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番外編
番外編 桜とりんご
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桜、見てぇな。
ボソッと呟いた声は廊下に虚しく響いた。
誰も居ない。
誰も聞いてない。
ましてや、誰も知らない名前を呼んだ所でどうなるって言うんだ。
ーーー
「今日は少し、良さそうだな。」
ベッドの上で熱に浮かされて寝込み続けている。
昨日は全く起き上がれなかったが、今日はまだマシだろうか。
微熱でぼぅっ、とするし時たま脳みそがグラッと揺れる。
まるで地震のような酷い感覚。
ドカッと側の椅子に座っては、至極普通の事のように頬を撫でる。
俺の頬なんか撫でて何がそんなに楽しいのか。
固まって笑えもしない俺を別段気にした風も無く、ただ体調を確かめたかったらしい。
「起きていられそうか?」
「はい。」
「無理をするな。トキアキ。」
そう言われると拒めず、いつもの様に彼が差し出す手を可笑しくない力加減を意識して握る。
人と手を握るなんて久しぶりで全然慣れそうにない。
ましてや肌を撫でられるなんて。
ただ、そんな触れ合いは思わずふぅ、と息が漏れるほど呼吸を楽にした。
「今日は暑くなるかも知れん。」
「暑いのは少し苦手です。」
「私は平気だな。」
俺はこの人の為にこの世界に落とされたらしい事を、彼は丁寧に説明してくれた。
ベルモントさんが教えてくれた話よりかなり詳しく。
そして、一見するだけではただのイケオジだが、彼はライオンの獣人であるらしい。
「ただ、換毛期は気が滅入る。寝て起きるとベッドが毛だらけになっているな。」
「それは大変ですね。」
彼は人の姿でいることの方が多いが、同じ獣人でも耳や尻尾だけ出る人もいるそうだし、コントロールは人それぞれのようだ。
「少し慣れてきたな。」
「え。」
「手に力が入ってきた。」
「ぁっ、すみませ、」
慌てて引っ込めようとした手を少しだけ強く握り込まれた。
「良い。お前の安心する力加減を覚えたい。」
「そ、ぅ、ですか」
「抱き締めるのに潰したくはないからな。」
手を離す気はないらしい。
俺はまた、肩に入り過ぎた力を抜いた。
お陰で強くも無く弱くもなく彼の手を握ってみせた。
やっぱり、胸に詰まった息が抜けていく様な気がする。
というか今、この人俺を抱き締めるって言ったか。
そっか。それは良いな。
手を握るだけでほっとするなら、抱き締めたらどうなるんだ。
いや、恥ずかしいな。
「眠そうだぞトキアキ。」
「すこし、そうかもしれません。」
握った手がなんだか凄く温かく感じる。
もっと話をしなきゃと思うのに、なんだか瞼が重くなってきた。
なんでだろ。
この人の手が温いからか。
「よく休め。」
手が解けてくしゃ、と髪を乱される。
ふと、目が合うと彼の金色の瞳がキラッと光って見えた。
もうだめだ。起きていられない眠気が襲う。
だが、口は慣れた言葉を溢したがった。
「いって、らっしゃ...ぃ」
バイト先の弁当屋で、交代で誰かが休憩に入る度にそう言っていた。
それは会社に入ってからも抜けなくて、俺は身近な人にもそう言葉を掛けていた。
好きなんだ。
それで休憩から戻ってきたら、おかえりなさいと言うような弁当屋だった。
エルムディンさんも多分、昼の合間を縫って帰ってきたんだろう。
身体も動かないし、もう寝よう。
とにかく寝よう。凄く眠いんだ。
____
「暇だ。」
とにかく具合さえ悪くなければ俺はとことん、暇人だった。
7日のうち3日具合が悪くとも4日はなんともなかったり、まぁ半日中目眩に苦しむ日もあるが。
暇ですることがないと1日がやたら長く感じる。
それこそ5分すら20分に思えるほど。
ここに来る前なら、20分休憩をやると言われたら喜んで頭を休ませた筈だ。
ボーッとしてたら20分なんてすぐだ。
エルムディンさんは、俺が屋敷を散歩するのを許可してくれた。
外の庭は駄目だったが、代わりにアトリウム、とか言う場所を改造してくれた。半個室の様な、一人で本を読むには充分な広さだ。
カタログを見せてくれて、一人用の白の椅子とテーブルセットを選んでいたら、やたらと金の敷布を薦めてきた。
「使い道の分からない空間に意味が出来たな。」
「なんだ、窓枠が気に入らない、と言う顔だな。」
「良さそうな物を選んでみたら良い。」
アトリウム、と言うらしいそこは特別素敵に見えた。
広くてデカい家の中でそこだけが天井も壁もガラスに囲われ、自然光が降り注いでいる。
「桜、見てぇな。」
ここにはコーヒーも紅茶もある。
魔法は電気みたいに使えて、ご飯も美味しい。
風呂は最高。
でも、違う物が目に付く度、意識する度、胸が鳴る。
寄る辺ない身だと実感するのがこんなにも恐ろしい。
それでも温かくなると思い出してしまう。
桜が見てぇ、と思う。
同時に、おじいちゃん先生が言った言葉も思い出す。
"すまんな。わしらの世界にやってくる異界の者はこれまでも居ったのだが。そのどのお方も元いた世界に返して差し上げることは出来なんだ。"
「そろそろ戻らないと、」
新しいアトリウムはとても居心地が良い。
エルムディンさんが用意してくれた部屋のベッドより。
頼んでみようかな。
部屋を好きな様にしてみたい、って。
そしたら、こうして声を殺して泣かずに済むかもしれない。
ーーーーー
数日後。
机いっぱいのカタログが届いた。
メモが付いている。
ドアノブは私の色が良い。
それから、カフスを1組選んで欲しい。
楽しみにしている。
不覚にも、可愛いと思ってしまった。
こんな事ならもっと早く相談すれば良かったんだ。
ひとりで思い悩んでいたのは良くなかったんだな。
相談、しなくては。
彼はこの世界でたった一人の俺の番、なのだから。
「金色のドアノブって触りづらいなぁ。」
ーーーーー
更に数ヶ月後。
縁はゴールド、台座は朱色。
モチーフはライオンでその背景にはりんごの花と蕾が描かれたネックレスを贈られる。
それをまだトキアキは知らない。
その花の意味も。
もしかしたらずっと。
ボソッと呟いた声は廊下に虚しく響いた。
誰も居ない。
誰も聞いてない。
ましてや、誰も知らない名前を呼んだ所でどうなるって言うんだ。
ーーー
「今日は少し、良さそうだな。」
ベッドの上で熱に浮かされて寝込み続けている。
昨日は全く起き上がれなかったが、今日はまだマシだろうか。
微熱でぼぅっ、とするし時たま脳みそがグラッと揺れる。
まるで地震のような酷い感覚。
ドカッと側の椅子に座っては、至極普通の事のように頬を撫でる。
俺の頬なんか撫でて何がそんなに楽しいのか。
固まって笑えもしない俺を別段気にした風も無く、ただ体調を確かめたかったらしい。
「起きていられそうか?」
「はい。」
「無理をするな。トキアキ。」
そう言われると拒めず、いつもの様に彼が差し出す手を可笑しくない力加減を意識して握る。
人と手を握るなんて久しぶりで全然慣れそうにない。
ましてや肌を撫でられるなんて。
ただ、そんな触れ合いは思わずふぅ、と息が漏れるほど呼吸を楽にした。
「今日は暑くなるかも知れん。」
「暑いのは少し苦手です。」
「私は平気だな。」
俺はこの人の為にこの世界に落とされたらしい事を、彼は丁寧に説明してくれた。
ベルモントさんが教えてくれた話よりかなり詳しく。
そして、一見するだけではただのイケオジだが、彼はライオンの獣人であるらしい。
「ただ、換毛期は気が滅入る。寝て起きるとベッドが毛だらけになっているな。」
「それは大変ですね。」
彼は人の姿でいることの方が多いが、同じ獣人でも耳や尻尾だけ出る人もいるそうだし、コントロールは人それぞれのようだ。
「少し慣れてきたな。」
「え。」
「手に力が入ってきた。」
「ぁっ、すみませ、」
慌てて引っ込めようとした手を少しだけ強く握り込まれた。
「良い。お前の安心する力加減を覚えたい。」
「そ、ぅ、ですか」
「抱き締めるのに潰したくはないからな。」
手を離す気はないらしい。
俺はまた、肩に入り過ぎた力を抜いた。
お陰で強くも無く弱くもなく彼の手を握ってみせた。
やっぱり、胸に詰まった息が抜けていく様な気がする。
というか今、この人俺を抱き締めるって言ったか。
そっか。それは良いな。
手を握るだけでほっとするなら、抱き締めたらどうなるんだ。
いや、恥ずかしいな。
「眠そうだぞトキアキ。」
「すこし、そうかもしれません。」
握った手がなんだか凄く温かく感じる。
もっと話をしなきゃと思うのに、なんだか瞼が重くなってきた。
なんでだろ。
この人の手が温いからか。
「よく休め。」
手が解けてくしゃ、と髪を乱される。
ふと、目が合うと彼の金色の瞳がキラッと光って見えた。
もうだめだ。起きていられない眠気が襲う。
だが、口は慣れた言葉を溢したがった。
「いって、らっしゃ...ぃ」
バイト先の弁当屋で、交代で誰かが休憩に入る度にそう言っていた。
それは会社に入ってからも抜けなくて、俺は身近な人にもそう言葉を掛けていた。
好きなんだ。
それで休憩から戻ってきたら、おかえりなさいと言うような弁当屋だった。
エルムディンさんも多分、昼の合間を縫って帰ってきたんだろう。
身体も動かないし、もう寝よう。
とにかく寝よう。凄く眠いんだ。
____
「暇だ。」
とにかく具合さえ悪くなければ俺はとことん、暇人だった。
7日のうち3日具合が悪くとも4日はなんともなかったり、まぁ半日中目眩に苦しむ日もあるが。
暇ですることがないと1日がやたら長く感じる。
それこそ5分すら20分に思えるほど。
ここに来る前なら、20分休憩をやると言われたら喜んで頭を休ませた筈だ。
ボーッとしてたら20分なんてすぐだ。
エルムディンさんは、俺が屋敷を散歩するのを許可してくれた。
外の庭は駄目だったが、代わりにアトリウム、とか言う場所を改造してくれた。半個室の様な、一人で本を読むには充分な広さだ。
カタログを見せてくれて、一人用の白の椅子とテーブルセットを選んでいたら、やたらと金の敷布を薦めてきた。
「使い道の分からない空間に意味が出来たな。」
「なんだ、窓枠が気に入らない、と言う顔だな。」
「良さそうな物を選んでみたら良い。」
アトリウム、と言うらしいそこは特別素敵に見えた。
広くてデカい家の中でそこだけが天井も壁もガラスに囲われ、自然光が降り注いでいる。
「桜、見てぇな。」
ここにはコーヒーも紅茶もある。
魔法は電気みたいに使えて、ご飯も美味しい。
風呂は最高。
でも、違う物が目に付く度、意識する度、胸が鳴る。
寄る辺ない身だと実感するのがこんなにも恐ろしい。
それでも温かくなると思い出してしまう。
桜が見てぇ、と思う。
同時に、おじいちゃん先生が言った言葉も思い出す。
"すまんな。わしらの世界にやってくる異界の者はこれまでも居ったのだが。そのどのお方も元いた世界に返して差し上げることは出来なんだ。"
「そろそろ戻らないと、」
新しいアトリウムはとても居心地が良い。
エルムディンさんが用意してくれた部屋のベッドより。
頼んでみようかな。
部屋を好きな様にしてみたい、って。
そしたら、こうして声を殺して泣かずに済むかもしれない。
ーーーーー
数日後。
机いっぱいのカタログが届いた。
メモが付いている。
ドアノブは私の色が良い。
それから、カフスを1組選んで欲しい。
楽しみにしている。
不覚にも、可愛いと思ってしまった。
こんな事ならもっと早く相談すれば良かったんだ。
ひとりで思い悩んでいたのは良くなかったんだな。
相談、しなくては。
彼はこの世界でたった一人の俺の番、なのだから。
「金色のドアノブって触りづらいなぁ。」
ーーーーー
更に数ヶ月後。
縁はゴールド、台座は朱色。
モチーフはライオンでその背景にはりんごの花と蕾が描かれたネックレスを贈られる。
それをまだトキアキは知らない。
その花の意味も。
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