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第二章 お師匠様がやってきた
聖者の忠告「敵と味方を分別する世話役となれ」
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「あるとき、私に兄の先輩たちが教えてくれたんだ。『お前にどのような態度で接しているかで、その者の真贋や正邪がわかる。お前、そのまま試験薬になっていろ』とな」
ルシウスがまだ尖った少年時代のことだ。
「それって……」
「ああ。アイシャも同じだろう? 今のアイシャへの態度を見ていれば、彼がどのような人物か、まるで試験薬を使ったかのようによくわかるな?」
恐らくあの男は、アイシャに注意をすることで、周囲に己が良識的な人間であることを印象づけたかった人物だ。
そのこと自体は社会でふつうに誰でもやっている処世術なのだろうが、やり方がよくない。そのためにわざわざアイシャを選んで貶める必要はないはずだ。
それだけで要注意人物だということがわかる。
トオンもルシウスも、また今アイシャの周りにいる女の子や婦人たちも彼の顔を覚えたことだろう。
「トオン、お前は生涯彼女とともにいるというなら、側にいて冷静に見ていてやることだ。余計な口をできるだけ挟むことなく、な」
ルシウスが言うには、アイシャが王城で亡きクーツ元王太子の婚約者だったときも、同じような意図を持って冷静にアイシャとその周囲を観察していた者たちがいたはずだという。
「あ、それは宰相だね。結局、彼がいなかったら俺たちも王家を潰せなかった」
今、このカーナ王国は王家の不祥事が一気に新聞への『聖女投稿』によって民たちに知られたことで、国王と王妃が退位することになり、結果として王家の解体が決まった。
今後、数年かけて王政国家から共和国政への移行を進めることになる。
トオンは、半年前の事件で自滅して死んでいった異母弟のクーツ王子に扮して国王に即位していて、王妃にはアイシャがなった。
その宰相に上手くふたりして転がされつつも、この国の王家と上層部、貴族たちの一部が腐敗していて大幅な改革が必要だということは、三人とも意見が同じだった。
王家の暗い部分を取捨選択して、効果的になるよう新たな『聖女投稿』を新聞社に投稿し、民たちが王家に対して完全に愛想を尽かすよう誘導していった。
結果は目論見通りで、クーツ国王だったトオンは、国民の代表だという改革者たちの集団に糾弾され、国王の座から引き摺り降ろされた。
ということになっている。
実際は、その改革者グループのリーダーたちとも裏で話を合わせていて、全員で派手なお遊戯会をしたわけだ。
それを知らないのは、まだ残っていた王族の一部や、高位貴族など既得権益を享受して、聖女アイシャを平気で虐げていたような者たちばかりだったから、大した罪悪感もない。
トオンとアイシャとしては、非常にスッキリした形で退場し、また南地区外れの赤レンガの建物まで戻ってこれたという感じだった。
そんな話を簡単にトオンから聞いたルシウスは、トオンへひとつ、ある忠告をすることに決めた。
「アイシャはあれだけ力のある強力な聖女だから、良くも悪くも目立つ」
「それはまあ。俺なんかとは比べ物にならないくらい、アイシャはすごくて、強くて」
「違う。認識すべきはそこじゃない」
「へ?」
すかさず否定されて、トオンは少し前のめりにつんのめりそうになった。違うの?
「ここを勘違いすると悲惨なことになる。お前が目指すべきは、聖女アイシャと肩を並べることができるほど強い魔力使いになることではない。そこは最初から無理なので考える必要はない」
「お、おう……」
つらい。自分でもわかっていたが、他人から現実を突きつけられると正直きつい。
トオンは環使いとして魔力使いに目覚めたものの、あまり強いタイプではないようだ。
自分でもわかる。修行したからといって何とかなるようなものではないと。
しかし、ルシウスはそんなトオンを落ち込ませたままではいなかった。
「お前は彼女が目立っているとき、何歩も後ろに離れて広い視野を保ちながら、彼女と周囲をまとめて観察するのが役目だ。そうして聖女アイシャの味方と敵を分別するのが使命と心得よ」
「!」
トオンの目つきが瞬時に変わった。
良い顔になった、とルシウスは満足げだ。
「今後は、『聖女アイシャの世話役トオン』と名乗るといい。私を含め、フリーダヤ・ロータスファミリーの魔力使いたちはお前をそう呼ぶ」
師匠のフリーダヤやロータスにそう報告しておくと、ルシウスは言った。
しかし、トオンは咄嗟に待ったをかけた。
「えっ。魔術師とか聖者とか何とか、格好いい称号じゃないんですか!?」
「魔術師も聖者も他にいるが、“聖女アイシャの世話役”はお前だけだぞ? 不満なのか?」
「ふ、不満というか……」
古書店の店番をしながら、店内の魔法書などを眺めつつ、自分には魔力使いとしてどんな称号が付くのかなあと、密かにワクワクしていたトオンだ。
例えば、カズンは魔術師だし、この目の前の男前は聖者であり魔法剣士。
……格好いいじゃないか。自分だって何かこう、こう……!
と思っていたので、まさかの呼び名にかなりビックリした。
「力のある聖女の世話役など、なりたいと思ってもそうなれるものではないぞ?」
「そんなこと言ってるルシウスさんだって、相当力のある聖者でしょ。俺だって環が使えるようになったから、相手の魔力とかそういうの、わかるようになってきたんですよ?」
トオンが知る魔力使いは、聖女アイシャ、その知己で永遠の国の大司祭・聖者ビクトリノ、友人の魔術師カズン。
そして、初代聖女エイリー。彼の実の母親だ。
彼らと比べても、このルシウスという男の魔力が際立って巨大なことが、今のトオンには環を出していなくても、何となくわかる。
というより、普通にしていてもルシウスはほんのりと輪郭がネオンブルーに光って見えることがあるし、アイシャが聖女の祥兆としてオレンジに似た爽やかな芳香を漂わせるのと同じで、彼の場合は松脂やフランキンセンスなどに似た、気分がすーっと爽快になる植物性の樹脂香の香りがする。
ルシウスの場合は、その香りは防臭効果のあるデオドラント製品や化粧品によくある香りと似ているので、このバザー会場にいても彼が聖者であると気づいたものは、まだいないようである。
「環使い、聖女アイシャの世話役トオン、かあ。……まあ、いいか」
トオンは溜め息をついたが、この彼が後に、大聖女アイシャの無比のパートナーにして、鋭く真実を見抜く観察眼の持ち主として、魔力使いたちの世界で知られることになるのである。
ルシウスがまだ尖った少年時代のことだ。
「それって……」
「ああ。アイシャも同じだろう? 今のアイシャへの態度を見ていれば、彼がどのような人物か、まるで試験薬を使ったかのようによくわかるな?」
恐らくあの男は、アイシャに注意をすることで、周囲に己が良識的な人間であることを印象づけたかった人物だ。
そのこと自体は社会でふつうに誰でもやっている処世術なのだろうが、やり方がよくない。そのためにわざわざアイシャを選んで貶める必要はないはずだ。
それだけで要注意人物だということがわかる。
トオンもルシウスも、また今アイシャの周りにいる女の子や婦人たちも彼の顔を覚えたことだろう。
「トオン、お前は生涯彼女とともにいるというなら、側にいて冷静に見ていてやることだ。余計な口をできるだけ挟むことなく、な」
ルシウスが言うには、アイシャが王城で亡きクーツ元王太子の婚約者だったときも、同じような意図を持って冷静にアイシャとその周囲を観察していた者たちがいたはずだという。
「あ、それは宰相だね。結局、彼がいなかったら俺たちも王家を潰せなかった」
今、このカーナ王国は王家の不祥事が一気に新聞への『聖女投稿』によって民たちに知られたことで、国王と王妃が退位することになり、結果として王家の解体が決まった。
今後、数年かけて王政国家から共和国政への移行を進めることになる。
トオンは、半年前の事件で自滅して死んでいった異母弟のクーツ王子に扮して国王に即位していて、王妃にはアイシャがなった。
その宰相に上手くふたりして転がされつつも、この国の王家と上層部、貴族たちの一部が腐敗していて大幅な改革が必要だということは、三人とも意見が同じだった。
王家の暗い部分を取捨選択して、効果的になるよう新たな『聖女投稿』を新聞社に投稿し、民たちが王家に対して完全に愛想を尽かすよう誘導していった。
結果は目論見通りで、クーツ国王だったトオンは、国民の代表だという改革者たちの集団に糾弾され、国王の座から引き摺り降ろされた。
ということになっている。
実際は、その改革者グループのリーダーたちとも裏で話を合わせていて、全員で派手なお遊戯会をしたわけだ。
それを知らないのは、まだ残っていた王族の一部や、高位貴族など既得権益を享受して、聖女アイシャを平気で虐げていたような者たちばかりだったから、大した罪悪感もない。
トオンとアイシャとしては、非常にスッキリした形で退場し、また南地区外れの赤レンガの建物まで戻ってこれたという感じだった。
そんな話を簡単にトオンから聞いたルシウスは、トオンへひとつ、ある忠告をすることに決めた。
「アイシャはあれだけ力のある強力な聖女だから、良くも悪くも目立つ」
「それはまあ。俺なんかとは比べ物にならないくらい、アイシャはすごくて、強くて」
「違う。認識すべきはそこじゃない」
「へ?」
すかさず否定されて、トオンは少し前のめりにつんのめりそうになった。違うの?
「ここを勘違いすると悲惨なことになる。お前が目指すべきは、聖女アイシャと肩を並べることができるほど強い魔力使いになることではない。そこは最初から無理なので考える必要はない」
「お、おう……」
つらい。自分でもわかっていたが、他人から現実を突きつけられると正直きつい。
トオンは環使いとして魔力使いに目覚めたものの、あまり強いタイプではないようだ。
自分でもわかる。修行したからといって何とかなるようなものではないと。
しかし、ルシウスはそんなトオンを落ち込ませたままではいなかった。
「お前は彼女が目立っているとき、何歩も後ろに離れて広い視野を保ちながら、彼女と周囲をまとめて観察するのが役目だ。そうして聖女アイシャの味方と敵を分別するのが使命と心得よ」
「!」
トオンの目つきが瞬時に変わった。
良い顔になった、とルシウスは満足げだ。
「今後は、『聖女アイシャの世話役トオン』と名乗るといい。私を含め、フリーダヤ・ロータスファミリーの魔力使いたちはお前をそう呼ぶ」
師匠のフリーダヤやロータスにそう報告しておくと、ルシウスは言った。
しかし、トオンは咄嗟に待ったをかけた。
「えっ。魔術師とか聖者とか何とか、格好いい称号じゃないんですか!?」
「魔術師も聖者も他にいるが、“聖女アイシャの世話役”はお前だけだぞ? 不満なのか?」
「ふ、不満というか……」
古書店の店番をしながら、店内の魔法書などを眺めつつ、自分には魔力使いとしてどんな称号が付くのかなあと、密かにワクワクしていたトオンだ。
例えば、カズンは魔術師だし、この目の前の男前は聖者であり魔法剣士。
……格好いいじゃないか。自分だって何かこう、こう……!
と思っていたので、まさかの呼び名にかなりビックリした。
「力のある聖女の世話役など、なりたいと思ってもそうなれるものではないぞ?」
「そんなこと言ってるルシウスさんだって、相当力のある聖者でしょ。俺だって環が使えるようになったから、相手の魔力とかそういうの、わかるようになってきたんですよ?」
トオンが知る魔力使いは、聖女アイシャ、その知己で永遠の国の大司祭・聖者ビクトリノ、友人の魔術師カズン。
そして、初代聖女エイリー。彼の実の母親だ。
彼らと比べても、このルシウスという男の魔力が際立って巨大なことが、今のトオンには環を出していなくても、何となくわかる。
というより、普通にしていてもルシウスはほんのりと輪郭がネオンブルーに光って見えることがあるし、アイシャが聖女の祥兆としてオレンジに似た爽やかな芳香を漂わせるのと同じで、彼の場合は松脂やフランキンセンスなどに似た、気分がすーっと爽快になる植物性の樹脂香の香りがする。
ルシウスの場合は、その香りは防臭効果のあるデオドラント製品や化粧品によくある香りと似ているので、このバザー会場にいても彼が聖者であると気づいたものは、まだいないようである。
「環使い、聖女アイシャの世話役トオン、かあ。……まあ、いいか」
トオンは溜め息をついたが、この彼が後に、大聖女アイシャの無比のパートナーにして、鋭く真実を見抜く観察眼の持ち主として、魔力使いたちの世界で知られることになるのである。
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