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第十章 初めてのお仕事
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足は前に進まなくなり、バス停の脇にあったベンチに座り込んだ。疲労と空腹で動きようもなかった。しかし、男がいなくなることもなく、森の中に彷徨いこむこともなく、意識を失っていつの間にか城郭の前に倒れているというようなこともなかった。
「どうすればいいの。」
思わず口に出した。
「なんだ、こんなところにいたのか。早く乗れ。」
男の声が聞こえた。オンボロのワンボックスカーの中からあの運転手が叫んでいた。
「別の仕事が片付いたんで、迎えにきてみればまたいなくなっているじゃないか。だめだ、勝手にうろついちゃ。」
「また、あんたに仕事だってよ。車に戻ってきたら、こんな注文書が座席に放り出してあってな。」
見ると、まるで仕入先に送る注文書のようだった。
業務内容
① この車輛で直ちにホテル××に赴き、308号室に入り一人で待機すること。
② 訪れた男性客の要求に従いサービスを行うこと。
③ サービスの時間は1時間30分とし、時間経過後にサービスを求められたら拒否すること。
④ サービス終了後、ホテル前で待機している係員の指示にしたがい、報酬を受け取り帰宅すること。
⑤ いかなる理由があろうとも本業務を拒否することはできない。拒否しようとした場合、受託者の存在そのものが消滅することになるので注意すること。
報酬額 ○万○千円
●●●●年○月○日
ビジネスライクに記載されているが、どう考えても売春契約書だ。それも拒否すると私の存在を抹消するという。
「あんた、あのハゲおやじをソデにしたんだってな。そりゃ、まずいぞ。この業界でそんなことしちゃ、今頃××川に簀巻きにされて浮かんでても、文句はいえないけどな。」
「この業界って・・・」
「この業界って、わかるだろう。俺も片足突っ込んじゃっているけどな。あんたと同じ新入りなので、詳しいことはよくわからないんだが、あんたのような切り取ったオカマは結構いい商売になるんだそうじゃないか。せっかくの仕事に、何でそんな態度をとるんだ。」
「私は、男の人と寝るなんてできません。」
「馬鹿か、お前は男に抱かれるために身体改造したんだろうが。まあいい、今度はおとなしく言うこと聞くんだな。」
「いやです。」
男は、返事もせずいきなり車をスタートさせた。飛び降りようとしたが、扉はロックされていた。猛スピードで町を通り抜け、郊外のけばけばしいラブホテルに着くと、そのまま駐車場に入った。
「おい、逃げようったって無駄だよ。俺は部屋までついてくからな。」
男は外側からロックを外し、私は車から降ろされた。私の腰をしっかり抱え、そのままチェックインした。
「ほら、はたから見るとまるで恋人どおしみたいに見えるだろう。嬉しいんじゃないか。」
そのまま308号室に入った。
「お前が商品じゃなきゃな、俺がやってやるのにな。逃げるんじゃないぞ、客がくるまで廊下でみはってるいからな。いいな。」
「どうすればいいの。」
思わず口に出した。
「なんだ、こんなところにいたのか。早く乗れ。」
男の声が聞こえた。オンボロのワンボックスカーの中からあの運転手が叫んでいた。
「別の仕事が片付いたんで、迎えにきてみればまたいなくなっているじゃないか。だめだ、勝手にうろついちゃ。」
「また、あんたに仕事だってよ。車に戻ってきたら、こんな注文書が座席に放り出してあってな。」
見ると、まるで仕入先に送る注文書のようだった。
業務内容
① この車輛で直ちにホテル××に赴き、308号室に入り一人で待機すること。
② 訪れた男性客の要求に従いサービスを行うこと。
③ サービスの時間は1時間30分とし、時間経過後にサービスを求められたら拒否すること。
④ サービス終了後、ホテル前で待機している係員の指示にしたがい、報酬を受け取り帰宅すること。
⑤ いかなる理由があろうとも本業務を拒否することはできない。拒否しようとした場合、受託者の存在そのものが消滅することになるので注意すること。
報酬額 ○万○千円
●●●●年○月○日
ビジネスライクに記載されているが、どう考えても売春契約書だ。それも拒否すると私の存在を抹消するという。
「あんた、あのハゲおやじをソデにしたんだってな。そりゃ、まずいぞ。この業界でそんなことしちゃ、今頃××川に簀巻きにされて浮かんでても、文句はいえないけどな。」
「この業界って・・・」
「この業界って、わかるだろう。俺も片足突っ込んじゃっているけどな。あんたと同じ新入りなので、詳しいことはよくわからないんだが、あんたのような切り取ったオカマは結構いい商売になるんだそうじゃないか。せっかくの仕事に、何でそんな態度をとるんだ。」
「私は、男の人と寝るなんてできません。」
「馬鹿か、お前は男に抱かれるために身体改造したんだろうが。まあいい、今度はおとなしく言うこと聞くんだな。」
「いやです。」
男は、返事もせずいきなり車をスタートさせた。飛び降りようとしたが、扉はロックされていた。猛スピードで町を通り抜け、郊外のけばけばしいラブホテルに着くと、そのまま駐車場に入った。
「おい、逃げようったって無駄だよ。俺は部屋までついてくからな。」
男は外側からロックを外し、私は車から降ろされた。私の腰をしっかり抱え、そのままチェックインした。
「ほら、はたから見るとまるで恋人どおしみたいに見えるだろう。嬉しいんじゃないか。」
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「お前が商品じゃなきゃな、俺がやってやるのにな。逃げるんじゃないぞ、客がくるまで廊下でみはってるいからな。いいな。」
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