27 / 59
27 何でも無いフリ
しおりを挟む
「痛っ」
会社で転んだ。
すてんっ
幸い誰も見てなかったのに
立ち上がった時には人が現れた
笑い話にも消化されない
ただ無意味に
セーターにぽこっと穴を開けられた気分
こんなこと。
泣く理由にはならない
だってどこも怪我してない
ただ
すてんっ
と転んだだけ。
「おぉ、おかえり。偶然だな。」
ハッと顔を上げたら恋人が玄関の鍵を開けた所だった。
「どした、腹減った?」
首を振る。
何でもないフリくらい私にも出来る。
「そう?」
「ご飯、つくる。」
「今日鍋だろ?」
「うん。」
靴を脱ぐ。
コートも脱いで、身体が軽くなった。
「その前に、何か忘れてない?」
「え、鍵かけたよ」
「おかえり。」
もう一回、今度は目を合わせて言ってくる。
「おかえり。」
あぁ、いいや。
尻もちなんてどうでも良い。
私が帰って来て嬉しそうに、おかえりって言うひとがいるのに、尻もち?
「ただいまっ」
「おぉ、元気になったな。」
「へへっ。」
「ほら、鍋の用意するぞ。」
ーーー
会社で転んだ。
すてんっ
幸い誰も見てなかったのに
立ち上がった時には人が現れた
笑い話にも消化されない
ただ無意味に
セーターにぽこっと穴を開けられた気分
こんなこと。
泣く理由にはならない
だってどこも怪我してない
ただ
すてんっ
と転んだだけ。
「おぉ、おかえり。偶然だな。」
ハッと顔を上げたら恋人が玄関の鍵を開けた所だった。
「どした、腹減った?」
首を振る。
何でもないフリくらい私にも出来る。
「そう?」
「ご飯、つくる。」
「今日鍋だろ?」
「うん。」
靴を脱ぐ。
コートも脱いで、身体が軽くなった。
「その前に、何か忘れてない?」
「え、鍵かけたよ」
「おかえり。」
もう一回、今度は目を合わせて言ってくる。
「おかえり。」
あぁ、いいや。
尻もちなんてどうでも良い。
私が帰って来て嬉しそうに、おかえりって言うひとがいるのに、尻もち?
「ただいまっ」
「おぉ、元気になったな。」
「へへっ。」
「ほら、鍋の用意するぞ。」
ーーー
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる