甘々にすっ転べ全集

mimimi456/都古

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25 手を繋いで

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自己防衛の為の癖は外すのに時間ぎ掛かる

そう彼が言った。

けれど、こうも言った。


癖は意識さえすれば少しずつだが外せるものだ。


例えば我慢。
何を我慢しているのかも分からない程の
無意識下で
もはや恒例となっている我慢。

そうする事で仕事をこなし
生活をこなす癖が付いている。

普通は気分転換やガス抜きをする。

けど無意識なら。

例えば食い縛り。
歯軋り、ぐるぐる思考、自己否定、その他沢山。

「分かったか?」

夫は手をぎゅっと繋いで聞いて来る。

「無意識に我慢のし過ぎだ。」

頷くだけで精一杯だった。

たった今から、無意識では無くなったからだ。
本当は我慢していた事が沢山有った。
あれもあれもこれも、苦手で嫌できらいだったのに全部我慢してやったんだ。

「分かったなら良い。ロールケーキ食べないか?」

何時もなら。我慢する。
さっきご飯を食べたばかりで、今日はお菓子を食べ過ぎた。

「我慢してるな?良いのか?美味そうなロールケーキを食いそびれるなんて、今晩夢に出て来るぞ?」

ーー食べた。

いっぱい食べた。

しかも
お腹いっぱい食べた。

夢にも出てきて欲しいくらい美味しかった!


「もう一本食べたい」

「そりゃ良かった。今度買いに行こうな。」



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