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誘拐事件
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とある大物政治家には小学生の息子がいた。ある日、その息子が突然、消息を絶った。政治家は当初、誘拐を想像していた。だから下手に警察には通報せず、身内のものに周囲を捜索させ、政治家は家で犯人からの要求を待っていた。
しかし、いくら待っても身代金要求や政治的要求などの電話はかかって来なかった。いたずらに時計の針が進んでいく状況。
どこかで事故にでも遭ったのだろうか。それとも単なる家出だろうか。
そんな不安の中、消息発覚から一日が経ち、政治家は通報することに決めた。──と、その時だった。
玄関の扉が開く。入ったきたのは、行方不明だった息子だ。どうやら自力で帰ってきたみたいだった。
政治家は急いで息子の元へと駆け寄った。息子を抱きかかえて、喜びをかみしめる。
「いままでどこに行ってたんだ!」
抱きかかえたまま、息子に訊ねると、息子は弱々しい声で言った。
「覚えてないんだ。……怒った?」
「怒るものか」
政治家はより一層息子のことを抱きしめた。すると、
「そんなに強く抱きしめないで。ぼく、いま、お腹が痛いんだ」
それを聞いた政治家は、息子を床に下ろすと、自らの腕を見た。だが、政治家は腕時計をしていないことに気付いた。
政治家は急いで部屋の中に戻った。しかし、時すでに遅かった。
【解説&ヒントは↓をスクロール】
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〈ヒント「政治家はどうして腕時計を確認した?」〉
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【解説】
大物政治家の息子の突然の消息不明ということで、誘拐事件を想定していた政治家ですが、身代金要求や、政治的要求はありませんでした。
では、単なる事故や家出だったのかといえば、比較的すぐに自力で戻ってきたことや、記憶がないことからそうとも言い難い状況です。
では、どういうことなのでしょう。
最後の場面で、政治家はあることに気付きました。それは自分が腕時計をしていないことと、息子が腹を痛めていること。
さて、どうして政治家は腕時計を確認したのでしょう。時間を確認したかったからと考えるのが普通ですが、もしもここで違う理由があったとしたら?
たとえば、息子の体から、時計の音が聞こえてきたのだとしたら?
真相は、息子は人間時限爆弾に変えられていたのでした。だからこそ、政治的要求もなかったのです。
しかし、いくら待っても身代金要求や政治的要求などの電話はかかって来なかった。いたずらに時計の針が進んでいく状況。
どこかで事故にでも遭ったのだろうか。それとも単なる家出だろうか。
そんな不安の中、消息発覚から一日が経ち、政治家は通報することに決めた。──と、その時だった。
玄関の扉が開く。入ったきたのは、行方不明だった息子だ。どうやら自力で帰ってきたみたいだった。
政治家は急いで息子の元へと駆け寄った。息子を抱きかかえて、喜びをかみしめる。
「いままでどこに行ってたんだ!」
抱きかかえたまま、息子に訊ねると、息子は弱々しい声で言った。
「覚えてないんだ。……怒った?」
「怒るものか」
政治家はより一層息子のことを抱きしめた。すると、
「そんなに強く抱きしめないで。ぼく、いま、お腹が痛いんだ」
それを聞いた政治家は、息子を床に下ろすと、自らの腕を見た。だが、政治家は腕時計をしていないことに気付いた。
政治家は急いで部屋の中に戻った。しかし、時すでに遅かった。
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〈ヒント「政治家はどうして腕時計を確認した?」〉
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【解説】
大物政治家の息子の突然の消息不明ということで、誘拐事件を想定していた政治家ですが、身代金要求や、政治的要求はありませんでした。
では、単なる事故や家出だったのかといえば、比較的すぐに自力で戻ってきたことや、記憶がないことからそうとも言い難い状況です。
では、どういうことなのでしょう。
最後の場面で、政治家はあることに気付きました。それは自分が腕時計をしていないことと、息子が腹を痛めていること。
さて、どうして政治家は腕時計を確認したのでしょう。時間を確認したかったからと考えるのが普通ですが、もしもここで違う理由があったとしたら?
たとえば、息子の体から、時計の音が聞こえてきたのだとしたら?
真相は、息子は人間時限爆弾に変えられていたのでした。だからこそ、政治的要求もなかったのです。
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