
「はい。よろしくお願いします。」
「ヒビキ!頑張って~」
俺はエレンさんの応援の声を聞きながらギルアスさんを見る。ギルアスさんは軽く構えた。
「いつでもいいぞ。」
「はい。」
好きに技を入れてみろって言われたし……柔道でもいいよな?高校に上がってからは行かなくなったけど、中学までは柔道教室に通ってたんだよな。
「どうした?こないのか?」
「いえ。今行きます。」
俺は早歩きでギルアスさんの元に行き、右手でギルアスさんの服の襟の部分を持ち、左手は右腕の袖を持つ。そのままギルアスさんを前方向に体勢を崩しつつ、重心を低くしながら自分の右足をギルアスさんの右足の内側に踏み込む。そして、右肘をギルアスさんの右脇の下に入れ、動きを制する。体を回転させて左足を踏み込み、膝を伸ばすと同時に両手を前方向に振りかざした。……まぁ、簡単に言うなら、背負い投げだな。
「うおっ!」
ギルアスさんは剣すらマトモに振れない俺に投げられるとは思ってなかったのか、受け身もとらずに体を地面に打ち付けた。痛いぞ~畳じゃなくて普通の地面は。
「えっと……こんな感じでいい…ですか?」
「あ、あぁ。十分だ……」
やっぱり、めっちゃビックリしてるな……
「スゴい!スゴいよ!ヒビキ!剣は出来なくても格闘技は出来たんだね!」
「………剣も頑張ります……」
「え?あっ!えと…ごめんね?そういう意味じゃないの!剣を使う職業なのに格闘技も出来てスゴいね!って意味で!剣は今まで持ったことがなかったんでしょ?だったら仕方ないよ!ね?ギルド長?」
「ああ、職業で扱う物だからな。すぐに上達するだろうな。」
「……頑張ります……」
俺は、ギルアスさんに格闘技は十分出来てるからもういいって言われて昼食まで結局剣の練習をした。
「じゃ、昼飯を食いに行くか。」
そうして、俺達は食堂に行った。
「なぁ…これはあくまで、お前達が決めることであって本来ならあまり口を出すべきじゃないんだが……」
「…えっと?」
「お前ら、二人でパーティー組んだらどうだ?」
「「パーティーを?」」
何でだ?
「あぁ、人見知りなお前達も年が近けりゃまだ話しやすいだろ?それに……いや、今は何でもない。」
…?なんだ?何が言いたかったんだ?
「……てことで……どうだ?考えてみないか?二人とも俺が拾ったからな。ちゃんと独立した姿を見ないと安心できねぇ。」
確かに……今さら、新しい人じゃないといけない理由なんてないし、年も同じだし話しやすい……けど……
「……エレンさんって人見知りなんですか?」
「ブフッ!」
俺がつい、そんなことを言うとエレンさんが飲んでいた水を吹き出した。
「ちょっ!エレンさん、大丈夫ですか?」
「う、うん……大丈夫……ありがとう。」
「くくくっ……気付いてなかったか。実は、こう見えてエレンは物凄い人見知りだ。」
「そうだったんですね……てっきり誰とでも仲良くなれるタイプだと思ってました。」
「う……じ、実は……ヒビキに自己紹介する時も内心めっちゃ焦ってて……」
「全然そんな風に見えませんでした。あまり、態度に出ないタイプですか?」
「そうみたい……」
言われてみたら、最初会った時に受付に知ってる人がいないからギルアスさんの所に来たって言ってたな。
「ま、まぁ…その事は置いといて…私は賛成だよ。パーティー組むの。」
「はい。俺も賛成です。」
「なら、決まりだな。」
「「これからよろしくお願いします。」」
俺とエレンさんは握手して微笑みあった。
こうして、俺とエレンさんはパーティーを組むことになった。一人旅をするつもりだったんだけどなぁ……
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