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百花繚乱
「椿」六
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「…なあ、その鎖、解いてあげようか?縛られたのって昨日の今日じゃないんだろ?」
自分でもなんでこんなことを口走ったのかがわからない。
けど、僕も、目の前に鎖で縛られた奴がいるのに、それを見捨てるほど鬼ではない。
だけど、彼は一言、
「…放っといてくれ」
それだけ呟いた。
「…鎖を解かれるのが嫌なのか?」
「…嫌と言えば嘘になる。何年も繋がれたままだから、解放されたいという気持ちも確かにある。でも、結構だ、放っといてくれ」
「…どういう事情があってあなたがここにいるのかは知らないけど、解放されたいのなら自分の気持ちに素直になればいいだろ。それにこうやってあなたと会ったのも何かの縁だ。
だから、この縁に甘えておけばいいだろ」
僕は、彼の煮え切らない態度にややイラッとして、普段の自分だったら考えられないようなことを口走ってしまった。
だけど、そんなことを言ったのに、彼から怒ってる様子は見られなかった。
それどころか、口を開けてこちらを見て、驚いたような様子を見せていた。
「はっ、わかった、いいよ。お言葉に甘えてお願いしよう。鎖を解いて頂こう、解けるものならば」
自分でもなんでこんなことを口走ったのかがわからない。
けど、僕も、目の前に鎖で縛られた奴がいるのに、それを見捨てるほど鬼ではない。
だけど、彼は一言、
「…放っといてくれ」
それだけ呟いた。
「…鎖を解かれるのが嫌なのか?」
「…嫌と言えば嘘になる。何年も繋がれたままだから、解放されたいという気持ちも確かにある。でも、結構だ、放っといてくれ」
「…どういう事情があってあなたがここにいるのかは知らないけど、解放されたいのなら自分の気持ちに素直になればいいだろ。それにこうやってあなたと会ったのも何かの縁だ。
だから、この縁に甘えておけばいいだろ」
僕は、彼の煮え切らない態度にややイラッとして、普段の自分だったら考えられないようなことを口走ってしまった。
だけど、そんなことを言ったのに、彼から怒ってる様子は見られなかった。
それどころか、口を開けてこちらを見て、驚いたような様子を見せていた。
「はっ、わかった、いいよ。お言葉に甘えてお願いしよう。鎖を解いて頂こう、解けるものならば」
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